奴隷の少女と3人の男達
(‥‥‥ん、悲鳴?)
遠くで悲鳴のような声が聞こえた。気がする。
眠い目を擦って体を起こす。
ミレドは、というと。
「うみゅみゅ・・・・もうそんなに・・・・たべらぬよ・・・・ふみゅみゅ」
絶賛、夢の中で何かを食べているご様子。
(この子は一体、夢で何を食べてるんだ?
全く・・・・)
夢の中でご執心のミレドを横目に悲鳴の聞こえた方を探る。
「【探知】」
【サーチ】を掛け、魔力を探る。
ここから、ニ○○メートル。東に行ったところに魔力が四つ、いや、五つ。
一つを囲むように三つが、徐々に距離を詰め近づいていっている。
そして、その後方。三○○メートルの所に一つ。この中で一番魔力の色が濃い。
一番強いのはコイツのようだ。
刀を腰に差して、その地点へと向かう。
「【身体強化】、【加速】」
月の光もあり、今夜は随分と明るく夜目もよく効く。体を休めた事もあり、絶好調。
そのせいもあってか、目的の場へとすぐに辿り着く。
「【穏行】」
【穏行】を使い気配を消し、近くの茂みで、
聞き耳を立てる。
*
「コイツ、どうするよ?」
小太り気味の男がそう言う。
「今のまま痺れさせておくのもいいが、頭の所に連れていくまでにまた逃げられてもしょうがないからな。縄でしばっておけ。」
真ん中の髭を携えた男が言う。
「けどよ、ただの縄で良いのかよ。魔力で直ぐに逃げちまうじゃないだべか?」
どこか田舎口調?の男が言う。
―――髭の男が縄を取り出す。
「大丈夫だ!この縄なら。
この縄は魔力を封じる縄『封魔の鎖』。
頭からコイツをとっ捕まえるために渡された物だから。」
「へぇ、お前そんな物渡されてたのか..。」
「お頭も人が悪いだべよ。」
「グリッド、お前まだ田舎口調直ってなかったのか?」
「そういうお前は太って縮んだだべな。ビン」
「うっせえ、体を鍛えたといえ!!」
「二人ともそろそろ仕事に戻るぞ。早くしないと麻痺が解けちまう。」
「けどよー。ジーロ。」
「それに早くしないとそろそろ頭が痺れを切らしてきちまうよ。お前らはお頭の雷を浴びたいのか?」
「うぐっ。‥‥分かったよ。ジーロ」
「そ、そうだべな。い、急ごうぜ。」
小太りの男が「ビン」、
田舎口調の男が「グリッド」、
そして髭の男が「ジーロ」のようだ。
「へへ、大人しくしていろよ。奴隷ちゃん♪」
「あがっ、ぎにっ、ががるがっ!!」
ビンがジーロから渡された縄を持ちその少女へと近づいていく。呂律が回っていないようだ。
ビンが縄を少女へと縛り、ついでに口も塞ぐ。
*
どうやら奴隷が逃げてそれを捕まえているようだ。あの男達は気に食わないが、自分には関係ない。それに、人間と関わるとロクな事にならない。
ネスクはそう結論付けて立ち去るためにその場を離れようとするが、男達の会話で動きが固まる。
*
「コイツ、この後どうなるんだろうな?」
「そうだな、良くても娼婦、悪ければこの後すぐお頭が、頂くだろうな。」
どろっとニヤついた表情を浮かべたジーロ。
「そうだべか。見た目はコイツめんこいし、お頭なら後方の方を選びそうだべな。」
「確かコイツ、獣人族の中でも相当くらいが高かったと思うが‥‥ソイツらどうした?」
ビンがジーロへと質問をする。
「そうだな、頭の話だと確か。一族の殆んどが殺されるか、奴隷として売られたとかいっていたな。」ジーロが答える。
「っ!?」
少女は暴れてもがいていたがその言葉で固まる。
「へへへ、ってことはコイツは最後の生き残りということか。お頭が頂く前に、俺らが先に頂いておくか?」
下衆い嗤い方でビンが言う。
「おら見ただべが、コイツ兄がいたと思うだべがソイツどうなっただべが?」
「頭が確か・・・・・戦死?とか言ってたな。あの一族の殆んどの男は捕まえる俺達に対して抵抗してたからな。」
「っっ???!」
少女が項垂れる。
そして、目から涙がポトリ、ポトリと溢れ出している。
「早くしないと頭が来ちまう。犯るなら早く犯るぞ!!」
「そうだな、これも余興にはいいか。」
「そうだべな。」
男達が少女へと近づいていく。
*
途中で切りますが、もう一本上げるので少々お待ち下さい。