16 そういう作家に
淡々と作業をこなし、淡々と家事もこなし、淡々と前からの仕事もこなす。
最近では小説の方にかける時間の方が圧倒的に長い。もはやこっちが本業かもと思って「本業」という言葉を使わなくなった。
とある担当さんとやり取りしていて、「ちょっとでも鬱展開があると拒否感を持つ読者がいる」という話題になり、「右肩上がりの成功話か、癒し系が人気」という話になり「じゃあ、私なんかどれも結構重い話をぶち込んでて向いてないじゃん」という結論になった。
でも、そう書きたいんだから仕方ない。
そういう話が好きなんだから仕方ない。
善人だけでトラブルも起きず、ただただ幸せなだけの小説を否定しないし私も漫画ではよく読むけど、いいじゃないの、いろんな小説があって。
どんなことにも多様性はだいじだよ。
あと、それぞれの好みは好みであって正義じゃない。
だから鬱展開があっても汚い言葉を並べて苦情を書き込むエネルギーは、どうぞ好みの作品への賛辞に使ってほしい。
あ、あの手のコメントを書き込む人はここを読んでいないだろうけど。
私がかなりボリュームあるラノベを完結まで読み切ったのはそう多くはなくて、そのどれもが必ず主人公が苦労する場面、追い詰められる場面がある。
それを乗り越えて「おめでとう、幸せになったね」って満足して本を閉じている。
私もそういう小説が書きたい。
それともうひとつ。
流行り物をデータ分析して、つねにトレンドを外さず、確実にヒットを打っていく。そういう作家に、私はなれない。(宮沢賢治風に書いてみた)
書きたいものしか書けない。
ごめんね。(←私を担当してくださっている方々に向けて謝っています)
トレンドを押さえられない作家だけど、王道から外れた話ばかり書いてるけど、こつこつ作品を積み重ねて、「お、守雨の本だ」って書店で見かけて買ってくださる読者さんが一人でも増えるように頑張るね。
※この回は文の頭の一字下げをしていません。必要ない気がするんだよね。
小説の方では、やらないと必ず誤字報告が入るからやってるけど、商業の世界でそういう慣習があるってだけで、作法上の間違いではないって、ちゃんとした偉い人がどこかに書いていたよ。




