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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
1章 転生、異界『ラシル』の地にて。
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赤黒い闇

 

「やったのか?」


 ミレドの横に降り立つ。


 前方では、ミレドの【極聖咆哮(シャイン・ブレス)】による光の柱が立ち上がっている。


「分からぬ。魔力は感じぬが、奴がこの程度でやられるとも思えん。」






――しばらくして

 柱の柱が収まる。

そこには龍の無く、代わりに別の物がそこにあった。


「なんだ、あれは?」


「分からぬが嫌な気配がするのう。それにこの妙にざわざわする感覚、前に一度あった感覚に似ておる。」


  黒く光を通さない程、真っ黒な丸い球体がそこにある。光により抉れた地面の中心に何もなかったかのようにそこにある。


「前っていつだよ!!」


「…………前の戦いじゃ。」


 パリンッ!!


 ()()()()()()()()()音が聞こえた。まるで鏡が割れるかのような音。


  ミレドに向けていた視線を球体へと戻す。


すると、球体にひびが入る。


 ひびが広がり全体へと回る。そして割れる。

黒い闇のような霧がぶちまける。



 その霧が集束し形を成す。


  黒い鱗に、四本の足、闇の翼、まるでこの世の()()()()()したかのような姿の邪龍がそこにいる。

 先程と姿が変わり、翼の鉤爪部分にモヤを凝縮した腕が出来上がっている。


 前に戦った獣のような赤い目をこちらへ向ける。


 コノ姿ニナルノハ前戦ブリダ、


(フタ)ツノ魂ヲ喰ラッテモナオ疼ク、


何モカモヲ壊シタイ衝動ニカラレル、


故ニ其処ノ者ヲ喰ライ終末トスル


  邪龍が吠えると、森が枯れていく。

 まるで終末の訪れがそこにいるかのような闇の気配が漂う。


「やはりその姿は、レイヴとジルを喰った姿であったか。」


 ミレドの表情は見えないがその声音には怒りのような感情が含まれている。


()くぞ。」


 ミレドが動く。

邪龍の頭の前に一瞬で移動する。


「限定解除、魔力生成【聖龍鋭爪(シャイン・ライ・クク)】」


 聖の光がミレドの両手に凝縮し形作る。


 鋭い爪が三本ある籠手のような形。まるで龍の鉤爪のようた。


 横凪ぎに振る。


 光が全ての物を切り裂いていく。

この中には、黒いモヤも含まれる。


 しかし、


 クダラン、アノ戦イカラ数百年


キサマハドウヤラ衰退シタヨウダナ


 無傷の邪龍がミレドへと語る。

 巨体が一瞬でミレドの前から消えて尻尾でミレドをはたく。


「んぐっ!?」


 ミレドが龍の後ろの木々をなぎ倒してピンポン玉のように跳ねて飛んでいった。


「ミレドォ!!!!」


 悲痛な叫びが木霊する。


「くそっ!!【聖雷(パージ・ライトニング)】!!!」


 【聖雷】を発動させ飛び出す。

ミレドほどでは無いがそれでも龍への距離を詰める。


「【聖炎乱舞】!!!!」


 黒いモヤを斬り、龍へと連続で振るう。


 しかし、途中で炎が届かなくなる。


「!!!!!?」


 赤くも闇のような霧が防ぐ。


破壊神ヨリ受ケ賜ッタ


コレでキサマモ喰ラッテヤル


 ()()()霧がネスクを絡めとる。


「うっ、ぐ、く、っ、そ!!!離、せ!!」


  ネスクは暴れるも効果を為さない。

 【聖雷】の白い雷が霧により、吸い込まれていく。


そしてそのまま、赤黒い霧へと変換される。


 ネスクの体から力が失われていく。


「はあっ!!」


 邪龍が後方へと吹っ飛び再び間合いが空く。

 ミレドの蹴りを受けても全く怯んだ様子の無い邪龍を尻目にして顔を向ける。


「けほっ、けほっ、けほっ……」

 ネスクはというと、

先程の霧により魔力を吸われたことで膝をつく。


「いけるかのう?」


「ああ、何とか。そっちこそ派手にぶっ飛ばされたが大丈夫なのか?」


「……何とかのう。しかし、参った。しばらく意識が飛んでおった。その上、回復魔法は掛けたが体がボロボロじゃな。」


 ミレドの服に血がべっとりと付いている。

吐血したような跡も見受けられる。


 トラックに轢かれても無傷そうなミレドがボロボロになる程だ。


やはり奴の一撃はそれほどの物であるようだ。


 話シ合イハオ終ワッタカ?


ナラバ次ハコチラノ番ダ


 前方にいた龍が消える。


「何処だ?‥‥‥‥‥‥‥‥上か!!」


 上へと視界を向ける。


 赤黒い霧をコートのように纏った姿で上空へと舞っている。その霧が凝縮していく。


 細長い針のような形状に作り変わる。


 無数の針が龍の周りに、作り出される。

先程の黒い霧で作られた物など比にならない。


 我ノ前ニテ(チカラ)尽キヨ、我ガ対ナル龍、ミレドグラルヨ!!!


 その言葉とともに無数の針が動き、二人に降り注ぐ。

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