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次元災害で異世界へ  作者: 真草康
キュベレー山脈編
98/181

95. キュベレー山脈 2


 五月一日赤曜日、探索二日目。

 小雨が降っている。

 防水ポンチョを最後にかぶって準備完了だ。


 レーダーと浮遊眼でぽっかりと開いた岩場を確認して、<テレポート>でラーダルットさんと一緒に昨日の場所に戻る。

 ワンダースリーのみんなは先に<テレポート>で到着済みだ。

 やっぱ、ポインティングデバイスは優れもん(・・・・)だ。

 帰宅したら、エルガさんかボランドリーさんにでも相談してみようっと。


 密林の中は霧のような小雨のような天気だ。不快指数一五〇%ってところだ。


 周辺をレーダーしてみたけどシルバーデビルはいないみたいだ。

 他の強い魔獣の姿もない。

 見晴らしがいいから、遠くに鳥魔獣が見えるだけだ。


 昨日の引き続きで南東に向かって移動する。

 べたつく服が気持ち悪い。

 魔獣の多さは相変わらずだ。


「泉発見」

 この辺は多いみたいだ。

 上下して泉を回るが、真のルルドの泉は見つからない。


 そんな上下を移動してると神寿樹がレーダーに引っかかった。

 泉巡りを中断して、神寿樹に向かうが…。


 案の定、ギガントロックピテクスの群れ、成獣八匹(強さ“100”前後)に幼獣三匹(強さ“53”、“68”、“75”とバラバラ)の昨日の群れがいた。

 怪我をしているギガントロックピテクスは一匹だ。

 しばらくここにいてギガントロックピテクスの群れが離れるのを見守るか、先にルルドの泉を探して戻ってくるかだ。…と思っていたら幼獣三匹が、そして残った成獣七匹が樹皮を食いだした。

 警戒心が薄れている。


 ポンチョを脱いで戦闘準備。

 霧はずいぶんと晴れてきて、雨もほとんど止んだ。

<ホーリークリーン><ドライ>

 幾分スッキリした。


 プコチカさんから、目で“やれ!”って指示がきた。

 鉄菱(ひし)を<スカイウォーク>の上に並べて魔法力をマシマシで込める。

 鉄菱(ひし)をには高周波ブレードを付与済みだ。


 ワンダースリーも僕の動きに、攻撃を準備する。


<ハイパーストリーム><ハイパーストリーム>


<ハイパーストリーム><ハイパーストリーム>

 角度的に神寿樹を傷つけない四匹のギガントロックピテクスにお見舞いする。

 さすがに一緒には四発は無理で、二連射だ。


 ドドドドドドと一撃目が二匹のギガントロックピテクスに命中する。

 かなりの傷を負わせたみたいだ。


 振り向いたギガントロックピテクスが風と電撃の障壁をまとう。

 ドドドドドドと二撃目が命中するのとほぼ一緒だ。

 ダメージ効果は一撃目の半分以下だろう。


「目をつぶれー!」

 プコチカさんの声が飛ぶ。

<ギガサンシャイン>

 レイピアを抜いて駆け出していたボコシラさんの背中の上空で、一瞬に輝く光のたまが出現した。

 目をつぶっていてもかなりまぶしい。


 空間認識では、ボコシラさんがマジッククラッシャーで障壁を吹き飛ばして、二匹にレイピアで突き刺し魔法力を込め焼いた、…が、さすがにすべての風と電撃の障壁を飛ばせたわけではなく、ダメージはある程度弱められたみたいだ。


