43. やることがいっぱいです
一五月二二日緑曜日、今日は剣の稽古は無し。午前中から狩りに来た。
今日は僕・エルガさん・リエッタさんの三人だけでなく、ヒーナ先生も入って四人だ。
場所はいつものララ草原だ。
人気のない場所を探して、魔導車を止めた。
ボティス密林とはかなり距離がある。
いつもと違うのはヒーナ先生だけじゃない。
索敵を覚えるためだけに、ボティス密林に近づいて、やみくもに狩りをするのも危険すぎるということで、ある試みをやってみることになった。
「この辺でいいでしょう。それでは始めてください」
「はい」
それは以前魔素を見るためにと学んだ“瞑想魔素認識法”だ。
「索敵ってどうやって覚えたの?」
家でヒーナ先生に訊ねたら、
「スキルって狙って取れるものではありません」
「……」
どうやら目的が見え見えだったみたいで、言葉に詰まってしまった。
「瞑想魔素認識法ですね」
「はい?」
脱力気味に、肩を落としながらヒーナ先生が教えてくれたが、僕はよく理解できなかった。
「覚えていませんか? 瞑想魔素認識法です」
「ああ、思い出しました」
僕が魔力眼に目覚めるきっかけになった訓練法だ。
で、このようになった。
僕はレジャーシートとクッションを出して、ゆったりと寛いで座る。
精神を集中するも集中させ過ぎず、意識も体内と周囲に溶け込むように、そして穏やかに大きく広げる。静かに周囲の魔素や魔法力を感る。
鑑定、看破、魔力眼、魔素感知があるから周囲の生体反応が認識できるし、魔素や魔法力は簡単に見えるし感じるが、意識下の感覚をより鮮明にするためにするために眼をつむる。
皮膚感覚、それに意識そのもので魔素や魔法だけでなく生命反応そのものを感じ取る訓練だ。
目をつぶったことで、より鋭敏になったけど、この感覚はここ最近感じてる魔素感知による感覚に気がして仕方がなかった。
僕の警護で周囲を固めるエルガさん、リエッタさん、ヒーナ先生が歩き回るのが感じられる。
思ったより簡単に生体反応が感じられるが、索敵ゲットはそう簡単にはいかなそうだ、……て、瞑想、迷走、オッと、瞑想。
この感覚が毒ヤスデとピンポンか。
さすがにバッタまではわからないけど、地面に、草や木もなんとなく認識できる。……のか。
随分、集中しないといけないけど。
面白かったけど、なんか、暇。
まだまだ、暇。
あれ? なんか近づいてくる? それと変な感じ……、この感じ、この感覚って……、あっ、あいつだ。
僕は体内の魔法力を活性化させ、幻惑耐性に意識を注ぐ。
しっかりと幻惑耐性の感覚をつかむと目を開けた。
案の定、右手斜め前方から身を低く、茂みに隠れるようにファントムキャットが忍び寄っている。
見ないように、
<メニークロッド><ストーム>
一気に魔法力を注ぎ込む。発動場所は右斜め上方。いくつもの岩の塊をできるだけ集約して、狙いはファントムキャット。
ドドドドドド……。
ギャー…ッ。
草の上をダッシュで駆け、ファントムキャットにキチンナイフを突き刺した。
「…あ、セージ君、よくやってくれました。ありがとうございます」
多少なりとも耐性のあるリエッタさんが、まずは気づいて、お礼を言う。
「やっと反撃できました」
<メガコールド>で凍らせて、アイテムボックスに。
リエッタさんが声を掛けながら揺すると、エルガさん、そしてヒーナ先生が簡単に覚醒する。
状況説明を行うと、エルガさんが叫んだ。
「もう、索敵スキルを取得しちゃったの⁉」
一応、『個人情報』で、ヤッパリ無い。
『収納』
「ううん、まだ。今のはただ単に魔素の動きでわかっただけ」
あ、眠らないとわからないから無理だ。
まあ、いいか。
「そりゃ、そうか」
エルガさん、何もおもむろにガッカリ感一二〇%って、もろわかりの顔にならなくても。
「エルガさん、いくらセージ君が非常識でも、流石にそれは」
ほら、ヒーナ先生に肘でチョンと突かれた。って、な、なんですか、その理由は…。
