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第二話目! 現実

こんにちは^^

ふと瞬きをした瞬間、目の前の景色は真っ白の世界から

薄暗くてほこりくさい場所に切り替わった。


ここはどこだろう……。


目に入るのはサビだらけのトタンの屋根、そして壁。

僕の記憶が正しければここは僕がボコボコにされた廃工場で間違いない。

どうやら夢から覚めたようだ。


「何だか、変わった夢だったな……」

一人呟き体を起こすと、ズキリと体に衝撃が走った。

……痛い。

服に隠れて見えないけど、きっと体中アザだらけなんだろうなぁ。


それにしてもレイアさんって人、僕を強くしてあげるとか言ってたけど

本当に何か変わったのかな……?


夢と言う事もあり、別にそこまで気になって無かったんだけど、

レイアさんの最後のセリフだけがとても気になる。


「現実に戻ってからのお楽しみです」

意味深な言葉が頭の中でリピートされ、それが僕の期待を膨らます。

もしかしたら、もしかするかも……。

よろよろと立ち上がり壁側の方に向かって歩く。


ここは廃工場。つまり基本的には何をやっても近辺の住民は黙認してくれる。


本当に強くなったのなら壁を大きく凹ます事だって可能かもしれないし、

駄目元で殴ってみよう。

「えい!」


ひょろひょろと繰り出される僕のパンチ。どうだ……!?

トタンの壁がガシャン!と心地よく響く。が、


「痛った……!」

同時に悶絶する程の衝撃が右腕に伝わる。


しかし、手に走る激痛に対し、壁は全くの無傷。

何だよ……所詮はただの夢だったって事か……。

なーにが私なら貴方をすぐにでも強くすることが出来ますが、だよ。

結局僕はいじめられっ子のままじゃないか。


「はぁ……」


大きく嘆息し、諦めて帰ろうとした瞬間、


             みしっ


何かがしなる音が壁側から聞こえた。


すぐさま振り返ると、衝撃の光景に僕は絶句した。


まるで強い何かに押さえつけられているかの様に、

壁がクレーター状に凹んでいるのだ。

驚きな事にそのクレーターはどんどん深くなっていく。



「はは、嘘だよね……?」


ダラダラと額から落ちる冷や汗。

………これって…僕がやったの?



刹那、 圧力に耐え切れなくなった壁が、

まるで大砲をぶつけたかの様に破裂し、爆音が耳を刺激する。


そんな中僕は耳を塞ぐことすらせず、ただ、呆然としていた。


          「信じられない……」




    開いた穴から覗かせる満月がそんな僕を薄く照らした。





ありがとうございました^^

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