 プコチカさんも突入して一匹の首筋をショートソードで切り裂く。


 ノコージさんの<シャイニングレイ>-―集光光線で強い魔獣に対して殺傷力はないが視力を奪うことは可能と後で聞いた――で残ったギガントロックピテクスの目を焼く。


 完全な不意打ちが決まった状態だ。

 目が回復する間が勝負だ。


 ノコージさんがラーダルットさんを守ってくれるので、僕も混戦に駆け込んだ。

 混戦ならば短い小太刀の方がいいと思い、銀蒼輝を抜いて、魔法力を込め、倒しきれなかったギガントロックピテクスに向かって、

<スカイウォーク>

 さすがに身長が足りない。

 駆け抜けながら一匹の首を切り裂く。

 電撃の障壁も魔法力を込めれべ、はじき返せるからしびれることもない。

 もう一匹も切り裂こうとするも、風と電撃の障壁をまとった剛腕パンチが向かってくる。

 ヒヤリとしながらもそれをかいくぐって、腕を切り裂き、返す刀で首筋を切った。

<スカイウォーク>

 回り込んで大ダメージの二匹の首も切り裂く。


 ボコシラさんは二匹に止めを刺していて、走り込んで幼体にレイピアを突き立てる。

 プコチカさんは鞭で幼体に一回けん制を掛けてから、成体の最後の一匹にショートソードを突き立てる。


  ◇ ◇ ◇


「ラーダルット、どうだ?」

「何とか樹皮は取れそうだけど、ギリギリかな」

「そうか、それでどうする」

「放置してこれ以上食べられることを考えると、持ち歩こうと思う」

「それじゃあ、これから二日か」

「よろしくお願いします」


 僕やワンダースリーがギガントロックピテクスの処理を行っている最中に、ラーダルットさんは神寿樹の確認をしていた。


「一旦休憩する。

 ラーダルットは神寿樹の処理を自由にやってくれ」

「わかった。セージもいいか」

「うん、了解」


 どういうことかというと、テレポート禁止だということだ。

 神寿樹が魔法力に弱いからなんだけど。

 先にルルド水を手に入れていれば、二、三度程度のジャンプならば通常の薬程度は作れるらしいが、慎重な扱いが求められる薬の原料だし、テレポートをすれば二日間が縮むってことになる。