「ヒーナ先生!」
「あ、セージ君、申し訳ありません」
ほんとにもう。どっちが失礼なんだか。
「みなさん、少々休憩にしましょう」
「うん、それがいい」
警戒って神経すり減らすし、そんなに長く緊張を保ってられない。
ましてや初めての警護だ。その隙をファントムキャットに突かれたんだろう。
マットの上に、持ってきたというか、アイテムボックスに入れてきた菓子とお茶を広げ、休憩した。
軽く狩りをして、昼食をはさんで再度“瞑想魔素認識法”。
もう一度狩りをして、ミリア姉が帰宅する頃に合わせて帰宅した。
魔導車で眠っての帰宅だったけど、索敵は取得できなかった。
ちなみに凍らせた肉は後処理が大変だそうで、冷蔵でお願いされた。
きっと火魔法のレベル5のハイコールドによる氷温程度が一番いいみたい。
あと、ノルンバック・ウインダムス魔獣対策魔道具研究所(N・W魔研)の所員になったことで、所員待遇で処理できるようになった。
要は、会社内の内部処理が可能になったということで、仕入れとしての処理が不要ってことだ。それでもなにがしかの税金は支払うそうだけど。
◇ ◇ ◇
一五月二三日黄曜日、ママと一緒にウインダムス邸に挨拶と訓練に来た。
まあ、エルガさんにとっては遊びにだけど。
「おはようございます。お忙しい中おじゃまします」
「おじちゃーん。おはよー。あれいないの?」
同行者は僕にエルガさんとリエッタさんだ。
ミクちゃんのパパにも挨拶して、緊張して、何故か変な汗もかいた。
だって、ミクちゃんがニコニコしながら「セージちゃんって、魔法もすごいし、強いし、かっこいいの」ってパパさんに紹介されてしまったんだ。
かっこいいって誰のことだよ。
ママは、ミクちゃんのパパさんとママさんと引き続きお話しするそうだ。
エルガさんはリエッタさんを引き連れて、魔電装置に夢中だ。勝手知ったる何とかだ。
ミクちゃんの祖母のウインダムス議員は、朝から僕のパパと一緒に議員の仕事で出かけている。
室内練習場でミクちゃんと魔法と剣の練習を行った。
レイベさんが監視役で一緒だ。
そして、試しというかレイベさんにチョットお願いして、剣の訓練を受けたことは内緒だ。
違う人と練習するのは新鮮だし、ミクがキラキラした目で見学していたのでちょっと照れた。
レイベさんは体さばき、体の動かし方が綺麗というか優雅で、無駄がなくって感心しちゃった。
「ねえ、またお手本見せて」
「うん、いいよ、<ウォーター>」
現在は魔法の訓練になっている。
「キレイ」
パチパチパチ、とめくが手を叩く。
僕の水球は真球に近く、ミクちゃんのお気に入りのようだ。
あまり長く保ってるのは大変だあら<解除>すると、ミクちゃんが残念そうだ。
「じゃあ、ミクちゃんだね」
「うん…ねえ」
「何?」
「て……」
「て?」
「手をにぎっててくれる…」
「手…うん、いいよ」
ミクちゃんが差し出す左手を僕は、チョット恥ずかしかったけど、そういえば手をつないで歩いているし、と思って握る。
ミクちゃんは右手を前に突き出し精神を集中する。
うまく行け! 僕は祈る。
「……<ウォーター>」
おお、一昨日より随分安定した水球だ。
僕の水球より小さいのは魔法力のせいだと思うけど、形に歪みが少なく、真ん丸といってもいいほどだ。
「すごーい。真ん丸だ」
水球は用意されたタライの中に落ちる。
僕は感嘆の褒め言葉に、ミクちゃんが恥じらう。
「あ、ありがとう」
「うん、よかったね」
「ミクちゃん、よかったですよ。今までで最高の魔法です。そのままもう一度行ってみましょう」
「はい」
最高でよかったけど、ミクちゃんが手を放してくれません。
えーと、レイベさん、ニヨニヨしないでください! と、心の中で叫ぶ。
ミクちゃんがもう一度右手を前に突き出し精神集中を開始する。
僕ももう一度うまくいくように、願いを込めるが……あれ、ミクちゃんの中の魔法力や魔素がなんとなく認識できた……ような?
