第一話-魔王と愉快な側近たち-
二つ目の連載作品です!
もう1つの方と平行して
投稿していこうと思います!
よろしくお願いします(^o^)
ここはどこ 俺は誰 俺は今まで何をしていた
「魔王様!!どうしたのですか!?
返事をしてください!魔王様ーっ!」
目の前で叫んでいる悪魔が一人。
名をスーザンと言う。
俺の左腕と呼ばれている俺の
第二の側近だ。
普段は頼りなさそうな優男のような
雰囲気を出しており、
とても強そうには見えないのだが
戦いになるととてつもない力を発揮する。
耳がとがっているところ以外
人間と何ら変わらない外見である。
今俺は王の間の玉座で
現実逃避をしていたところである。
それをスーザンに叩き起こされたのだ。
「なぁ俺の名前は何だ?
俺は一体何をしているのだ?」
するとスーザンは笑っていった。
「あなた様は、悪魔の鏡!悪魔の中の悪魔!
魔王サタン様でございます!!」
興奮した様子でこれでもかと言うほどに
どや顔をして言った。
「あぁ、やっぱりそーだよなぁ…分かってたよ
うん。」
俺はうんざりした様子でそういった。
スーザンはまたもどや顔でこう言った。
「さすが魔王様です!部下に定期的に
さも自分が記憶喪失のへたれになったかの
ような演技をして、自分の威厳と名前を
言わせて決してその者の心に油断も隙も
見せないという作戦!
スーザンはこんな魔王様に仕えられて
悪魔冥利につきます!」
俺はため息しか出なかった。
しかしため息を吐くとまたどや顔で
語られるのでぐっとこらえた。
俺はいつも勘違いされてきた。
そしてその勘違いは良いのか悪いのか
俺を魔王へと導いた。
歴代で一番残虐非道、
悪魔の中の悪魔、
そんなのが今の俺の印象だろう。
しかし俺はこんな風になりたかったわけでは
決してないのだ。
俺は、俺は.....
民主主義の歴代で一番優しい
悪魔であって悪魔でないような
そんな魔王になるために今まで
下級悪魔から努力を積み重ね
ここまで上りつめたのに.....
俺はこの悪に満ちた魔界を
変えたくて変えたくて魔王になったのに
優しいまるでここは天界か!
と言うくらい優しい魔界を作ろうとしたのに
勘違い空回りだらけで
結果、
魔王の中の魔王になってしまったのだ!
俺が玉座で居眠りをすると
部下たちが
「魔王様がまた何やら企んでいるぞ。
これは魔界が荒れそうだ.....」
と言い出し、
俺が玉座で現実逃避をして
さっきのように部下に名前をたずねたり
してみると、
さっきみたいになるし。
俺が玉座でする一つ一つの動作!
言動!すべてが
俺の魔王度を上げていく!!
.....はぁもう死にたい。
でも死ねない。
俺、不老不死だもん泣
やだ誰か助けてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!
.....それもこれも俺の外見がスーザンの
ような優男じゃないからダメなんだ。
そう、サタンの外見はいかにも魔王
と言う感じであった。
大きな角,二メートル以上の巨躯,
鋭く光る血のように真っ赤な瞳,
そしてもう1つ外見の他に-.....
「このサタンの右腕、第一の側近
ルーシィの存在だろうな。なぁ
サタン?」
いたずらに微笑む全体的に紫な女が
まるで心を読んだかのように話しかけてきた。
いや、実際に心を読んでいたのだが。
この女はルーシィと言い、
魔性の美を秘めている魔界一の美女などとも
言われるほどの美女である。
しかしその美しさにはもちろんと
いっていいほど毒があり
魔界で俺の次に強い悪魔である。
だからこの女に釣り合う男はこの魔界には
俺しかいない、
などとも言われている。
そしてこんな強く怖い女を側近にできる
魔王はもっと怖いという
相対的な感想を持たれているのだ。
「サタン、よーやく私と
付き合うきになったのかい?アタシは
あんたなら大歓迎よ」
心を読んだルーシィが言った。
「馬鹿言え。誰がお前なんかと付き合うかよ。
弱み握られるだけじゃねぇか」
俺は呆れたように言った。
しかしこんな女でも俺と
一番付き合いの長い悪魔で、
俺の心を読める能力で
俺の本心や昔の弱かった俺を
知っているただ一人の存在である。
だからこの女には
俺が勘違いされている場面で
その勘違いを訂正することだって
簡単にできたのだ。
しかしこの女は俺が慌てふためいているのを見て
必死で笑いをこらえていたのだ。
つまりは俺の勘違いが
悪化したのはルーシィのせいでも
あると言える。
しかし当のルーシィにそれを言うと、
「終わった事はしょうがない。
いいじゃないか、悪魔の中の悪魔。
魔王の中の魔王。」
また心を読んだルーシィは
クスクスと笑いながら呟いた。
俺は怒りついつい叫んでしまった。
『俺はぁぁぁぁ!!!
魔界を民主主義の国に変えたかったん
だよぉぉぉぉぉぉぉ!! 』
この声は魔界全土に響き渡った。
そして魔界の悪魔たちは
皆思った。
魔王サタン様こえぇぇぇぇぇ!!!!!
魔界全土を自分の思い通りになる
国に変えようとしてんのかよぉぉぉぉ!!!
こうして魔界の悪魔たちは
よりいっそう魔王サタンを恐れることになる。
ルーシィは可笑しそうに
クスクスと笑った。
『何がおかしぃんだぁぁぁ!
ルーシィーーっ!!』
当の本人はまたもや悪魔達に
壮絶な勘違いをされたことには
気づいていない。
そしてこの魔王の叫び声に反応した
スーザンが駆けつけてきた。
またもや目をキラキラと
輝かせているが
なぜ輝かせているのかは
サタンにはわからない。
横にいるルーシィは
もちろんクスクスどころではなく、
アッハッハと大爆笑していた。
『なぜ笑う!!!おいっ!!!!!』
何度も何度も叫ぶサタンに
笑いを堪えられず
腹を抱えて笑うルーシィと
その光景を目を輝かせて
見守るスーザン。
この光景を遠くからビクビクと
見守る悪魔たちは後に語った。
やっぱり
魔王サタン様は恐すぎる―.....と。
読んでいただきありがとうございます。
この作品は土曜日,火曜日,金曜日に
投稿していこうと思います!
気が向いたら他の曜日にも
更新するかもしれません
次も見てくれると嬉しいです。
ではではー(o^-^o)