  ◇ ◇ ◇


 神寿樹の樹皮を背負ったラーダルットさんを守りながら、完全に泉巡りだ。

 樹皮を背負っているからといって、身体強化は行えるから移動に支障はない。


 しばらく南東へ移動するとUの字に大きな絶壁が出現した。

 幅八〇〇メルほどの大きな切れ込みの絶壁があるのは今までと一緒だけど、Uの字の谷間の中は、鋭く尖った岩が地面から何百、何千と突き立っている。

 まるでマダガスカルのツィンギ・デ・ベマラみたいだ。

 ただし大きな樹木もたくさん生えているから密林要素も大だ。

 自然は雄大だ。

 ツィンギ・デ・ベマラ側に降りるのは無理があるし、当然歩いて超えるのは無理だ。

 ただし、幸いにも距離にして六〇〇メルほど下ると平というか、なだらかな下り坂になっている。キュベレー山脈のなだらかな山の斜面だ。

 標高でいうと下層の泉のラインあたりだ。


「下層の泉のラインの泉を探しながら、絶壁をやり過ごすが、いいか」

「ぐるりと遠回りするのはかまわんのじゃが、それでまた上層に戻るのか?」

「どうするか」

「それでお願いします」

「セージは時たまでいいから、遠くを確認して泉の索敵をやってくれ」

「了解。今まで通りだね」


 ここまでくると、ラーダルットさんのノートも役に立たない。

 泉のラインも定かじゃないけど、一応泉があるんだ。


 上層の泉のラインが出発時が五二〇メル付近だったけど、二〇メルから三〇メルほど上になっている気がする。

 僕のテレポート感覚と、ポインティングデバイスとの高さの違いからの推察だからあまり外れてないと思う。

 下層の標高三四〇メル付近の泉のラインに変化があるかは不明だ。


 相談はまとまって、標高三四〇メルに降りていく。

 途中、猛毒樹木のマンチニールの群生地帯に遭遇して、大きく迂回する。

 大きな樹木なので燃やすのも一苦労だし、若干の耐火性もある。火の粉も猛毒と厄介だし、森林火災になったら目も当てられない。

 結局、三四〇メルよりチョット多めに降りたみたい。

 どうやらこの辺りは蛇魔獣が多いようだ。

 まずは泉を見つけてから、昼食を摂ってしばしの休憩。

 標高は三一〇メル前後ってところか。


「セージ、ご機嫌じゃの⁉」

「え、なんで?」

「一昨日から随分と鼻歌を歌ってたじゃろ」

 え、またやっちゃてたか。それも一昨日からって、魔導車で移動中からってことだ。

 相当浮かれているみたい。

「なんか、時たま歌っちゃうみたい。(てへっ)」

「セージ、歌、楽しい」


 セージの鼻歌も変化していた。

 鼻歌がもとで転生者としてバレて、記憶バンになってはたまるものかと、鼻歌のバリエーションを自ら増やしていた。

 とはいっても作曲の才能はない。記憶の奥の方の適当な歌、要はうろ覚えの歌を適当にハミングのように歌うことを心掛けていた。そうなると脳内の音楽は増えて、以前は毎回口ずさんでいたゲーム曲も、かなり頻度が減ったような気がしている。


 ツィンギ・デ・ベマラを大きく迂回しながら進む。

 はぐれ猿魔獣がちらほらいる。小型のイノシシ系魔獣も狩った。

 下から見るとツィンギ・デ・ベマラはほとんど見えない。

 あまり泉は見つからない。まあ、見つけてもルルドの泉じゃなきゃ意味ないんだけど。

 ただ、美味しい水が飲めるのがいいかなってとこだ。


 またも震度一程度の地震があった。

 地震計があれば体感できない地震がどの程度発生していて、危険度もわかるんと思うんだけど。それとも地震観測所ってあるのかな?


 ワニ魔獣と蛇魔獣がうごめく、大きな池の横を歩く。

 途中泥の沼のような場所もあった。

 密林に戻り、ツィンギ・デ・ベマラを過ぎたので、また上に向かって歩く。

 ここだけかもしれないが、下層の泉は数は在るけど、効果の低いルルドの泉が一つもなかった。

 ラーダルットさんが高層にこだわるのがわかった気がした。


 高層に移動してからラーダルットさんが必死になって来た。

 小型の鳥魔獣が多い。

 蛇に蜘蛛魔獣にも出会った。

 エルフの力をフルで発揮してるって感じで、僕より泉を見つけるのが早いんだ。

「ラーダルット、慌てるな」

 プコチカさんの諫めもきかずに、泉を発見すると駆け出してしまう。

 それでおもむろにガッカリとして、また顔を上げ、表情を引き締め探索を開始する。

 その繰り返しでこの日は終わった。


  ◇ ◇ ◇


 キュベレー山脈での宿泊(キャンプ)

 運よく洞窟を発見。

 洞窟の前にセイントアミュレットを複数設置して食事だ。


 ラーダルットさんが神寿樹の樹皮を背中ら降ろしたところで<ホーリークリーン>を掛けてあげる。

 サッパリしたようだ。


 食事は定番の焼き肉と果物だ。

 珍しいジャボチカバって、樹の表皮に黒くて丸い球ができたものを皮をむいて食べたんだけど、甘酸っぱくて、ライチみたいでおいしかった。もちろん冷やして食べたから最高だった。