「……<ウォーター>」
水球が出現したけど、先ほどの物より少し不安定だ。
「…うまくいったね」
「う、うん、ありがとう」
ほめるがチョットためらってしまった。
ミクちゃんの体内の魔法力や魔素を、僕の感覚で乱してしまったんじゃないのか。ごめん。
だからかミクも不満そうだ。
「ミクさん、先ほどのもよかったですよ。今日は調子良さそうですね。
体調は悪くありませんか? 気持ち悪くなったりは?」
「大丈夫です」
「それでは、もう一度。セージ君も応援よろしくお願いします」
「は、はい」
レイベさん! ほんとにもう。
しかたない、今度はミクちゃんの魔法力や魔素を乱さないように冷静に、と。
ミクちゃんが精神集中を開始する。
あれ、チョット魔法力や魔素に乱れ、というか、淀みのようなものが……。
そこがスムーズになれば、と思うと、魔法力や魔素が動き出す。
綺麗に右手に魔法力が流れていく。
あれ、僕の干渉なの、と一瞬思うが、ミクちゃんの魔法力を乱してはと思って、心を落ち着ける。
手をつないでいる所為か、ミクちゃんの魔法回路が良く見える。
「<ウォーター>」
右手から魔法陣核に魔法力が流れ込み、水色の魔素が集まり……水球が生み出された。
「綺麗なウォーターだね。真ん丸だ」
ミクちゃんに維持は難しく、直ぐに手からこぼれ、タライに落ちる。
「ありがとう。こんなにうまくいったの初めて」
ミクちゃんも今度は満足そうだ。
うん、よかった。
「セージ君効果ですね。これからはいつもお手てをつないでもらってやりましょうか」
なんてこと言うんですか! レイベさん、眼が笑ってますよ。
「うん、お願い」
「う、うん、い、いいけど」
どうもミクちゃんのお願いモードには逆らえない。
でもデスヨ。レイベさん!
「今日は本当に調子がよさそうですね。顔色も良さそうですし、疲れてないですか? 気持ちも悪くないですか? そうですか、それではもう一度できますか」
「はい」
と、いうことで、もう一度ミクちゃんが精神集中を開始する。
また同じところが、少しだけど淀んでいる。
今度は意識して干渉する。流れろ。
そうすると、綺麗に流れた。
「……<ウォーター>」
うん、綺麗な水球だ。
「やったね。大成功だ」
「うん、ありがとう」
パチパチパチ。レイベさんが拍手する。
「随分安定したようですね。これなら魔法核や魔法回路、それに水魔法がレベル1になるのも直ぐですよ」
ヤッパリそうか。ミクちゃんのレベルは思ってた通りだった。
ミクちゃんの「まだできる」のお願いでもう三回魔法を行使したが、
「体調が悪くなる気配もなく、大丈夫そうですが、これで終わりにしましょう。無理は禁物です」
魔法量の関係で止めたレイベさんは、なんだか不思議そうにミクちゃんを見ていたようだった。
魔法の残量が“5”程度になると体調不良になるそうだが、僕はほぼ“0”にならないとそんなことはない。
レイベさんはそれを心配してのことだと思うが、ミクちゃんの見た目はそのようなことはない。
僕はまだいけそうな気がしたし、ミクちゃんも本当に残念そうだ。
お昼前にママは帰宅した。
僕やエルガさんとリエッタさんはミクちゃん達と一緒にお昼をごちそうになって、午後にはエルガさんに付いて、また説明を聞きながら、魔電装置を見て回った。
面白かったし、勉強になった。
何より念願がかなって満足だった。
「なんであんたがここにいるのよ!」
突然、いつの間にか帰宅していたロビンちゃんに肩をつかまれ振り向かされた。
「ロビンさん! その態度は何ですか。ちゃんと謝ってから挨拶なさい」
