133 謎の呪文
真夏に近所の奥さん(80前くらい)に出会った時のこと。
「おはようございます」と声をかけた私に奥様が謎の言葉を。
「アッパッパイーネ」
「ん?」
「ソノアッパッパイーネつってんだよ」
いやいやいや。
関東でもそこそこ訛りがきつい地区ではあるけど、完璧わからぬ。
(いま、なんて言った?)と笑顔のまま返答に困った。
「あー、はい」
答えに窮した時は大抵これで乗り切る。
「アッパッパ好きだよ」
私、笑顔のままさらに困惑。
「歩きかい?」(=ウォーキングかい?)
「はい。コンビニまでですけど」
「はい、行ってらっしゃい」
頭を下げて離れてからすぐ検索したわ。
アッパッパ or アッパッパーとは、チュニックとかゆるいワンピースとか、そういうことだった。
聞いたことないよ、アッパッパ。
家族にいきなり試したい。「アッパッパイーネ」
絶対に通じないと思う。
あとね、誰かを語るたびに年齢を書くのはもう、癖。
私、実生活では他人の年齢、家族構成、職業を何回聞いても覚えられない。なんなら顔も覚えられない。興味がないから。
だけど仕事では小説を完結してからキャラシートを求められる。人物の特徴を覚えていないと書くのが大変な作業になる。
だから新キャラ登場のたびにキャラシートを書いておくのが癖になってる。
・名前、年齢、身長、髪色、目の色、体型、口癖、得意な武器、服装
こんな癖が自分に生まれるとは思わなかったわ。
「アッパッパイーネ!」www←自分で書いて自分で笑ってます。




