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次元災害で異世界へ  作者: 真草康
モンスタースタンピード編
72/181

70. 対決ミニシーサーペント、そして終結

今回も戦闘継続です。


 ああ、見誤った。

 強化デミワイバーンがいなくなったことで、ミニシーサーペントが海岸に押し寄せてきた。それも大波を発生させながらだ。


<身体強化><スフィアシールド><フライ>『隠形』『認識阻害』

<テレポート>

 ミニシーサーペントの後方、海岸から沖の方にジャンプする。

 もう二個ルルドキャンディーを口に放り込む。


 ショートスピアとショートソード三本をアイテムボックスから出して魔法力を流し込みながら、

<フローコントロール><カタパルト>

 両方風魔法だけど、カタパルトはレベル6で魔法名の通り物体を高速射出する魔法だ。

 ショートスピアはフローコントロールで微調整はできるけど、最初の狙いの通りに一直線でミニシーサーペントにかっとんでいく。

 練習で使った時よりかなり早い。ちょっとビックリ。

 それでも狙いはたがわない。


<フローコントロール><カタパルト>

 一瞬遅れてロングソード三本を飛ばす。


 ミニシーサーペントの首にショートスピアが突き刺さったかのように見えたが、危機感知で避けられたのか、何らかの防御をされたのか、首筋に軽く傷を付けただけだった。

 避けられることは想定済みだ。

 続けて三本のロングソードがミニシーサーペントを襲う。

 ミニシーサーペントもさるもの、そのうちの一本を避けた。が、残りの二本が首に深々と突き刺さる。


 グジョォォァァーーーッ。

 怒りと痛みの入り混じったような雄たけびが上がる。

 声もかなりこもっている。


 大波が砂浜、そして防潮堤にぶつかって砕け散っていく。

 停泊中の漁船が岸壁にたたきつけられる。

 警備艇が木の葉のように波に揉まれる。

 そんな中ミニシーサーペントが首を回し、僕にロックオンしてきた。


 鉄菱(ひし)を十個程度取り出して。

<フローコントロール><カタパルト>


<フローコントロール><カタパルト>

 もう一度。


 ミニシーサーペントは口を開け、溶解液ブレスで迎撃の構えを見せるが、ブレスが出ないようでいらだっている。

 そこに鉄菱(ひし)が顔や口に激突する。

 魔法力のこもっていない鉄菱(ひし)だと、ほとんど打撃を与えてはいなそうだが、唯一の例外は口に飛び込んだ二個だ。

 さすがに口内は痛かったようで、グジョ…ォァ…ーと悲鳴のような鳴き声だ。

 こもった声が、途切れ途切れでかすれている。


 濃厚な魔素と負の魔法力の所為か、ミニシーサーペントの辞書に逃げるという言葉はなさそうだ。


 個人情報を確認している暇はないけど、感覚的には魔法力は“68”程度と心もとないがもう一回攻撃できそうだ。


<身体強化><スフィアシールド><フライ>『隠形』『情報操作』

 ネットとカイトシールド、残りのロングソードを取り出し、魔法力を流す。


<フローコントロール>

 まずはネットを飛ばす。

 そのネットの後ろに隠れながら飛ぶ。


 ミニシーサーペントが流体被膜から、溶解液の球体を作成して飛ばしてくる。

 ブレスよりレベルはかなり劣るが、触りたくないものだ。

 スフィアシールドとカイトシールドに更なる魔法力を流し込む。


 ネットをミニシーサーペントの周囲に飛ばしたまま、一旦距離を取る。

