現実
異世界へ行く理由なんて大体どれも一緒。
あれからどうなったんだっけ・・・
また、獣に襲われて・・・・
・・・本当に襲われた?
「うん、無傷だよな・・・」
毎度おなじみのすっぽんぽんで森の中にいます。軽く慣れました。
確か、色々あって獣に殺されたんだよな。
・・・細かくは思い出したくないけど。
で、身体を見回してるけど、傷なんてどこを探しても見当たらないです。
・・・あれ?喉の渇きがなくなってる?
かなり限界きてたと思うんだけど。それ以前に出してはいけないものまで戻した記憶があるんですが・・・
「あ!これわかった!タイムリープってやつだ!」
ここで俺はタイムリープ説をうちたてた。
もしそうならば死んだ時の記憶を持ちながら、また同じ時間を最初から始められているのも説明できる。
まぁそんな話はフィクションでしかないし、本当にそんな経験をした人というのを聞いたことがない。
だから今俺が陥ってる現象が本当にソレかはわからないが、まぁそういうことにしときます。
どっちみち難しいことを考えるの苦手だし。
それから俺は、同じ過ちを繰り返さないように水と食料を確保することにした。
・・・それにしても、この森はやばい。
同じような風景が永遠と続いているのだ。
目印になりそうなものもなく、一度迷ったらもう同じところには戻れないと思うぐらいに。
いや、普通の森がどんなのかは知らないんだけどね。都会っ子ですし。
で、普通の人なら多分ここで木に傷を付けて目印にして、いつでも戻れるようにすると思う。
俺はしないんだけどね。帰る場所がないですし・・・意味ないですし・・・
「そういや、なんか暗くなってきたな・・・」
大木が多く、葉も生い茂ってて元から少し暗い状況だったのだが、明らかに暗闇に変わっていっていた。
なんだろう、すごい嫌な予感がする。
それ以前に、火は疎か明かりを生み出すものを持っていなかった。
そして、追い打ちをかけるかのように何かが近づいてくる気配がした。
「ふざけんなっ!」
いやいや、マジでやめて?
あぁ、あれか、俺を助けに来てくれた人かな?
・・・うん。明らかに違いました。喉を鳴らす音が聞こえました。
ダメ元で全速力で逃げてみますね。
・・・意味がなさすぎて笑いが出そうになりました。
すぐ捕獲されました。痛いです。絶賛大量出血です。
いやぁ、運動とか全然しないタイプの人間でしたからね。
引き篭もっていた学生時代の自分を恨みます。
もっと運動神経が良かったら、足が速かったら良かったのに・・・
おはようございます。絶賛闇の中で全裸です。
多分やられました。多分4代目かな俺・・・
この場所にきてから同じ生物に食われすぎだと思います。
・・・普通に生きてたら絶対言わない感想だな。
で、今腕を伸ばしたら手が見えないぐらい真っ暗なところにいます。
まぁ、その事とか他にも色々思うことがあるけど取り敢えず・・・
「不死身とは?」
こう叫びたい。いや実際今大声で口に出たけど・・・
もうあれだよ。ここまできたら交通事故して謎の人物に能力をもらった。とか全然信じていいよ。
ただ一つだけ、これは不死身と言っていいのだろうか。
俺の思っている感じと全然違うんですが・・・
まぁでも、一つだけちゃんと確認したい事があるし、明るくなるまで待つ事にする。
狼?「おいこのハテナはなんだっ!」
作者「狼っぽい容姿をしてるから?」
狼?「私はイヌ科イヌ属だから一応狼と一緒だぞ?」
作者「もうちょっとしたら名前出すから許して」