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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
1章 転生、異界『ラシル』の地にて。
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聖域を守護せし霧


  二人は降り注ぐ針の雨を斬りながら防ぐ。

 刀に『聖光』を纏わせて、自身には【聖雷】を発動させて、降り注ぐ針を回避していく。


 ミレドは、自身の身体能力と聖龍の力を一部具現化し、腕に纏わせた【聖龍鋭爪】を駆使して赤黒い霧を霧散させていく。


「くそっ!!キリがない。このままでは押し切られるぞ!!」


「もう一度妾が出て、奴を引き付ける。その間におぬしは奴の隙に一撃いれるのじゃ!!」


 降り注ぐ針の雨を防ぎながらミレドが前へと飛び出して行く。


(そういわれても奴に隙なんてあるのか?)


 針を防ながら龍とミレドが戦う姿をチラチラと盗み見る。


  ミレドが【聖龍鋭爪】で邪龍の体を斬り付けながら、邪龍の攻撃を避けていく。


 しかし、龍の鱗が硬く、ミレドの攻撃でも掠り傷が入るだけで致命的なダメージに欠けるようである。

  邪龍がミレドへ尻尾の薙ぎ払いをした後、自分の前へと飛んだミレドに『ブレス』をぶちかます。


 ミレドが後ろへ逸れて、寸でのところで避ける。

 まるで龍と龍が踊るかの如く舞う。しかし、今はそんなことを考えている暇は無い。


(早く隙を見つけないとジリ貧だ。しかし隙なんて……)


 そう考えかけた時に、はたと気付く。


 ブレスを放った後、次に動く龍の動きにムラがある。そして、前の戦いで与えている傷から霧が漏れ出ている。

(アソコを突くこと事ができれば……)


 しかし、考えた後落とし穴に気付く。


(くそっ!!まずは赤黒い霧を何とかしないと攻撃が入らない!!)


 針を防いでいくも全ては防ぎ切れず、徐々にそのダメージが蓄積していく中で考える。


 ミレドが邪龍へと攻撃した後に邪龍からの針

の雨が降り注ぐ。


斬って、霧散させて進む。


 そして、とっておきの方法を閃く、


(針の雨、ミレドの【聖龍鋭爪】、霧。

‥‥‥‥!!!)



 ****


(魔力も少なくなっている。試す余力も無い。ぶっつけ本番になるが、もうこれしかないか……)


 走り出す。


  刀で防ぎ、回避しながら、魔力へと集中する普段は魔法を二つしか使わない魔力をフル稼働させて第三の魔法へと注ぎ発動する。


「【深き霧(ディープ・ミスト)】、【付与(エンチャント)(セイクリッド)】」


 体中が悲鳴を上げて軋む。

 無茶に無茶を重ねた上に更に無茶をしているのだ。


いつ体が崩壊してもおかしくない程である。


「ぐっ!!ぐぐ、‥‥ご、合成、魔法【聖域を守護せし霧シャイン・オブ・ザ・ミスト】!!!」


 体の周囲に溜まっていた霧が一気に霧散して全体へと広がる。すると、飛んで来る針が霧散し、塵へと帰る。


「はあ、はあ、……よ、よし!!次!!!」


 自身に纏っていた【聖雷】を解除し、ミレドにアイコンタクトを送る。

 ミレドはちらっとこちらを見た後、小さく頷く。どうやらこちらの意図を汲んだようだ。


 刀を鞘へと納める。



 ミレドが翼を斬り裂く姿が目に入る。


 死ニ損ナイメガ、小賢シイ!!コレデ終イダ!!!


 再びミレドへと『ブレス』を放つ。


「【極聖咆哮(シャイン・ブレス)】!!!」


 それを【極聖咆哮】で迎え撃つ。

 二つの『ブレス』がぶつかり合い、霧散して消える。



  ネスクはそちらに気を取られている龍へと走る。


(一瞬で良い……。奴のブレスが吐き終えた一瞬に全部を掛ける。)


 自身の足に【身体強化(ストレンジ)】のみをかける。


 大地を踏みしめて一瞬で奴の懐に入ってキズの前にたどり着く。


 そして残り少ない魔力を振り絞って発動する。


「この一撃で終わらせる。刀へと集中、凝縮、凝縮‥‥刀身へ魔力を全てを捧げる。

【聖雷】」


 今残っている魔力全てを使い魔法を使用する。持っている刀から雷が漏れ出す。


「いけっ、【斬―スラッッッシュ-】!!!!」


 鞘に納めた刀に魔力を‥‥‥‥。


全身全霊を掛けて引き抜く。


 刀の刃が邪龍のキズを捉える。


 白い雷が龍のキズを貫き空へと駆け昇る。


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