 溶解液の球体の攻撃を受けたネットはボロボロになって行く。


 僕の周囲にも溶解液の球体が飛んでくるが、スフィアシールドで完全に防げている。


<フローコントロール><カタパルト>

 二本のロングソードを高速射出する。

 それと一緒というか、斜め後方で僕も飛ぶ。


 ミニシーサーペントの尻尾が跳ね上がりロングソードを叩き落そうとする。が、一本は尻尾――上下と先端にヒレの付いた平たい尻尾――をかいくぐらせることに成功する。

 尻尾の迎撃だけでなく、溶解液の球体も周囲に集合して防御を固め、幾つかが向かってくる。


『隠形』『情報操作』を最大限に強化して、溶解液の球体に隙間をすり抜ける。…が、チョット無理。

 目の前には密集する溶解液が。

 スフィアシーリドでいくつもはじくが、スフィアシーリドが過負荷で穴が開く。

 そこから侵入してきた溶解液を盾で弾くが、ジュッと飛沫が右肩と左太ももに飛んだ。

 気に掛けてる暇はない。

 一気に加速してミニシーサーペントの後方に抜ける。


 別の意識では、ミニシーサーペントが二本のロングソードを迎撃中、を捉えている。


<ステップ>

 無理せず、そして勢いを殺さないように、駆けて、駆けて、駆けて。

 カイトシールドを放り投げ、両手で黒銀槍を持ってミニシーサーペントの後頭部側の首筋に突き刺す。


<ボルテックスⅣ>

<ボルテックスⅣ>

<ボルテックスⅣ>

<ボルテックスⅣ>


 焼け焦げた匂いに体を震わせて、ミニシーサーペントが息絶える。

 おわーっ。

『収納』

 ザブーン。

 さすがに高さ数メル。

 収納したは良いけど、頭から海に突入しました。


 頭を海上に出して、立ち泳ぎ。

 アイテムボックスからルルドキャンディーを二個取り出し、口に放り込む。

 ミニシーサーペントは三.五トンから四トン程度か、アイテムボックスはかなりいっぱいになったけど、もう少し入りそうだ。

 なんだか体がヒリヒリする。目にしみると思ったら、防具や服がボロボロになっていく。

 海の水も薄まっているとはいえ溶解液だ。

 慌てて、

<テレポート>


 二階のテラスに戻って、<ドライ><ホーリークリーン>で一段落する。

 肩と太腿は服には穴が開いたのは分かってたけど、海に落ちてこんなになるなんて。

 体が強くなった所為と、身体強化のおかげか、肩と太腿がチョットだけ赤く腫れあがっているけど、他は腫れあがることも、赤くもなってない。

<ハイリライブセル>

 目も大丈夫そうだ。

 再度体を点検したが、……大丈夫そうだけど、どう見ても変質者か何かだ。


 アイテムボックスからルルドキャンディーをまたも三個個取り出し、口に放り込む。

 飴玉サイズとはいえルルドキャンディーでお腹がいっぱいだ。

 再度周囲を確認して、人気の無い場所に<テレポート>して、ミニシーサーペントを冷凍する。


<テレポート>……<テレポート>……<テレポート>

 自分の部屋に戻る。

<ドライ><ホーリークリーン>

<メガリライブセル><ハイパーヒーリング>

 再度治療も済ませて、穴が開いてボロ切れと化した服を着替える。

 防具はまだ使えそうだけど、一気にボロくなった。今度新調しよう。

 銀蒼輝と黒銀槍には魔法力を流し、軽く手入れをした。

 さすがミスリル硬鋼、問題はなさそうだ。


<テレポート>……<テレポート>

 学校の校庭の木陰からレーダーで周辺及び講堂を確認するが、……あれっ、ピンチ?


