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二話

 さて、色々やっていたらもう夕方になってしまった。現状を確認した所、今はあの卒業パーティーの2年前、つまりライル様が二年生に進級し、私が学園に入学する年の春ということだった。入学式は3日後。


 もうこの時点でライル様は私のことを嫌っており、顔合わせの茶会も公務を理由に何度かすっぽかし、茶会に出ても会話もしない様な状態だった。確か未来の記憶だと、入学式でも声をかけることすらせず、挨拶に行ったら嫌な顔をされた記憶がある。


 そのため、ここから関係改善は難しいだろう。ならば悲劇回避のため、婚約解消を狙おう。できれば家への影響を最小限にして。


 この後やることとしては、大きく二つ。一つ目は、卒業パーティーまでにライル様の非を明らかにし、ライル様有責になる様にすること。二つ目は、花魔法という特殊魔法の使い手として、《花の乙女》とか持ち上げられ、学園内で一定の支持者がいたマリア嬢の影響力を小さくする事。


 未来でライル様の浮気が学園内で黙認されていた背景として、ライル様に非が無く、さも私が至らないせいであるみたいな噂や、マリア嬢の人気が影響していたからね。全くたまったもんじゃない。


 ちなみに特殊魔法について。この世界では魔法が使えるのだが、基本的には火水風土の四属性のうち、一つだけというのが常識だ。(私は水属性!)


 稀に複数属性使える人もいるらしいが、それよりもっと珍しいのが四属性に当てはまらない特殊な属性の魔法。特殊魔法である。例として過去の特殊魔法使いは、様々な効果の煙を生み出す煙魔法によって他国からの侵略を何度も防いだ某国の辺境伯や、雷魔法を使い色々な国で活躍した伝説の冒険者、治癒魔法にて聖女と呼ばれたシスターなどがいたそうだ。


 マリア嬢の花魔法は、まだ蕾状態の花をみるまに開花させることができるというものだった。確かに特殊魔法は珍しいけど、植物の成長自体を促進させるわけでも無く(蕾がない状態で魔法を掛けても何の効果も無い)、マリア嬢の保有魔力が少ないせいで、魔法がかけられる範囲はせいぜい植木鉢1〜2個くらい。


 ぶっちゃけ利用価値としては、あんまり無い……。せめて植物自体の成長促進効果があれば、貴重な薬草を育てるとかできるんだけどなぁ。なんで未来ではあんなに持ち上げられてたんだろう?礼儀作法や授業態度も悪かったみたいだし、ライル様を始めとして婚約者のいる殿方に、人前で馴れ馴れしくベタベタする様な女性なんて、特殊魔法の使い手であっても、敬遠したいものだと思うんだけど。


 そんな事をつらつら考えつつ、3日後の入学式までに色々と対策を考えて過ごした。(前世の記憶と今世の記憶が入り混じったせいか、普段の仕草などで戸惑う事があったが、なんとか慣れる事ができた)

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