表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/50

5話 告白?

狭いアパートだ。6畳1間だからね。


部屋の奥側には荷解きが終わっていない荷物が山積み。


中央付近にはテーブルと布団一式。まだベッド買ってないし。


家電は備え付けのものが、ある程度揃っている。事故物件とは言え、新し目のアパートだからね。


今日はパソコンをセットアップしておきたかったが、急な来客で明日以降に持ち越しだ。ネトゲのログボは諦めよう。


中央のテーブルの横に俺が座っている。そのすぐ隣に羽依さんが鎮座されておられる。対面とかではないのね。



「羽依さん、何か近くない?」


「そうかな?」


「そうだよ!距離感ってあるよね?」


羽依は悲しそうな顔になった。


「私、そういうのよくわかんないの。だから友達にも怒られちゃって。男の人が勘違いするって。」


羽依さん。そういう友達は大事にしよう。でも忠告が生かされてないね!?


「羽依さん可愛いからさ、男の人だったら喜んじゃうかもね。」


かわいいって言っちゃった!恥ずかしい!


「私可愛い?」羽依がじっとこっちを見てくる。


「うん…正直めっちゃ可愛いと思う。」


羽依が顔を真赤にする。そして、にへらーっとした顔をして距離を更に詰めてくる。


「私のこと好きになっちゃう?」


なっちゃいます!勘違いさせないで!


「羽依さん!ちょっと近すぎる!!」


肩をもって少しだけ押すと、羽依は少しだけビクッとして離れる。


「ごめんね藤崎くん。嫌だったよね?」


「全然いやじゃない!いやじゃないけど、そんな一気に来られると混乱する!」


こんな狭い部屋で、特級美少女が迫ってきてる状況は、流石のラノベ好きな俺だってご都合主義過ぎて怒るレベルだ。事実は小説より奇なりか。


「羽依さん俺のこと好きなの?」


あ、聞いちゃった。


「ううん?」


あ、ですよねー。


「まだ知り合ったばかりで、それはないよ~」


羽依さんはケラケラ笑う。あーたちわるい…


何、俺?遊ばれてるの?


「藤崎くんが私に告白してきたからね。ちょっと、どんな子かな?とは思ったの。」


そうだね。告白してきた相手なら気になるよね。


うん?告白って俺が?いやいやいやいや!


「俺、告白なんてしてないよ?」


羽依はきょとんとしたあと、急に悲しそうな顔になった。


「桜の木の下で、かわいいって言った…あれ嘘だったの?」


ああ、はい!言いました!


「言った!言ったけど!」


羽依は勝ち誇った顔でフフンとしながら


「だよね~。」


あれは告白ではない。ただ心の声が漏れただけだ…


俺氏、うっかりにも程がある…


その後も羽依さんの天然ちゃんぶりに振り回され、防戦一方だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