258 私はもう洗脳されている
いろいろあって、私は潔癖症な人が苦手。
「いかに自分が潔癖症か」を語る人に実生活で出くわすと反応に困る。ネットでは気にならない。顔を合わせないから。
実生活では「そういうあなたの顔の毛穴にはニキビダニが住んでるのに。9割くらいの人の顔にニキビダニは住んでいるし、あなたの口の中には山ほどの細菌が住み着いてるわけよ。言ってることが非科学的なんじゃよ」と思いながら話を聞く。
いつだったかバイクでマスツーリングしたとき、とある人が床に落ちた何かをチャチャッと手で拭いて(むしろ雑菌を足している)平然と口に入れた。
潔癖症が苦手な反動で(かっけー)と思ったな。
そんな私がネットフリックスの「ザ・シェフショー」を見ていて、調理する人の指輪が気になった。人によっては何個も指輪をつけてサラダみたいな非加熱の料理を素手でかき混ぜる。
指輪の内側って、絶対に雑菌が多めに住んでるよね、とか思っちゃう。だけど、作った直後に食べれば問題ないんだろうね。そういう考え方なんだと思う。
たぶん、知らず知らずのうちに日本の清潔レベルを良しとする価値観が私にしみ込んでる。
あと、刷り込まれてるなと思うことがもう一個。
今日観たシェフ・ショーでは、皮を剝いて湯がいたトウモロコシに刷毛でバターをたっぷり塗り、塩コショウしてしてから植物油をまぶしてグリルで焼く。
そこまでは「うんうん。美味しそう」と観てたんだけど、焼きあがった軸つきのトウモロコシにマヨネーズをたっぷり塗り、ライムをガーッと搾りかける。
まだ終わらない。そこに粉チーズをまぶし、チリソルトをかける。最後にイタリアンパセリらしきものを飾る。
1バター
2塩コショウ
3オイル
4チリソルト
5マヨネーズ
6ライム
7粉チーズ
8香草
「うまいね。止まらない」
「初デートには不向きだな」
と言っているのを観ながらちょっと引くわけ。日本だとせいぜいバターと醤油。
そこまで足し算して、コーンの素材の美味しさは残ってるのかなと思う。
私は「素材の美味しさを生かすことを良しとする」って海原雄山的価値観に染まってる。
どっちの料理が上か下かを語ることは無意味で、「美味しさ」に関して日本と米国では方向が違うんだと思う。いろんな「美味しい」があっていい。多様性はだいじよ。
ただ、ここまで足し算した料理を小説に書いても、味を想像できないから日本人の読み手に共感されないだろうなとは思う。
知らず知らずのうちに、私は洗脳されている。
追記。
毎年のことだけど、この季節は体調が。
書ける限り書いているので、ビクトリアの更新は待ってほしい。書きたくないわけじゃないのよ。あと数万字で完結する予定だから、気力体力が充実しているときにじっくり最後を書きたいのよ。




