245 担当さんは褒めてくれるが
息子が「超長編を書いてる作家のエッセイ読んだけどね、主人公を移動させると話が続くらしいよ」と言う。
息子よ、母は超長編が苦手なのだよ。
そして旅する物語は必然性を考えるのがめっちゃ大変なのだよ。違う街の景色や出会う人の個性も変えなきゃならんのよ。
あと、登場人物の背景とか主人公とのやりとりとか関係性にバリエーション出しつつ齟齬が出ないように考えるのもめっちゃ大変なんだよ。しかもそれを覚えていないと失敗するんだよ。
今でも頭を抱えて呻きたくなるような失敗、既に小説(のSS)で1度やらかしてんのよ。
……と説明するのが面倒だったので「そうなんだ?」のひと言で返事を終わらせた。
毎日更新の3000〜4000文字を書くのに丸1日、下手すりゃ3日とかかかるけど、読む時は5分なんだよ。
半日かけて煮物作っても5分で食べ終わるようなものなのよ。
でも、読者さんはちゃんと評価や感想をくれるし担当さんは褒めてくれるけど、家族はやってくれて当たり前くらいに思ってるから、掃除しても料理しても感想って滅多にもらえないじゃん?
だからやっぱり小説書くのは楽しいのよね。
という本音も家族に言ったことはない。
ただ、一度腹に据えかねた時に「私、普段文句とか何も言わないけど、何も考えてないわけでも思ってないわけでもないからね?」と静かに言ったら家族がえらく怯えてたことはあった。
ほほほ。




