転生と消滅と生前と
白いレンガで、つくられた町。
赤い花と白黒の時計塔。
町の周りは、青色に染まってる。でも、僕等はそこに行くことは、出来ない。
あれは、あの世とこの世の隙間。だから、近づいては行けない。まだ、僕も彼女も。
この町は、人というモノはいない。人型の魂とそれが、少しリアル感を、得たモノしかいない。
主が、言うには。
「この町の人々は、さまよっているのよ。記憶を。たがら、不安だし、喋ることがない。だけど、たまに喋ることが出来る人は、少し思い出して、進もうとしてる人よ。」
と、言っていた。
そう。この町では、そういう人しかいない。この前の、人もそうだった。事故にあって、ベットの上で寝たっきりだったらしい。記憶を、見つけ出して、そして帰って行った。
死んだかも、生きているのかも、わからない人々が、集うこの町は、本当に不安で、居心地が悪い。
でも、その人達を支えるのが、この図書館だ。
白い町で、唯一色彩があるこの図書館は、迷楽図書館と言われている。いや、そう見れている。
個人個人で、表札が変わるらしい。僕の場合は、活文字で、迷楽図書館と書いてあった。他の人達も、違うらしく、たぶん、生きていた頃の慣れた文字が、浮き出ている。
そして、飾りも違うらしく、それは、生きていた頃のトラウマが出ちゃうらしい。だから、入る事が大変だった。
でも。それは記憶の内に入っているからだろう。トラウマの有無が、あるだけで、どれだけ心が軽いか…‥。
そんな、トラウマより探す方が何倍も、大変なのでどおってことないですけど。というより、それを乗り越えないと、前に進めるはずがない。まぁ、第一関門ですね。
あっと、自己紹介が遅れました。
僕の名前は、ローゼン・シュバルツ・マルチーズです。
この名前は、主が、付けてた名前で本当の名前ではないです。特徴は、鼠色の尻尾と耳ですね。主、いわゆる、何かの擬人化らしいです。たまに、そういう存在が出来てしまうらしいです。ニホンオオカミの擬人化だと、最近、知りました。
僕の主人の名前は、零菜さん。
花は、沢山あり、記憶も沢山ある。始まりを告げる花のように、綺麗で賢い人になれ。
という、意味で考えたらしいです。そして、係人〈カガリビト〉という、職種の人です。この町の、管理、整備をするのが、主な仕事らしいです。あと、記憶の探しも仕事の一つです。
あと……
零「ローゼン~アマーイお茶作ってぇ~。」
ロ「あ、はーい。」
って事で、少し行ってきますね。
零「さっきから、何を書いていたの?」
ロ「あーえ~と、ちょっとした、日記ですよ。新しい趣味として。お紅茶で、よろしいですか?」
零「うん、それでいいわ。ミルク多めで、よろしく」
ロ「あ、はーい♪。主は、さっきから、何を睨んでるんですか?新聞ですよね、それ。珍しい。」
零「失礼ね。私だって、新聞の一つや二つ読むわよ。……また、魂が勝手に消されたのよ。」
ロ「え!?またですか?今月入ってまだ、全然日が経ってないですよ?」
零「だからよ。そのせいで、死に神連中が飛び回って、ウザったくて、ヤな感じよ。もう~。」
ロ「あはは……」
この町の条約
一つ、身勝手に魂を消してはならない
一つ、魂は7日間以上63日間未満に記憶を取り戻さなければ いけない
一つ、それ以上越えは場合牢獄へ入ることになる
一つ、そして、転生または帰る事は出来ない
という、条約だ。
守れない者は、死に神連中が迎えにきて、牢獄へ連れて行く事になっている。今回の事件は、人為的な事だと判断し、飛び回っているらしい。死に神連中は、この町の人々に嫌われている。僕も主も、嫌いだ。
その理由は、怖いからだ。牢獄へ入った後を考えると、怖いとても怖い。だから、死に神は怖い。
何で、人為的な物って事がわかるか、よく知らないけど。
二人の神様が、感じ取っている。という噂を、聞いたことがある。でも、真偽はわからない。
でも、消えているのは、事実だから。
ロ「何で、魂を奪うんでしょうね?」
零「生きていく上で、それが、とても簡単で長く居られるからよ。まさに。悪魔のショジョウね。」
ロ「……そうですね。でも、それって喰らった場合ですよね?消した場合は、何か得なことがあるんですか?」
零「………わからないわ。でも、憶測でいうけど。消したモノの、器を奪ったのかもしれないわね。私達、魂は転生するための、器はすでにあるから、それを奪ったのかも。」
ロ「なるほど、器目的ですか。」
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