表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/50

3話 一緒に下校

様々な儀式も終え、ようやく放課後になった。


教室を出ると、廊下や校庭では部活の勧誘が始まっている。


──が、俺は バイトをしなくてはならない。


一人暮らしだし、好き勝手させてもらってる分、生活費くらいは少しでも自分で補いたい。

落ち着いたら、バイト先を探そう。


(できれば、まかない付きがいいよな……)


例えば 中華食堂 とかで──

チャイナ服の店主の娘と仲良くなって、イチャイチャとかね!!


──うん、考えが完全にラノベだな、俺。


校門に向かうと、そこに雪代羽依の姿があった。


誰かを待ってるのかな?


「藤崎くんだ~♪」


──声をかけてくれた!!


マジ天使。


「雪代さん、また明日ね!」


ゆっくり話したい気持ちはあるけど……

距離感って大事だよね。


今日は挨拶だけにしておいて、

明日から少しずつ話せばいい。


そう思いながら歩き出した、その時──


──後ろから、てくてくついてくる人影があった。


……え?


振り返ると、そこには雪代羽依。


「帰り道、同じなんだね。」


「うん。こっち。」


俺の住んでるアパートは、学校から徒歩30分ほど。

比較的いい場所だと思う。


コンビニも近いし、駅まで20分歩けば着く。

なにより、家賃が格安だった。


──まあ、いわゆる事故物件だったからなんだけど。


俺はそういうのを気にしないが、両親は結構気にしてた。

幽霊なんて居ないっての。ぷぷっ。


それにしても、雪代羽依と一緒に帰れるのはラッキーだ。


「誰か待ってたんじゃないの?」


俺が尋ねると、雪代さんはこくんと頷く。


「うん。もう大丈夫。」


「……もう大丈夫?」


──よかったよかった。


──ん?


「ひょっとして……俺、待ってた?」


「そうだよ?」


──え???


「……な、なんで???」


「ん~?」


「何か用事でもあったの?」


「ないよ?」


……うん~天然ちゃんだ。



とりあえず、話題を変えよう。


「雪代さんは、どこ中だったの?」


「近所の中学だよ~。家から一番近い高校にしたの!」


「……家から一番近い高校が、難関進学校ってのはなかなかハードだね?」


「ん~、でもそうでもないよ?私、勉強得意でしっかりものなの。」


そう言って、雪代さんは胸を張り、えっへん! と得意げに笑う。


強調しなくても、主張のすごい胸がさらにすごい。


「すごいね。」


──本当に、いろんな意味で すごい。


「えへえへ♪」


にへら~ と笑う雪代さん。


可愛いなあホントに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