 もう一つがランサっていってブドウのように房になるなじゅだが、一粒一粒がなんとなくジャガイモに似ている。

 酸味のある不思議な味で、美味しかった。


 疲れ果てたラーダルットさんは食事後にグッスリと就寝中だ。


 しばらくするとラーダルットさんおn寝息が荒くなる。

 寝ているところに<ホーリークリーン>を掛けてあげる。

 寝息が楽になった気がする。


 ワンダースリーの三人が三交代で夜間の見張りに立つ。

「僕も見張りに立つよ」

「子供、寝る。育つ」

「そうだ。オマエは充分強いが、子供だ」

「大人に甘えるのも子供の特権じゃ、ハハハ、気にせずグッスリと眠れ」


 夜のキュベレー山脈は思ったより騒々しかった。


  ◇ ◇ ◇


 五月二日青曜日、探索は三日目に突入。

 念のためここにもポインティングデバイスを設置する。

 この慎重さは見習おうと思った。


 ラーダルットさんの必死の探索が続く。

 熊魔獣や狼魔獣とも戦った。

 ラーダルットさんは昼頃にはぐったりとバテてしまった。

 ハチミツルルドキャンディーを食べても精神疲労は回復しない。


「ラーダルット、気持ちはわかるが、神寿樹の樹皮がダメになったらまた探してやる。

 人間探査機もあることだし俺たちに頼れ」

 その人間探査機って僕のことだよね。

 プコチカさんをにらんだら、ニヤリとされてしまった。

「そうなんですが……」

「オマエは物がそろった後に薬を作るっていう、一番肝心な作業があるんだ。わかってるか」

「はい……」

「わかっていればいい」

 ラーダルットが全然納得してないのは、一目瞭然だ。

 プコチカさんも言っても無駄だと思ったようだ。


 少し長めの昼休憩を取って、ルルドの泉の探索を再開する。

 ほとんど魔獣にも、そしてルルドの泉も見つからず、その日はラーダルットさんの疲労が募っただけだった。


  ◇ ◇ ◇


 五月三日黄曜日、探索四日目だ。

 朝からラーダルットさんは気合が入っている。

 タイムリミットは昼頃までだ。

 まあ、神寿樹の樹皮の状態もあるから、早めに見つけるには越したことはない。


 歩き出すと草むらが多くなってきた。

 そしてまた岩肌に瓦礫と崩れやすく歩きにくい。

 それと泉が無くなってしまった。

 探せばあるかもしれないが、四時間ほど歩いても何もない。魔獣も強さ“25”以下の小物はいるが、強い魔獣もいなくなった。


「下層を探しながら戻ってみるか」

 あきらめきれないラーダルットさんにプコチカさんが話しかけた。


「……そうですね。その方が可能性がありそうです」

 しばらくの無言の後、絞り出すようにラーダルットさんが答えた。


「セージ、ノコージ、神寿樹もまた探すぞ」

「はい」

「了解じゃ」

 そうこれから下層に降りると、時間切れの可能性が高い。致し方ないことだ。


  ◇ ◇ ◇


 下層に降りると木々が増えた。

 早速、泉を発見。ラーダルットさんが駆け寄るも、普通の水だった。

 周囲の泉を回り、ラーダルットさんもあきらめがついたのか、昼休憩、否、終日休憩となった。

 ラーダルットさんの疲労のためだ。


 僕はノコージさんと一緒に狩りに出た。

 狩りといっても<テレポート>でポインティングデバイスを回収しながら、帰りの避難場所の確保で、新たなポインティングディバイスの設置が主で狩りはついでだ。

 それとチョットっ遠回りして、ルルドの泉や神寿樹のありそうな魔素の濃厚な場所――ルルドの泉はそうとは限らないけど――の目星をつけることだ。


 ちなみにボコシラさんも「狩ってくる」と勇んでかっとんで行ったからどこまで行ったのやら。


 ローガン町への帰還も一応提案したが、ラーダルットさんがそれを拒否したためのってこともある。

 神寿樹優先だから当然っていえば当然なんだけど。


  ◇ ◇ ◇


 ポインティングディバイスを回収しながら、僕の浮遊眼のスキルを運用して下層にポインティングディバイスを設置場所を探す。状況確認も行っていく。

 魔素や負の魔法力の濃厚な場所はシルバーデビルと遭遇した場所だった。幸いにもシルバーデビルはいなかった。

