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初めての道場での練習

赤司の天武の才がまた一つ

あれから、コーラルを寮の前まで送り届け、菫の準備を待って(荷物を置くだけ)俺たちは家に着いた。


玄関に行くと爺ちゃんが待っていた。


いきなりの登場で菫が唖然。


麗華が微笑みながら会釈した。


「いらっしゃい、香澄ちゃんって子が先に挨拶して部屋に行ったぞ?随分しっかりした子じゃないか?お前らも実力だけじゃなく、少しは礼儀を習え。電話で説明してくれた子も丁寧な受け答えだったし、礼儀面では赤司もキリカも落第だ。あの子たちに少し手本を教え込んでもらっとけ。じゃな、飯時に成ったらいつも道理手伝いに来い。結界は忘れるな?以上だ。」


爺ちゃんはそういうと居間の方へ引っ込んだ。


すると、菫が復活して。


「あの方があの有名な蓬莱源馬さんですか。いきなり会えるとは思わなかったのでビックリして挨拶もできませんでした。さっきの話だと、夕食は皆で取っているんですか?それと、何時頃でしょうか?」


「夕食は八時一応俺たちと一緒に道場で食ってその時に訓練経過や解らないこと、疑問点なんか聞いてる感じだな?それから九時から訓練再開で、力尽きるまで力を使ったり疑問に思ったことを爺ちゃんの書斎に行って調べたり、そこら辺はその場その場だ。」


「夕飯はこちらでご一緒してもよろしいでしょうか?今日はいきなりで無理なら明日からでもいいですが。」


「別に良いぜ?というか、その事を含めての手伝いだから後で一緒に行ったときにいろいろ話もあるだろうからゆっくり話すといいぜ。寮の方では連絡すりゃー飯は自由なんだろ?」


「ええ、事前にどちらか解らないと言ってありますから電話で一報入れれば問題ないです。門限も10時までですから夕食後に30分は訓練できますし、時間を忘れた場合は泊めてください。雑魚寝でいいですから。」


「了解。じゃそん時は準備もあるから皆で用意すりゃいいわ。じゃ、時間もないし、早速道場行って訓練開始だ。」


「「「「「了解」」」」」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「じゃー、まずは麗華はもう一人の子を連れてきてくれ、多分道場お出て左の部屋だと思う。その間に俺たちは守人が結界の修復力の回復。聖蘭が実験器具の準備。キリカが救急治療薬の準備。菫と八千代が荷物の整理と皆の手伝い。俺は資料の準備。何か質問は?」


「ありません。」


「よし、開始。」


と、皆各自で動いていく。



~~~~~~~~~~資料室~~~~~~~~~~~


これと、これとあ!異入具とかの資料もいるな。


・・・あと、空間系と物理現象系の資料もっと、よしこんなもんか。


~~~~~~~~道場~~~~~~~~~~


「結界は準備できたよ。あ、麗華ちゃんが来たってことはあの子が香澄ちゃんかな?・・・確かに、礼儀正しそうだね。ね、赤司?」


「なぜ、そこで俺に振るんだ?守人。キリカに振ればいいだろが。俺は最低限の礼儀は弁えてるぞ?実力を認めた奴には普通に話す、カスには上から目線、下にもふつう。どうだ?最低限の礼儀だろ?」


俺の基準を聞いて麗華が


「カス相手と下相手にはいいですが、認めたうえで年上の場合は敬語の方が良いですよ?その方が相手も気分が良いです。相手の気分が良いと何かとこちらにとって有利になる話を知らないうちにしてくれる可能性がありますし、気分が悪いと警戒されて余計な面倒を招きかねません。そのあたりの上手なやり方はやはり礼儀にあると思います。まー、カスにも一部油断のならない者もいますがそれはハッキリ言って運なので気にしても仕方ないですね。」


・・・なんか、俺のマネしてカスと言ってるが、内容はかなり酷いぞ解ってんのか?


「ま、それは後で。これからいつでも治せるんだから、早いとこ自己紹介でもしようか?まず紹介してくんねーか?麗華。それとも自分でするか?」


と、俺が振ると香澄って子が首を縦に振って


「自分でします。私は麗華さんの会社の異入具の開発、研究を主に行っている所で勉強させて貰っている遠藤香澄です。得意な異能は振動系なのですが、私の場合は威力がなくてすぐに息切れしてしまうから。研究も一苦労なんです。だから、皆さんに開発した物の試験運用並びに耐久テストをメインにして欲しいのですが良いでしょうか?」


聞かれた俺は


「まー、俺たちの場合はその仕組みも専門外だから何かと聞かないとなんないけどな?」


と言った俺に香澄は


「それではまず夕食の前に簡単に異入具の出来るまでを説明しましょうか。簡単になので解らなくなればその都度言いますから。まずは、・・・」


そして、説明が始まった。


主な流れは以下の通り


1、世界各地で掘り起こされる昔の鍛冶に利用したとされる鉱石、銅、鉄、金、鋼、など等数えきれない種類の鉱石を一旦溶かし液状にする


2-1(特定の異能を篭める場合)液状の材料にそれぞれこれから篭めたい異能に合った宝石の原石を混ぜる。(火の場合ルビー、水はサファイアなど)石は大きいほど篭められる異能の容量も大きくなる。ただし、後に説明する本体も合わせて大きくなる。