 しかたないか。

 アイテムボックスからルルドキャンディーをまたも三個個取り出し、口に放り込む。

 げっぷ。思わず吐き出しそうになってしまった。


 黒銀槍を手に<フライ>で駆けつける。


 ビッグプテラン発見。

 市役所の裏側で奥まった路地に面する住宅の上で休んでいる。

 路地には大勢の傷ついた自警団が倒れ、うずくまている。

<身体強化>『隠形』『認識阻害』

 フライの最速でビッグプテランの背中を突き刺す。

<ボルテックスⅣ>

 このまま落としちゃまずいか。

『収納』


 あちゃー、もう一匹か。

 でも砲撃の真っ只中だ。

 鉄菱(ひし)を一〇個取り出し、魔法力を込めて。

<フローコントロール><カタパルト>

 やっつけられなかったけど、眼と口に放り込んだのかなりのダメージを与えたみたいだ。

 まあ、この程度の支援でいいか。

 アイテムボックスは満杯だ。


<フライ>で学校に戻って、レーダーで確認する。


<テレポート>

 人気の無い場所にジャンプする。

<ドライ><ホーリークリーン>で乾かして小用を足してから、ミクちゃんのいる場所、第三小講堂に戻る。

 もちろんブレザーを着てだ。


「ただいま」

 コッソリとミクちゃんとライカちゃんにささやきかけると、にらみつけられてしまった。

「外はどうだったの?」

「本当に心配したんですよ」

「まだ、魔獣が飛び回っていた。アミュレットブイも壊されて、湾内や港のも海魔獣が押し寄せていたよ」

「まだ、当分帰れそうにないね」

「そうですね」

「そうだね」

「家は大丈夫かしら…」

「ごめん、確認忘れた」

「え、何処まで行ったの?」

「え、いやいや、屋根の上から眺めただけ」

「「(ムッ)……」」

「うん、ホント、ホント」

 ジト目でミクちゃんとライカちゃんに睨まれたけど、追及はそこまでだった。


 いまだにサイレンは鳴り響いているし、アナウンスも聞こえてくる。


 班が集まっている場所に行くと、

「お菓子が配られたんだよ」

 まだ心配そうなライカちゃんが教えてくれ、取っておいた僕の分のお菓子――ビットちゃんが保管――を渡してくれた。

「ありがとう」


「ミクちゃんは頑張ってみんなを励ましてたんだよ」

 しっかり者のミクちゃんは、時々だけど自主的に講堂内を歩き回ってクラスメイトの様子を見て回っていたようだ。

 さすが副委員長。

「ライカちゃんも付き合ってくれてたでしょう」

「それはミクちゃんが頑張ってたからだよう」

 どっちにしても「ありがとう」だ。


「ねえ、ズボン着替えてない」

 あれ、と疑問を持ったミクちゃんに指摘されてしまった。

 ライカちゃんも、いぶかし気な視線を向けてくる。

「うん、チョット汚れちゃったから着替えてきた」

「い、家に戻ったの」

「一人で……」

「うん、そうだね…」

「「ウソつき」」

 グサッ。……刺さりました。

 ミクちゃんとライカちゃんの視線がいたいです。


 外の様子は徐々に伝わってきていているようで、

「デミワイバーンって恐ろしい魔獣がいるんだよ」

「ビッグプテランだってメチャクチャ強いんだって」

「いくらセージちゃんが強いっていったって、そんな中、一人で歩き回るなんて」

「そうそう、何処から鳥魔獣が襲ってくるかわからないんだよ」

 ミクちゃんとライカちゃんに、お説教を延々とされてしまった。

「あんたどこに行ってったのよ!」

「ルードちゃんはだまってて」

「いなかったよね。どこ行ってたのよ!」

「どこだっていいでしょう。それよりセージちゃんは私たちとお話してるの」