 探索漏れというか、回避した場所だから、一旦確認しておこうと寄ってみたんだ。

 低効果のルルドの泉と神寿樹の苗が日本あったが採取できる代物(しろもの)じゃなかった。


 後、もう一か所発見した。

 それが、Uの字型にえぐれたツィンギ・デ・ベマラだった。


「ノコージさん、あそこ」

「その様じゃな」


 ツィンギ・デ・ベマラに多少踏み込んで、適当に上った岩山の先端付近からレーダーで見ると、濃厚な魔法力が溢れる泉を発見した。

 そこはツィンギ・デ・ベマラの最奥だと思う。

 そして、神寿樹もあって一気に薬が作れそうなのだが、シルバーデビル三匹が休んでいた。

 動く気配がない。

 ただしハッキリと場所が特定できなかった。


 何かに阻害されているのか浮遊眼でも見ることができない。


「あれって」

「あの時のやつじゃろうて」


 また厄介な魔獣が居座っているものだ。

 しばらく観察していたけど、僕らのことは気づいているのかいないのか? 動く様子は無さそうだ。


 ただし接近するとレーダーでも感知できなくなった。どうなてるんだろう。

「これ以上の接近は危険じゃ」

「みんなと相談してからってことだね」

「そうじゃ」


 ツィンギ・デ・ベマラの端とかなり離れた場所の二か所にポインティングデバイスを設置してプコチカさんの下に帰還した。


  ◇ ◇ ◇


 帰還した(セージ)とノコージさんは、情報提供をして全員で“剣山(けんざん)の森”との中間地点に飛んだ。

“剣山の森”とは“ツィンギ・デ・ベマラ”のことだ。

 もちろんどちらの名称も正式のものじゃない。


 剣山のツィンギ・デ・ベマラに突入するのは明日だ。


 夕食はボコシラさんが狩ってきた兎と蛇の肉と野菜を入れた具だくさんのシチューに、イノシシ系のお肉を味噌焼き(?)にした物だ。

 それと果物のジャボチカバとランサだ。

 どうやら無理な狩りをせず、適当に狩りをして料理をしていたみたいだ。

 香辛料を効かせたシチューと、イノシシの味噌焼きは美味しかった。ボコシラさんって料理得意なのか?


 味噌は、訊ねてみたら大豆を発酵したものだっていうからヤッパ味噌だ。そう名前もミソ(・・)だった。

 ヴェネチアン国の田舎で作られているんだそうだ。


 日本の味を堪能しながら、僕とノコージさんは報告をした。


「“剣山(けんざん)の森”にルルドの泉と神寿樹があるのは間違いないんだな」

 プコチカさんが何度も確認してくる。


「神寿樹は間違いないのじゃが、ルルドの泉の効果はラーダルットに確認してもらうしかないじゃろう」

 ノコージさんの答えも一緒だ。


「ろりゃそうか。ラーダルット、できるだけシルバーデビルとは戦闘をしたくない」

「わ、わかってる」

 言葉を変え、何度もやり取りしたのは、ラーダルットさんのはやる気持ちを落ち着けるためだ。

 今にも駆け出していって、しまいそうなんだもん。


「なんで。やる」

 空気を読めない(KY)なのはボコシラさんらしい。


「ボコシラの気持ちもわからんでもないが、ラーダルットの安全が第一で、ルルドの泉と神寿樹の入手が第二だ」

「わかってる」

 不満だって、顔に書いてある。

 ボコシラさん、なんでこうも戦闘狂なんだろう。

 それにしたって、強さ“131”と“127”のシルバーデビルと戦おうなんて大丈夫なんだろうか?

 僕やワンダースリーのみんなより強いはずだ。

 小柄なシルバーデビルだって強さは“108”だ。


 悲壮感が漂っていた、ラーダルットさんだったけど、ルルドの泉と神寿樹の情報に生気がみなぎってきた。


 そして、ほとんどしゃべらなかったラーダルットさんは「薬づくりのために体調を整えます」と言って、夕食を摂ると瞑想に入ってしまった。

 気合の入り過ぎのような気もするけど、誰も止められないよね。


 ところで何でボコシラさんがパーティーリーダー何だろう。訊いてもいいのかな?


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