2-2(不特定の異能の場合)液状の材料にそれぞれの原石をすべて砕いて均等に混ぜ合わせる。


3、混ぜた物を冷やし用途に合わせた模様を付ける(すべての異入具の基本にして奥義、この模様で現象が決まる)


4、用途に合わせた台座を作る(射出タイプなら筒、斬撃タイプなら棒、刀など)


5、台座に3で作ったものを填め込む凹凸を付ける(蓋付き)


6、3に異能を込めて填め込み完成


「こんなところですか。けど、ココでやらせて貰うのは3と5と6です。他の工程は会社でないとできません。ですので、皆さんがよろしければ麗華さんの親に言って見学させてもらいながら意見を聞かせて貰おうと思います。・・・ここまではよろしいですか?」


俺は良いが。・・・あ、キリカの頭から湯気が^^。


「うーん、半分くらいは解ったけど、やっぱり後はやりながらの方が分かると思うわ。」


と根を上げるキリカ。


「今の説明も解りやすいと思うけど、やっぱり実際やる方が覚えやすいと思う。」


と守人がフォローする。


「ま、まあ時間が来ましたし、そろそろ夕食の手伝いに行きませんか?」


と八千代が話題を変える。・・・確かに、結構時間が経ったな。興味深い話は時間のたつのが早いもんだ。


「じゃ、行きますか?」


「だね。」


「じゃ、台所へゴー!」


「「「「おーーー」」」」


と、皆で台所へ向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~


そこでは、すでに爺ちゃんが来て野菜を切っていた。


トン トン トン ザッザッザ ザクッザクッザク


・・・・やはり、あんまりうまいとは言えんな。


「お前ら4人で料理したことある奴いるか?」


そう聞くと何故か菫と香澄が顔を逸らし、逆に八千代と麗華が得意げに


「「任せてください。親の手伝いはしょっちゅう(いつも)してます。」」


と、嬉しそうに名乗り出た。


「じゃ、聖蘭、香澄、守人が野菜作りで爺ちゃんを手伝ってくれ。俺、麗華で竃の用意と下準備。八千代、キリカ、菫で道場での食事の準備。この材料だと鍋だから長椅子と長テーブル出してくれ。なにか意見は?」


「なんか、全て赤司さんが取り仕切ってますね。配員も能力で考えられた物ですし。もう何といっていいのか感心しすぎます。」


と香澄が呟いていた。


「無いな?よし、じゃー準備開始だ。」


「「「おーー」」」


~~~~~~~~~~~~~~~~


トトトン  トトトン  トトトン


「へー、守人さん上手ですね~。4人のなかじゃー一番ですか?」


「いや、一番は聖蘭だね。味付けは赤司だよ。ハッキリ言って赤司と聖蘭が組んで野戦訓練とかのキャンプ実習したら、100点は固いよ。」


「ふふ、そんなこと無いですよ?守人さんだって上手ですから。」


「というか、赤司さん弱点有るんですか?」


「「さー?」」


「・・・」



~~~~~~~~


「あ、麗華その昆布と鰹もう出して?次は煮えの悪い奴をハメるから。」


「はい、それにしても、料理までできるんですね~。出来ないことあるんですか?」


「色々齧ってるからだぞ?だから、専門でやる奴には負けると思うぞ?」


「じゃー、色々頑張らないとですね?」


「あー、頑張れ。ハッキリ言って怠ける奴は嫌いだ。何事にも頑張る奴が俺は好きだ。」


「はい!」



~~~~~~~~~~~~~~~~


「あ、長テーブルは八千代が軽くして持ってきて?菫とあたしで長椅子を一個ずつ持ってくるわよ?」


「「はーい」」


「あんた、なんか最初とえらい違いね。最初からそれならこっちも警戒しないのに。」


「そりゃー、赤司さんとは仲良くしたいですからね。あまり怒られることはしませんよ?」


「はー、ならいいけどね?その調子でイライラさせないでよ?」


「あいあいさー」


「・・・・」



