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次元災害で異世界へ  作者: 真草康
デビルズ大陸調査編
170/181

166. デビルズ大陸 調査開始


 五月二日青曜日、早朝に再度地震が発生して調査隊は緊張の連続だった。


「調査初日だ、気を抜かず不測の事態を考えながら行動するように」

 フォアノルン伯爵、伯父様の訓示で調査隊が出発した。


 二つの城門には仮設の橋が掛けられていて掘りを渡る。

 壊れた跳ね橋の部分に丸木橋を渡しただけの簡素な橋だ。


 川を渡るのは<フライ>であっという間だし、調査チームに所属している人でフライを使えない人はいないそうだけど工兵の仕事だそうだ。


 各部隊は小型近距離電話(マジカルフォン)の携帯が義務付けられているのでいざとなった時の連絡は可能だ。


 僕たちのチームはノコージさんと僕が小型近距離電話(マジカルフォン)――僕はN・W魔研製のミニミニフォンだけど――を個人で持っているので通信用のシンクロ魔石をもらっている。

 あとは渡されたヴェネチアン国製の魔導アンテナを使うと通信距離が二七~八キロほどになるそうだ。


 僕・ミクちゃん・ノコージさんでポインティングディバイスを僕たちの拠点の木造家屋にセッティングして調査に出かける。

 国家を上げての調査なのでポインティングディバイスもふんだんに使用できるから気が楽だ。


 城壁を越えるとうっそうとしたジャングルだ。

 水も豊富にあるので納得の環境だけど蒸し暑いのは嫌だ。


 幸いレベルアップによる細胞強化で蚊などには刺されないから、感染症などの心配は水や生ものだけを気を付ければ大丈夫だろう。


 海上からも負の濃度は上がっていたがジャングルに入ると、


「負の魔素と魔法量が一気に濃くなったね」

「これだけ濃いのはダンジョンの最下層並みだね」

「ということは強さ“100”以上が出るってことか」

「可能性的にはあるんじゃないかな」


 先行するのはワンダースリーの三人とラーダルットさんで、僕らはその後についてジャングルに入った。

 しんがりはガイアディアさんが守ってくれている。


「プコチカさん、その右手奥に二匹です」

「ああ、自分の方でも確認できた」


 ジャングルに入る前からレーダーに引っかかっていた猛毒キノコ魔獣のポイズンマタンゴだ。

 トリフィド系と一緒で三本足(?)で歩いて、錯乱と腐食を招く神経猛毒胞子を風魔法でまき散らしてくるから始末に負えない。

 耐性が無ければ意味即効性の麻薬といえるかもしれないが、神経を冒されながら息絶える、肉体は見る間に腐敗して、栄養を吸収するのがポイズンマタンゴだ。

 何ともおぞましいキノコ魔獣だ。


 それがざっと三〇匹程広域のレーダーで引っかかたんだ。

 強さ自体はたいしたことはなさそうだけど猛毒の所為だと思われるが他の魔獣がほとんどいない。

 まあ、猛毒持ちの蛇にトカゲに蜘蛛などの魔獣、それに毒耐性のある小動物や昆虫は除外してってことだけど。


「<ホーリースプラッシュ><ホーリースプラッシュ>」

「<ストーンバレット>」

 僕の魔法とともにノコージさんが止めを刺す。

 どうやらストーンバレットは個人魔法で強化しているみたいだ。

 ポチットムービーで録画も忘れない。


 ホーリーフスプラッシュは浄化水の散布魔法で、空中の猛毒胞子を無力化し、地面に落とすためのでもある。


 ポイズンマタンゴの多さに調査員だけでなく光魔法を持っている兵士も含め、手分けして周辺のポイズンマタンゴの撲滅と浄化を行うこととなった。


 以前セージたちが報告した負の魔素や魔法力の影響を無くすために光魔法が有効という情報で、調査員の中に必ず複数人の光魔法の所持者がいるし兵士の多くも光魔法所持者が多い。

 撲滅と浄化作業はスムーズに行われたが、半径二キロほどの浄化が完了したのが午後遅くだった。


 その後に二キロの外側を若干調査――ポイズンマタンゴはまだ居たが――してその日の調査は終了した。


 ポイズンマタンゴはじめじめした熱帯のジャングルの中でも湿気の多い場所を好むことも判明した。


 それとデビルズ大陸の魔獣は“欺瞞”みたいなスキルがあるのだろうか?