「また外にいたんでしょ! いいから答えなさいよ!」

 そこにエルフのルードちゃんが加わったものだから、会話がゲシュタルト崩壊した。


  ◇ ◇ ◇


 帰宅が許されたのは、夕食にパンにミルクが振るまわれ、雨も上がった夜の八時を回った頃だった。

 それもお迎えがあってのことで、それ以外は明朝ということだった。


 市街の魔獣の掃討が完了して、現在は見落とした魔獣がいないか確認中だそうだ。

 家屋の被害もかなりあったようだ。

 オーラン湾内の海魔獣の掃討中で、アミュレットブイの補修はまだまだそうだ。


 あと、突然の魔獣喪失が話題になっているそうだ。

 オーラン湾上空では小さな魔獣と戦闘中に強化デミワイバーンとミニシーサーペントが突然消えたと捜索中だそうだ。


 それらのことがお迎えに来た人たち(自警団に入っていた人含む)から、多少だが漏れ伝わってくる。


 どうしたもんか、タラリと冷や汗が出る。


 市内の魔素濃度と負の魔法力はある程度低下したけど、まだまだ高めだ。


 各自に毛布一枚が配られた。

 服のまま寝るなんて、まるで社畜の……ゲフンゲフン、あの時には毛布もなかった。


 六才(今年七才)だ。まだ男女を気にする年でもないので、班ごとに分かれての活動は相変わらずだ。

 みんなは不安そうに、また、キャンプ気分で眠りについた。


  ◇ ◇ ◇


 朝、生徒たちは家族の迎えや、自警団によって自宅まで送られていった。


 僕やミリア姉はヒーナ先生とホーホリー夫妻が迎えに来てくれた。


 ミクちゃんとロビンちゃんはレイベさんとカフナさんのお迎えだ。


 ライカちゃんと姉のモーラナちゃんはパパさんが迎えに来た。


 自宅に戻って『個人情報』を確認してみた。

----------------------------------------------------

【セージスタ・ノルンバック】

 種族:人族

 性別:男

 年齢:6


【基礎能力】

 総合:113

 体力:172

 魔法:678


【魔法スキル】

 魔法核:14 魔法回路:14

 生活魔法:6 火魔法:10 水魔法:10 土魔法:10 風魔法:10 光魔法:10 闇魔法:10 時空魔法:10 身体魔法:9 錬金魔法:10 付与魔法:10 補助魔法:10


【体技スキル】

 剣技:7 短剣:3 刀:7 水泳:2 槍技:9 刺突:7 投てき:5 体術:7 斬撃:3


【特殊スキル】

 鑑定:5 看破:6 魔力眼:6 情報操作:5 記憶強化:4 速読:3 隠形:5 魔素感知:4 空間認識:6 並列思考:6 認識阻害:2 加速:1


【耐性スキル】

 魔法:8 幻惑:3 全毒:4 斬撃:4 打撃:6 刺突:3 溶解:2


【成長スキル】

 基礎能力経験値2.14倍 スキル経験値2.14倍

----------------------------------------------------


 ある程度は想定していたけど……だ。

 このレベルというか、レベル11以上の魔法陣は本に載っていない。

 レベル10の魔法だって、本のいくつかだ。


 全部自前で作るしかない。

 錬金や付与と補助魔法には、魔法陣を大きくして魔法文字(精霊文字)や、魔法記号(精霊記号)を所定の手順で追加していけばいいものもあるけど、多くの魔法は試行錯誤で開発する必要がある。


 各魔法のレベルが“14”になるのは確実だし、現在のレベル“8”の魔法陣をマクロ化したものを組み合わせて個人魔法を作るにしても、魔法レベル10や11のより強力な魔法陣を使用した方が、強力な個人魔法が作れるからだ。