~~~~~~~~~~~~~


「おー、人数が多い所為か準備がいつもより早いな。じゃー頂ますして食べようかの?」


「だな?じゃ。皆手を合わせて?いただきます。」


「「「「「いただきます。」」」」」


「おー、出汁が効いてうまいね。塩入れた?」


「あー、麗華がちょっと入れたら上手いっていうからな?よくなって良かった。」


「ほー、嬢ちゃんも料理上手か。いい嫁さんになるのー?」


「ありがとうございます。」


「だってよ?キリカ頑張れよ?」


「そこであたしに振るな!」


「「「「ハハハハハ」」」」



~~~~~~~~~~~~~~~~


「じゃ、ごちそうさま。何か解らん事があればいつもの様に呼びなさい。それじゃーの?」


「あ、ちょっといいですか?」


居間の方へ行く爺ちゃんを菫が呼び止める。


「?ああ、君か。皆のいる時でいいのか?」


「えっと、まだ話すときかは解らないので今度二人の時間作って貰えますか?」


「ああ、ええぞ?じゃが、何時かは皆にも話しなさい?ここにいるのは赤司が認めた者じゃ。という事は悪い輩は居らん。安心して、話したい時に話しなさい」


「はい、ありがとうございます」


そういって締めくくると「うんうん」といって、爺ちゃんは戻って行った。


「じゃー、菫の方は門限まで時間無いから俺と手合せして訓練の雰囲気に慣れるか?」


「そうですね?お願いします。」


「んじゃ、他の皆は何時も道理勉強していてくれ、俺も菫の相手が終われば合流する。」


「「「了解」」」


「それでは、よろしくお願いします。」


「おう、よろしく。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ほら、そこで止まってるとこんな熱弾やら水弾が襲って来たとき躱すのに態勢が悪くなるぞ?」


ボン! ボン!  バシャ! 


「くっ・・・ハア・・・ハイ・・・ハア・・・ハア・・・」


「どうした?もう動けないか?」


「くっ!これはどうです!」


ビィ-ーーーーーーン!   ブーーーーーン


「お!っくぅ!うるせえ!でもな!」


ブゥオーーーー!  


「っく!振動ではここまでの熱さは防げないようですね。」


「そのようだな。・・・なあ、菫?お前もうちょっとスピードと体力を伸ばす方向で鍛えないか?」


「どうしてです?確かに攻撃の幅は広がりますけど、やっぱり離れた方が安全ではないですか?」


「俺が思うに、振動系の強みは触れた後の接着面の分離にあると思うんだ。たとえば、刀を武器として持つとしたら、刃の部分を高速で振動させれば切れ味が増すだろうし、相手の体に手を当てて血液の流れを乱してやれば体調不良を起こして倒せると思う。他にも色々ありそうだし、バトルまで・・・確か6月中旬だったから、2か月くらいしかないが道場で皆と検証したりして試してみるのも悪くないと思うぞ?」


そう説明すると


「確かに悪くないかも知れませんね。スピードを上げるのも体力付けるのも悪い事じゃ無いですし、やってみますか。」


「よし、そうと決まれば。皆で乱捕りするか?それとも、キリカと八千代に手伝って貰って面白いことするか?」


「面白いことって?何するんですか?」


「まず、キリカに風で向かい風を作って貰う、その状態で八千代に周囲を重くしてもらって走る。どうだ?」


そういうと、菫は顔を顰めて


「遠慮します!それよりは、基本道理に走り込みとダッシュを繰り返す方が安全です。」


「ま、そうだろな。」


うんうん。


と、頷く俺であった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「それじゃ、この辺で。明日もお世話になります。」


「おう!気を付けて帰れよ?いくら近くても暗いってこと忘れるな?」


「解ってます。また明日、学校で、さよなら。」


「バイバイ!」


「よし、俺らは勉強の続きやろうか。」


「「「「はい!」」」」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ッ!出来た!出来ました。10センチですが体の移動に成功しました。」


「へー、早かったね。じゃー今度は20センチに挑戦しよう。」


「はい」


「お、麗華結構進展あったみたいだな?順調で何よりだ。」


「けど、やっぱり空間を片方固定させて維持したままもう一つ空間を作って入り込んで移動と言うのは、理屈はわかりますけど実際は物凄く精神使いますね。やはり途中で集中力が切れるとどうなるかわからないのが怖い、と言うのがネックですね。」


「やはりそうかー。守人も出来ないのはその所為か?」


「だね。ホントなら距離なんて関係無いんだろうけど理屈で解っても体が拒否するから、もしもの為に慎重に距離を少なくして練習するしか方法は思い浮かばないよ。誰でももしもの時は怖いからね?」


「だよなー?まー、そこは得意な分野の者同士意見を出し合ってくれ。俺も何か思い浮かべば協力するよ。」


「ああ、その時は頼りにする。」


「おねがいします。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「八千代~、キリカ~、聖蘭~。調子はどう?」


「今休憩中、けどかなり効率よくなったわよ?何と言っても3Gも重力を掛けられるんだから負荷には最適だわ。」


「そうですね。何もかもが下に落ちていく感じがするんで、訓練の遣り甲斐があります。」


「へ~。だそうだ、ありがとな?八千代、好いように使っちまってるみたいだから、礼を言うぜ。」


「とんでもない!私の能力は実際使わないと伸びないんですから、役に立てるだけ一石二丁です。」


「なら、よかった。これからもよろしくな?」


「はい」




こうして俺たちの一日目の夜は更けていった。

あと少しでやっとバトル突入

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