 ポイズンマタンゴの魔獣を何度看破しても強さやスキルが曖昧にしか把握できない。

 最初は負の魔素と魔法力が高濃度からだと思ったし、知識に無さの相乗効果だと思ったけど、何体倒しても看破の結果に変化がない。

 どうもそれだけじゃないような気がする。

 デビルズ大陸効果なんてのを思ってしまう。

 それと日中にも二度地震があった。アーノルド大陸やバルハ大陸より地震が多いんじゃないかな。


  ◇ ◇ ◇


 五月三日黄曜日、ようやく本格的な調査の開始となった。

 ちなも身に夜中にまたも地震があった。


 僕・ミクちゃん・ノコージさんのポインティングディバイスを改めて魔法力を込める。


「それじゃあ、がんばっていくか」

 プコチカさんの何とも閉まらない掛け声で出発する。


「セージスタは索敵頼むぞ」

「はーい」


 戦闘はプコチカさん率いるワンダースリーで、この変の地理には詳しくないといいながらもデビルズ大陸の経験を買われてラーダルットさんが補佐につく。

 僕たち子ども四人――セージ、ミク・絵ウード・キフィアーナ――がその後をついて、しんがりがガイアディアさんだ。


 空中の毒がほとんど消えたので、早くも通常の鳥と鳥魔獣がジャングルと空に戻ってきている。


 すでに道がうっそうとした樹木に覆われていて道じゃなくなっている場所を魔法、主に<ホーリーソーラーレイ>で薙ぎ払って進む。

 太い木――元街道上にはほとんどないが――はボコシラさんが遊び半分、剣で切り倒している。

 毒の植物は薬草で利用できるもの以外は火魔法で焼却処分だ。

 僕たちはポインティングディバイスで正確にテレポートで帰還できるが、魔導車の運用も考えてってことだ。


 危険なデビルズ大陸でそんなに遠くに行ける訳じゃない。

 鉱山の町は、街道から途中でそれてギルガメッシュ山脈に分け入ったところだ。

 道のりで一八キロほどだが直線距離だと一五キロほど、近距離電話(マジカルフォン)で連絡が届く距離だ。


 特に目的が定められた調査ではないが僕たちのパーティー(チーム)は山脈付近の調査ってことで、鉱山の町を目標にしたってだけだ。

 もちろん超が付く危険な魔獣を発見したら身の保全を第一優先にして、逃走を心掛けることが義務付けられているけど、僕たちチームは空間魔法持ちが三人もいてテレポートが可能なので、一番遠くの調査を仰せつかったってことだ。


 トライランスブッシュキャット、グリーンオーガ、メタルヘッドホッグ、ブラックフォグウルフ、キングバイパーなどとと遭遇してデビルズ大陸を恐々とだが堪能しながら九キロほど、ポイズンマタンゴを狩り終えた三キロの範囲からすれば六キロほど進んだ。