すかさずエルガさんを見守りながら店番をしていたマールさんに叱られ、
「ごめんなさい。それでどうしてセージ…君がここにいるの…ですか」
渋々と謝罪に挨拶があった。
「お母さんとミクが、伯爵令嬢であるエルガさんのお手伝いをすることになりました」
ロビンちゃんがマールさんの示す、ぼさぼさ頭にツナギ姿で魔電装置に夢中になっているエルガさんに驚きを示す。
エルガさんは相変わらず夢中で、何やらいじっている。
「セージ君もそのお手伝いをしているからです。失礼は許しませんよ」
「はーい」
ロビンちゃんはできるだけだが、更なる不満を表して返事を返す。
店で僕たちを観察するロビンちゃんが、再度僕の肩をつかみ振り向かせる。
「セージ……君、チョット付き合いなさい」
「え、なんで、ヤダヨ!」
変な要求に、思わず拒絶してしまう。
「いいから、来なさい……いえ、お願いチョット来て……ください」
マールさんは接客中だ。
それでもマールさんの目があるから変なことはしないだろうと、しかたがないから付いていく。
ミクちゃんも心配そうだ。
店の隅でロビンが真剣に、そして小声でささやいてきた。
「ねえ、なんであんなに魔法が使えるの? どうやって練習したの? 私も覚えられる?」
「えーと……、ミリア姉にも聞かれたんだけど、よくわかんないだ」
言葉は違えどロビンちゃんは、姉のミリアと思いは一緒だ。
チート過ぎる僕に答えを返せるはずもない。
「それじゃあ、身体魔法はどうやったら覚えられる。セージはどうやって覚えたの」
「それは……」
「それは」
ロビンちゃんの先見なまなざしから、生半可な言い訳じゃダメだろう。
「僕は、魔素や魔法力の流れが見えるんだ」
「ほ、ホント?」
「うん。それで魔法が上手な人が魔素や魔法力をどうやって扱っているかよく観察して、それと同じように魔素と魔法力を動かすことを心掛けるようにしたんだ」
ロビンちゃんが考え込む。
「チョット待って、いえ、一緒に来なさい」
何でこんなに偉そうなんだろうと思うが、素直についていく。
「お母さん。私の魔法訓練をセージ君が見たいっていうから、一緒に練習してもいいですか」
接客を終わったマールさんに、ロビンちゃんが話しかけたんだが、オイ、チョット待て。
「セージ君、それ本当?」
マールさんの横でロビンちゃんがチョット拝むような恰好をしてくる。
「え、ええ、まあ、人の魔法の訓練を見てみたいあかなー、って思ったりして……」
「セージ君、いやなら、…いいえ、私からもお願いしまう。付き合ってあげてください。
ロビン、失礼の無いように。それと無理やり魔法を見せてももらうのも無しです。いいですね」
バレバレです。はい。
「……はい、お母さん。ありがとう。さあ、セージ行くわよ」
チョット困ったかのように戸惑うロビンちゃんだったが、直ぐに気を取り成したようだ。
ミクちゃんのすがるような視線を後に、僕はロビンちゃんに拉致され、練習場に連行された。
マールさんの依頼だと思われるが、レイベさんが駆けつけてくれたので、それほど問題は起きないと思いたい。
ロビンちゃんがレイベさんを忌々しそうに見るが、文句は言わない。
「私が魔法を放つから、魔法力や魔素の扱いにおかしいところ、不味いところが無いか見て頂戴。……お願い……します」
レイベさんを見ると「お任せします」と答えが返ってきた。
「うん。やってみてもいいけど、僕も全部見えるわけじゃないよ。それでいいなら」
「わかったわ。それじゃあ、魔法を放つからよく見てなさいよ」
「うん」