 そう、マクロを組み合わせて個人魔法を作成するにしても、レベルが上がれば複雑になってしまって効率が落ちる可能性が高いからだ。

 まあ、当面は分かっている魔法陣を作るだけでもしばらくはかかりそうだ。


 そしてとうとう並列思考の“6”で三通り(マルチ)思考になった。

 それと【特殊スキル】に加速、【耐性スキル】に溶解も発生した。

 これでマッハで駆けることへの足がかりができた。…なんてことはない。

 また体が細胞ごと強化されていて、効果のほどが良くわからないけど、身体強化のレベル3近くにはなったんじゃないかな。

 筋力もそうだけど体の反応がすごく早くなっていて、まだ自分の体が制御できてないから加速の恩恵が良くわからないのが実情だ。

 それと思考も早くなっているかもしれない。自覚は無いけど。


  ◇ ◇ ◇


 自警団として参加した船員たちに怪我人が何人もいたので、ヒーナ先生と一緒に魔法で治療した。

 バルハライド(この世界)では、一瞬で治癒する魔法は無いし、治癒には自分の体力もつかう。

 なので様子見をしながら、何度かに分けて適切に魔法を掛けていく必要がある。

 そうすることによって、治癒時間が五分の一とか、一〇分の一とかになる。


  ◇ ◇ ◇


 夜、やっと一段落したパパとママに「相談があるんだけど」と話しかけた。


 何かを察したのか、二人がいやそうな顔をした。


 魔獣石を取り出し済みの強化デミワイバーン、デミワイバーン、ビッグプテラン二匹、プテラン一匹に鳥魔獣三匹を練習場の床に出した。

 ちなみにミニシーサーペントだけは大きすぎてアイテムボックスの中に収めたままで、

「これ引き取ってもらいたいんだけど。

 あとミニシーサーペントもあるんだけど」

 パパとママが頭を抱えたのは言うまでもない。


 翌日、学校は休校だ。

 そして冒険者ギルド長のボランドリーさんに、ニガッテさん、それにその他職員が来て魔獣の引き取りに来た。

 処理してもらったのはビッグプテラン二匹、プテラン一匹に鳥魔獣三匹だ。

 それでも相当の騒ぎになってしまった。

 ボランドリーさんとニガッテさんは誰が狩ったのか想像がつくようで、立ち会っていた僕に目配せをしてきた。


 結局学校再開は来週、二月七日赤曜日からと市のアナウンスがあった。


 また魔法陣作りを開始した。


  ◇ ◇ ◇


 黒曜日の夕食時にパパから情報を教えてもらった。

 今回のモンスタースタンピードで亡くなった人は概ね五七〇人ほどで、そのほとんどが戦闘奴隷だけど、警備兵や市民(冒険者や自警団も含む)も四五人ほど犠牲者が出たそうだ。

 特に中央広場が激戦だったそうだ。

 怪我人になると一四〇〇人ほどだそうだ。

 ただし軽い怪我。逃げ惑う時に転んでどこそこを打ったなどの、打ち身やちょっとした切り傷程度など、治療院や警備隊、冒険者ギルドでの治療を受けていない人の集計ができないのは当然のことだ。


 それらの埋め合わせや、補償は倒した魔獣の魔獣石や素材を換金して行われる。

 もちろん破壊された建物や城壁に、魔導砲などの兵器もだ。


 そしてモンスタースタンピードは世界各地で発生したそうだ。

 パパがつかんだ情報だと、マリオン国のあるアーノルド大陸と、フォアノルン伯父様の住むヴェネチアン国が存在しているバルハ大陸で、規模の大小はあれ、確実に発生した場所が四一か所。

 不確定だが発生したと思われる場所が一八か所だそうだ。

 そのうちの一か所では、モンスタースタンピード中に浮遊島テミスが落下して、防衛機能に多大な被害が発生して、都市が魔獣に蹂躙(じゅうりん)されて壊滅したそうだ。

 マリオン国でもキュベレー山脈で小規模のモンスタースタンピードが発生して街が襲われたんだけど、城壁にはばまれ、城壁の被害は在ったものの、街中の被害はほぼ皆無だったそうだ。

 その他にも海魔獣の異様な興奮が目撃されたりもしたそうだ。


 魔大陸では新たな浮遊島が発生したとのうわさが広まっているんだそうだ。


 その他の大陸の情報はないけど、全七大陸で同様に発生したとして三.五倍になる。あ、面積で考えるとどのくらいになるんだろう。

 人の住む大陸はそのうちの五つで、二つの魔大陸のデビルズ大陸と北極大陸は同じレベルで考えていいものだろうか、想像できない。


 やはり大災厄の影響なのだろう。

 早めに収束条件なんかを調べておいた方がいいのかな。


  ◇ ◇ ◇


 時空魔法の魔法陣を作成し終わった時点で、城壁周辺からララ草原横の道に『隠形』を行ってから<テレポート>で飛んでみた。


 周囲には人も魔獣もいない。

 テレポートで一旦切れた隠形が、再度発動する。

 テレポートってすべての魔法を一旦解除しちゃう。そういったところが厄介だ。


 ちなみにかなり後に、魔獣が居るかもしれない未確認な場所へのテレポートにヒヤリと汗がにじみ思い返すことになる。


 城壁の西南側や、土壁などの激戦地帯以外は特に変わり映えしない風景にホッとしたような、ガッカリしたような微妙な気分だった。

 ただどこでも警備兵が戦闘の後処理に追われ、また隊を組んで警邏していた。


 時には黙とうする警備兵もいて、痛ましい戦闘が繰り広げられていたことを物語っていた。


 それにしても魔法値が“678”にもなったものだから使い切るのが大変な事。

 ただ、いいことが“0”になっても大して気持ち悪くならなくなったことだ。


 他にもうれしいことがあった。

 魔法回路だけど、レベル14だと本来のサイズは縦横一五〇センチメルなんだけど。

 それが四〇センチメル程度に縮小することができるようになったことだ。

 もちろん縦横は同一サイズの正方形で、魔法陣より小さくはできない。


おかげさまで、モンスタースタンピードが書き上がりました。

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