 困ったことに看破が相変わらずあまり役に立たないんだ。

 強さの数値が範囲的に表示され、しかも数値がはまちまちで判別ができないんだ。

 看破を鍛えればいいのか、別のスキルを取得すればいいのか、デビルズ大陸効果を疑ってしまう。

 それと体感的だけど魔獣図鑑に書かれている強さよりも、魔獣が強い気がする。

 やはり負の魔素と魔法力の所為なんだろうか。


 途中、プコチカさんが近距離電話(マジカルフォン)で何度か状況報告もしている。

 僕たちもミニミニフォンの具合を確かめるために報告めいたことも行った。


 順調に調査が進み、昼食を摂ろうとしていた矢先だ。


「距離四五〇メル。ティラレックスとステドラスが向こうの方で戦ってるよ」

 僕は進行方向の左斜め前方を指さす。

 アーノルド大陸やバルハ大陸では見たことも聞いたこともない魔獣だ。


 どちらも大型恐竜といった様相の超大型魔獣だ。

 空間認識で確認するとティラレックスが二足歩行で背びれが付いてTレックスというよりゴジラみたいだ。牙も爪も長い。

 興奮すると体に熱をオブ、熱戦のようなブレスを吐く。

 体長は七メル、尻尾まで入れると一二メルほどもある。


 ステドラスはステゴザウルスに近いが二本の長い角と牙固いうろこ状の表皮はとてつもなく頑丈だ。

 体のうろこを刃のように飛ばして相手を切る。もちろん角や牙も鋭く、尻尾にもとげがあるところは本当にステゴザウルスだ。


 とにかく両方ともまがまがしい魔獣ということに変わりわない。

 索敵で見た強さも“140”~“300”程と曖昧以前の問題だ。

 見た目は当然僕より強いそうってことは分かるけど、正確なところは皆目不明だ。

「強さは分かる?」

「ううん、全然」

「無理」

 みんなにも聞いたけど同様だった。


 ちなみに水分を多く含んだ森は燃えにくく、尚且つ炎だけでなく熱に耐性のある植物が多く、一般の植物も炎や熱に耐性がある。


 濃厚な魔素や魔法力の影響かもしれないけど、さすがデビルズ大陸の恐るべし。


 二、三分に一回ほど空間認識を伸長して振り回すのはいつものことだ。

 現在はあまり無理をしなくとも八〇〇メルほど、無理をすれば一キロほどまで確認できるが、負の魔素と魔法力の充満するデビルズ大陸の奥に侵入したら予想通り不安定になって現在は五~六〇〇メルがいいところだ。

 それも距離によって曖昧さが増すので四五〇メル程から先は強い魔獣が居るって程度だ。

 僕がギリギリ確認できた程度だからみんなには無理なんじゃないかな。


「戻るか」

「「はい」」

「えー!」

「キフィは文句言うな」


 危険は禁物。

<ホワイトホール>で一気にグラナダ街に転移する。


 元商船ギルドのビルのデビルズ大陸調査本部に報告する。

 これだけ頻繁に戻れるチームは他にはいないが、他に二チームが戻ってきた。

 あとはマジカルフォンによる報告となる。


 昼食後は川沿いを調査して、早めに引き上げた。

 報告は各隊の隊長が行うのでプコチカさんとガイアディアさんにおんぶに抱っこだ。


 報告の終わったプコチカさんとガイアディアさんから、明日の予定に変更が無いこと、他のチームも恐竜タイプの超巨大な魔獣を発見したことや、僕たちが出会ったトライランスブッシュキャット、グリーンオーガ、メタルヘッドホッグなどは頻繁に遭遇することなどを聞く。


「アーノルド大陸やバルハ大陸とは危険度が大きく違うね」

「セージちゃんは挑まないでよね」

「あ、当たり前だろう」

「あやしい」

「セージだもの」

「やりそう」


 ち、違うから。

 否定しても無駄だと思って声には出さなかった。


 調査チームに夜番はないからグッスリと就寝だ、というかテレポートで帰ってこられるのは僕らしかいない。


 あ、ミニミニフォンの充魔電も忘れずにっと。


 結局今日も四回の地震だ。

 それと夕立と雷があった。

 地震だけでなく天候不順もあるようだ。


  ◇ ◇ ◇


 五月四日緑曜日朝。

「まずはワシが確認してからじゃ」

 ノコージさんがポインティングディバイスに<テレポート>で昨日の元街道の調査地点に跳ぶ。


『大丈夫だ。来てくれ』

『了解』

『そっちの声もよく聞こえる』


 ミニミニフォンの動作確認もOKだ。


 ミクちゃんと一緒に<ホワイトホール>で八人一緒に跳ぶ。


<ホーリーフラッシュ>


 昨日浄化した負の魔素や魔法力が復活している。


「ティラレックスとステドラスはいないし、死骸も無いようです」

 決着がつかなかったのか、戦いの場所が移動していった可能性もあるし、死骸を移動した可能性もある。

 何にしても危険は去ったようだ。


 樹木を魔法と剣で薙ぎ払って進む。

 今日も見かけたことのない魔獣と随分と遭遇する。

 全てを狩るわけじゃないけど遭遇した魔獣――レッドバトルキャット、サーベルブッシュホッグ、キラーバード、シルバーデビル(虎)など――はこのメンバーなら基本問題ない。


