表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫デコ  作者: 守雨


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/312

93 神殿になっていた

今ね、連載を更新するのは諦めて、改稿しながら並行してSSを書いています。


朝6時。空気が湿気で呼吸しにくい感じ。

私は22歳まで涼しい場所で暮らしていたので、南関東の暑さと湿気が苦手です。

大学を出て最初に、南関東のとある市に住んだのですが、大都市だからどこもかしこもコンクリートで。


夏の暑さと湿度にびっくりしましたっけ。「なにこれ?」って。街全体が浴室みたいだと思いました。

部屋に取り付けられている古いエアコンからは強いカビの臭いがするから使う気になれず、窓を開けて換気扇を回してしのいでましたね。

窓を開けると近くに高速道路が見えて、そこを走る車のエンジン音が聞こえてくる。網戸は排気ガスで黒いべたべたした汚れが付く。


「こんなところ、お母さんはとても住めないわ」と見に来た母が驚いていました。

私は「なにが? どこが?」と逆に驚きました。


(田舎の観光地より、ここのほうがよっぽど未来が開けてるじゃないの)と22歳の私は思ったのです。若かったなあ。


大都市ではあったけれど、寝に帰るだけの社畜生活だったので、大都市の恩恵を受けることはなかったです。恩恵をひとつだけあげるとしたら、コンビニが道路の反対側にあったことぐらいかな。スーパーが閉店してから家に着くので食材の買い物ができないんですよ。

コンビニのツナマヨ巻で命を繋いでいたような。


駅前繁華街を通り抜けてアパートに向かって徒歩25分。常に渋滞に巻き込まれて遅れるバスより歩いた方が早い場所でした。ただ、駅前は昔「三業地」とかいう色町だったそうで、当時も飲食店や風俗関係のお店が並んでいて、柄がいいとは言えなくて。

道を歩いていると目の前で酔っ払いの殴り合いがいきなり始まったり、酔っ払いのおじさんが自転車で追いかけてきたり、酔っ払いのお兄さんがいきなり後ろから抱き着いてきたりする、そういう場所でした。


それで一個忘れられない思い出があるんだけど、長くなるからそれはまた今度。


そこは結婚を機に引っ越ししたのですが、あるときふと思いついてそこまでドライブしたのですよ。そうしたら、五階建てのアパートが5棟もあった場所には、すんごい豪華な神殿が建っていました。

あのときの驚愕と言ったら。


5棟のアパートには十年二十年と住み続けている人が多かったのに、よくこれを成し遂げたなあと驚きました。

入居者全員が退去して壊して建てる過程を見てみたかったなと思いましたっけ。絶対にいろんなドラマがあったはず。

詳しく書くと差し障りが出そうだからこのへんでお茶を濁しますが。


昔住んでいた場所を、ふらっと訪れる。

わりと好きです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