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距離感0な子と恋愛に発展するのが難易度MAX  作者: 鶴時舞
1章

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21/50

21話 お買い物(前編)

真桜視点となります。

「真桜~!」


待ち合わせ場所に羽依が到着した。丁度10分前だ。


「早かったね。待っちゃった?」


「いいえ、でも楽しみすぎて、あまり良く眠れなかったわ。」


「んふ。真桜かわいいね!今日は都内をエスコートするよ!俺について来いよ」


急にイケメン風の声を出す羽依に、思わず笑ってしまう。


「じゃあよろしくね。羽依。私、都内はあまり詳しくないから頼もしいわ。」


蒼真との朝の予習をきっかけに、羽依とはすっかり仲良くなった。もう親友と言ってもいいくらいだ。


中学の頃、私に対してみんな一歩引きがちだったから、こんなに自然に友達ができるなんて思いもしなかった。


羽依は確かに距離感を感じさせないフレンドリーさがある。それが彼女にとって災いすることもよく見てきた。


可愛らしい顔立ちに、大きな瞳。きっと男の人が好きそうなプロポーション。優しくて柔らかい雰囲気の彼女は、男からしたら格好の”餌食”なのかしらね。


ほら、早速”不審者”が近づいてきた。


「二人ともちょーかわいいねえ~!ね!ね!一緒に遊びにいかない?俺YouTuberの〇〇と繋がってるんだよ!よかったら…」


「え~。ちょっと困ります…」


「羽依、相手しなくてもいいわよ」


「何だよそっちの子。随分強気じゃねえかよ」


男の態度が豹変する。でも、そんなの私には通用しない。


「それで?私に暴力でも振るうつもり?」


一瞥すると男は怯む。


「ねえねえ、そっちの子…」


諦めたのか、男はすぐに次の"獲物"へとターゲットを変える。


「すご、変わり身早っ!」


「あんなものよ。私たちに時間をかけるより、次に行ったほうが効率がいいでしょう?母数は多ければ多いほどヒット率も上がるんだから。」


「そっか~。真桜かっこいいね!」


「羽依もこれからカッコいいところ見せてくれるのよね。ほら!エスコートよろしく!」


その後、二人で夏物の服をいくつか見て回った。さすがは都内の子、羽依は良いお店をよく知っている。


「やっぱり詳しいわね。効率がいいわ。」


私の言葉に、羽依がくすっと笑う。


「なんか効率とかって、真桜らしいよね~。」


「時間は限られてるわ。少しでも効率良いほうが良い結果を出せるわ。」


「じゃあ、私は真桜のお役に立てたようだね。」


「ええとっても。次は水着だったかしら」


「うんうん、えちえちな水着買っちゃおうよ!」


「買わないわよ、そんなもの。」


「えへっ」


舌をちょこんと出す仕草がずるい。この可愛さは、同性の私ですら惹かれるんだから……もし私が男だったら、大変なことになっていたかも。


***


「この水着どう?」


羽依が試着室から出てきた。


……えちえち具合が予想以上ね。


「その水着で蒼真を悩殺?本当に死んでしまうわよ?」


「ちがっ!そんなつもりはないよ~。」


顔を真赤にしてカーテンを閉める羽依。


なんて可愛らしいのかしら。…ドキドキしちゃうじゃないの。


「おそろの水着買おうか?」


「それは嫌。」


スタイル格差が強調されるじゃないの。


私だって小さい方ではないけれど、羽依のそれはもう"凶器"よ。


「ちぇー。じゃあこれは?真桜に似合いそう。」


羽依が差し出したのは、ブラックのモノキニ×軽いパレオの組み合わせ。


「うん、このぐらいが無難かもね。羽依には、さっきのピンクが似合ってたわ。」


オフショルダー×フリルの水着。柔らかい雰囲気の羽依にぴったりだった。


「うん!私もこれが一番いいと思ってた!」


二人でお会計を済ませ、そのままカフェで休憩。


「今日はめっちゃ買っちゃったね~。結構お金使っちゃった。」


「羽依、お店手伝ってるのよね?バイト代とか出してもらってるの?」


「うん。お母さんがそういうの厳しいの。労働の対価はちゃんともらいなさいって。」


「いいお母さんね。」


「うん、でも怒ると怖いよ。元ヤンだし。」


「それは……怖そうね。」


「でも、私には普通の優しいお母さんだよ。」


そう言いながら、羽依がふと考え込む。


「私も怒るとすごく怖くなるかもよ?がるる~!」


小さく威嚇ポーズを取る。


「ポメラニアンみたいね。」


「ひどい!いや、可愛いからひどくない……?まあいっか!」


本当に小動物みたい。そんな姿を見てると、なんだか和むわね。


挿絵(By みてみん)

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