僕は体内の魔法力を高め、看破と魔力眼を完全に発動させる。それとここ最近感じている生体反応・魔法力・魔素などに敏感になっていると思われる、チョット違う感覚が目覚めてきたような気がしていて、それも意識する。
「やるけどいい」
ロビンちゃんは僕の準備を待っていたのか、再度声を掛けてきた。
「うん」
ロビンが精神集中を開始する。
「『ロック』」
右手に土魔法のレベル2、岩生成の魔法回路を呼び出す。
魔法回路は三〇センチメルほどあるから、レベル2に届いていそうだ。
見る間に体内の魔法力と魔素が活性していく。それがユックリと心臓に集まっていく。
一定量の魔法力が溜まると、それが右手に流れ込む。
「<ロック>」
魔法陣核に魔法力が流れ、土魔素が魔法陣に展開する。
魔法陣が周囲の魔素も取り込んで、かなり小さな岩が出現する。
その岩が床に落ちてゴトリと音がする。
「どうだった」
「うーん」
レイベさんを見ると、
「見えたこと、思ったことをそのまま伝えてください」
「えー……」
「何かにつけて物をはっきりと言うロビンさんですが、人を恨むようなことはありませんから大丈夫です。……チョットだけですが対抗心が強いのはありますが」
僕が逡巡してるとレイベさんが更なる言葉を掛けてくれた。しかも最後の言葉は耳元でコッソリとだ。
それってこれからも絡まれるってことだよね。
すこしだけ、げんなりとしたが、覚悟を決めた。
「必要な魔法力を自分の魔法核に集めるのが遅く、時間が掛かってたよね。
それと集めた魔法力を右手に流すときに、魔法力が拡散してしまって必要量が魔法陣核に流れてないみたい」
ロビンちゃんを見ていると、ミクちゃんと姉妹だってわかる。
ミクちゃんと同じ個所で、魔法力の流れに淀みがあって、うまく流れず散っていたからだ。
魔素が見えない人には魔素のことを告げても理解できないという、ヒーナ先生の助言に従い。魔素については言わないことにした。
それは魔法を極めていく過程で、必然的に身につけるしかないからだ。
「それってどの辺なの? それとも全体ってこと?」
「……多分だけど、右肩から腕のこの辺にかけてかな」
肩からひじのチョット上あたりまでだと指で指す。
「ねえ、セージは土魔法はできる?」
「う、うん」
「一回見せてくれない。一回だけでいいから」
「いいよ」
僕はロビンちゃんから少し離れ、右手に魔法陣だけを呼び出し、
「<ロック>」
岩を瞬く間に、そしてスムーズに生成した。
レベル2の魔法だと、簡単に発動できる。魔法力や魔素を集める時間も瞬間で済む。
ゴトリと岩が床に落ちる。ロビンの小さな岩と比較すると直径で倍程度、表面も滑らかだ。
ロビンちゃんが自分の岩と、僕の岩を見比べ驚いている。
もう一度ロビンちゃんの魔法を見て、同じことを告げ、レイベさんの助言もあって僕は解放された。
◇ ◇ ◇
その後も、狩りは一日おきで、索敵ゲットを目指してララ草原に。
マットを敷いてクッションを置いて“瞑想魔素認識法”を行い、飽きや疲労で狩りとなる。
お弁当の昼食をはさんで、同じことを繰り返す。
ミリア姉の教育も行っているヒーナ先生もいるので、基本午後三時ころには帰宅だ。
とはいっても雨天もあるから、そんなときには僕の家やミクちゃんの家で訓練することになっていて、狩りと僕の家での訓練を入れ替えた日もあった。
狩りに行かない日は、僕やミクちゃんの家で時たま海で訓練したり、マジカルボックスの勉強をしたり、遊んだり、ショッピングで出歩いたりとなっていた。
そしてミリア姉やロビンちゃんに絡まれ、捕まってしまうこともあった。
そのような中、一六月一日赤曜日にはオルジ兄の卒業式も無事執り行われた。