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第四話目! ハシの軟弱さと僕の力の強さ

こんにちは^^

              



             翌日




「う~ん……もう朝か……」

カーテンの隙間から入る日差しと、大音量で鳴る目覚まし時計の

活躍によって僕は目が覚めた。


うとうとしながらも目をなんとかこじ開けると、

目に飛び込んできたのは凹んでしまって凄く情けない形をした天井だった。



        僕の心地の良いまどろみを返せ。



おかげ様で瞬時に覚醒した僕は、ベッドから手を伸ばし、

床に置いてある目覚まし時計のボタンを

ポン、と優しく押した。


             グシャ



「……これだけで潰れるなんてやばくない……?」



手を離すと、バラバラになったボディーやら内部パーツやらが

山の様に固まって天に召されていた。


お気に入りの迷彩柄時計だったのに……。


ってか、こんなんじゃあ

普段の生活を過ごすことすら出来ないんじゃないの……!?

そういった意味ではむしろ弱くなってない!?


「って!そんな場合じゃなかった!」

最後に時計君が示してくれていた時間は七時四十分。

遅くても七時五十分までに出発しないと学校に間に合わない!!


僕は布団を蹴り飛ばしベッドから急いで降り、

(布団が天井の高さまで飛びあがった事は今は無視だ!)


迷彩柄時計、通称スーパーライデン君に合掌してから部屋を出ると

階段を二段飛ばしで駆け降りリビングに入った。


「あら?一輝、今日は遅いのね」


「うん、今日は特に時間がないんだよ!」

中に入ると僕と違って時間に余裕のある母さんが

声をかけてきたので時間に焦りながらも返答し、僕は食卓についた。

料理は何かな?なるべく早く食べれるものが良いんだけど……。


       

ふむふむ。白ご飯に、お味噌汁、白身魚の三種類か。

凄くシンプルだけど意外とこういう料理に憧れてたりしてたんだよね。

食べきるのに時間が多少かかるけど

ちょうどお腹もすいてるし良いバランスだと思う。


「いただきま~す!」


香ばしい匂いに我慢ができずハシに手を伸ばした瞬間、

              

            ポキリ      



「……ッ!!」


        

          折れやがりました。

うぅ……こんな時間がないって時に……!


「一輝?何の音?」


しまった……!母さんが怪しんでる!何としてでも逃れないと!


「嫌だなあ母さん。このハシ安物でしょ?

ヒビでも入ってたのか知らないけど折れちゃったよ」


「え?そのハシ買ってきたばかりなのよ?」


「あ、そうなの?でも素材が安いからじゃない?」


「劣化しにくい頑丈な作りです!って紙に書いてあったんだけど……

 色もあんたの好きな緑色だし」


母さんの優しい心遣いに涙が止まらない。


「へ、へ~。おかしい事もあるんだね……」


「う~ん、まあ仕方ないし、別のハシを用意するから待ってて」


「うん分かった」


ふぅ。何とか助かった。でも、次はもう失敗は許されないぞ。

時間的にも、信頼的にも。


絶対にバレるもんか。







「はいどうぞ」

台所からすぐに取ってきたのか、母さんから

差し出される運命のハシ。


「ありがとう」


お礼を言いゆっくりと手に取った瞬間、



         ポキリ


はいアウト。



「行ってきます!!!!!!!」



脱兎のごとく僕はリビングから逃げ出した。


「あ、一輝!待ちなさい!」


後ろから母さんの声が聞こえたがそんなの知ったこっちゃない!

廊下に置いてあった鞄をエサを捕らえる鷹のように取り、

僕はまるで家出をするかの様に飛び出した。


     もう……どうしたらいいんだよ……。


ありがとうございました^^

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