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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
1章 転生、異界『ラシル』の地にて。
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朝の修行

森に木と木がぶつかり合う音が響く。

木刀を構え持ちミレドとネスクは小競り合い。

(まばた)きする一瞬も。


―――気を抜いてはいけない。


それくらいの空気が二人の間を駆け抜ける。

ミレドが動いた。



一瞬、


見ていた筈なのに。

いつの間にか自分との間合いを詰めている。


「!?」

後ろへと飛び退()くも間合いは離れない。まるで影のようについてくる。


ミレドの胴めがけて木刀を振るう。ミレドは、体を反らして避けた。まるでイナバウアーでもする様に避ける。


(どんだけ体柔らかいんだよ!!)


背筋の柔らかさに驚かされつつ、突きを繰り出す。それを難なくいなされた。


突きを入れそのまま横へ薙ぐ。


「はっ!!」


決まる。いけっ!


想定外の攻撃の筈だ。いなされた直後の横薙ぎなのだから。


「遅いっ!!そんなもの。魔物一匹も狩れぬわ!!」

不意打ちに等しい攻撃を下へひらりと避けてそのまま。背中に回る。


―――しまった。


背中に衝撃。蹴りが飛んで来たのだ。


「かはっ!!」


肺の中の酸素がミレドの蹴りによって全て外へ追い出される。


だが、着地と同時に前へ。

それを見越してか、ミレドが飛んできた。


そのまま木刀を下ろして、追撃。

激痛で意識が飛びそうになる。


飛ぶ意識を我慢して体をひねる。


振り下ろされる追撃をいなす。


ドスンッ!!


追撃はいなしたものの、背中から地面を滑る。そこへミレドの容赦など無い突きが飛んでくる。


「ぐっ。」


体を回転させて避けミレドの足元へ木刀を一線薙ぐ。ミレドが上へ飛ぶ。


常軌を逸した反射神経。普通の人なら反応出来ない攻撃も反射神経で対応される。


そして、そのまま木刀を振り下ろしてくる。


「【身体強化(ストレンジ)】」


身体強化<ストレンジ>

身体能力を一定の間だけ上げる魔法。

通常時の筋力を倍に強化する事が可能。



木刀が地面すれすれまで振り下ろされた。


だが、

―――ネスクの姿はそこにはなかった。


「もらったー!!!」


ミレドの背後に回り込んだ。

無防備な背中がさらけ出されその無防備な背中にいままでの敗北を味わった感情ととも振りかぶって思いっきり下ろした。


―――ミレドが真っ二つに割れ、消えた。


「!?」


その光景に驚愕。


一瞬の隙が生まれネスクの動きがフリーズした。その場で止まっていると、


バコンッ!!


木が弾けたような良い音が空気に乗って辺りに広がる森へと響いた。ネスクの頭にミレドの木刀から渾身の打撃(クリーン・ヒット)


「つううううう~~!!!ぎゃああ!!」


その場で頭を抱えて疼くまる。


―――勝負あり。










一通りの朝の訓練を終えた。今、自身の頭を冷やしている。先ほどのミレドの一撃で大きなたんこぶが出来ている。痛みが引くまではこうしているつもりである。

痛みが引くと湖で顔を洗う。そして、手を洗ったあと、家に戻る。


家の中にはミレドが準備した朝ごはんが二人分並べてある。朝食の果物を食べる。


まだ少しずきずきと痛い。


ミレドからもらった傷薬を塗ってはいるが直ぐには治らない。


「おぬしは詰めが甘いのじゃ。二手、三手先を読んで動くこと、じゃな。」


朝食を食べながらいつもの。ミレドのダメ出しを聞く。ミレドは僕のことをよく見ているようで懇切丁寧に教えてくれて分かりやすい。


「さっき消えたあれ、なんだ魔法か?」


「あれは、幻影魔法と光魔法の応用じゃ。おぬしが妾の足元を薙いだ時に掛けたんじゃ。」


「全く気付かなかった……。」


ミレドの動きは流れるように洗練された動きであった。今日は初めよりは持ったほう。僕があの洗練された動きを毎日出来るのかといえば答えは、ノー。戦い慣れていなければ出来ない動きも多数あった。


「あれに気付かんようではまだまだ半人前じゃ。さらに精進するように。」


「へーい。ところで今日は何をするんだ?」


この後の予定は何も聞かされていない。


「そうじゃな、そろそろ頃あいかのう。ネスク、このあとは森の探索に行って貰おう。」


「何で今更?」


木の実拾いなどでそれなりに森の中は歩き回った。今更森の中を歩き回っても仕方ない気がする。


聖域(ここ)は広いからのう、まだまだおぬしが知らんことも多かろう。じゃからじゃ。」


「‥‥‥‥分かった」


ミレドが言うのだからそうしよう。

そういえば、まだ行ってない所があったな。

今日はそこに行ってみよう。


今日の予定を決めてから朝食を済ませていく。さて。今日行くところには何がある事やら……。

遅くなりましたが、二本目です。

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