 距離は更に進んで一二キロ地点。

 ギルガメッシュ山脈との岐路となる地点は草原のようだ。

 そこにポインティングディバイスを設置して昼食を摂りに一旦帰還する。


 長めの食事と休憩をとってまた戻る。

 ちなみに食事は自分たちで作るならそれでよし。

 ヴェネチアン国が用意した調査や兵士など誰でも食べられる商船ギルドビルの簡易食堂で食べてもいいので、そちらを利用している。


 魔獣との遭遇は相変わらずだが、草原をしばらく進むと緩やかな登りとなりまたジャングルとなった。

 途中つづら折りの滑らかな坂を突っ切る急坂の階段――石段が残っていた――を上ったこともあり、一六キロほど進んで現在地は大雑把な地図からすると標高三〇〇メルとなっているが、変化のない樹木で実感がない。


 デスストーカー(巨大毒サソリ)や岩石トカゲなどの初遭遇の魔獣もいたが、標高三〇〇メルほどじゃ魔獣に変化はない。


 しばらく進んで少し開けた場所を発見。

「今日はここまででいいだろう」

 本日の調査は終了となった。


 ヴェネチアン国、マリオン国、ロト国などの各本部は各調査チームと連絡を取り合っているが、看破の曖昧さに対策がうちだせないでいる。


  ◇ ◇ ◇


 五月五日白曜日。

 浮遊島のアナトが近くまで来ている。

 周囲を取り巻く薄っすらとした薄紫色の発光現象も確認できる。


「浮遊島の真下付近だと魔法が乱れたり体が浮き上がったりする時があるから気を付けるのじゃぞ」

「そんなこと聞いたことないけど」

「デビルズ大陸だけで発生するとされている現象で、わしも一度魔法が上手く使えなくなったことがあるのじゃ」

 ノコージさんからみんなに注意があった。本当だろうか。


 炭鉱の町まで来たが特に変化はない。

 町は荒れ果て見る影もないが想定内だ。


 途中が、薬草が多く採れた。

 解熱作用や、消炎作用に使えるものや傷などの塗り薬の元となるものだ。

 疲労回復用の幻の樹とされるマギマギの樹も発見したけど、薬用成分があるのは樹液だ。

 採取する時間は無いのでスルーと思ったが、しみ出した樹液の塊りを発見、やったねとそれだけはゲットした。

 効果は神寿樹からはかなり劣るが、樹液をルルドの泉の水と合わせれば効果の高い回復キャンデイーが作れると思う。


「そろそろ引き上がるか」

 昼を周ってプコチカさんが終了を告げた時。


「ヒッポグリフ発見」

 斜め上空六〇〇メル先に三匹のヒッポグリフを指さした。

 恐竜の二匹に匹敵する強さだとおもわれるんだけど、強さは“120”~“300”程と相変わらず全然わからないんだ。

 それらが半人半蜘蛛のアラクネー、それも珍しいホワイトアラクネー――こちらも強さは曖昧だ――を襲って怪我をさせたのか。

 弱ったと思われるホワイトアラクネーを追いかけている。

 そのまま進めばここに来そうだ。


「急いで戻るぞ!」

「やる!」

「ボコシラ、緊急退避で足止めはいらん」

「残念」

 僕たちは<テレポート>で緊急退避した。


 今日の調査は終了となった。


 報告会から戻ったプコチカさんとガイアディアさんに現在までの結果を聞くと。


「大災厄が始まってから明らかに負の魔素と魔法力の濃度は濃くなっていて、魔獣も強力になったし、その強力な魔獣が増えたようだ」

「ワシが修行した時よりも強力な魔獣もいるしな。奥に入ればもっと危険な魔獣がいるじゃろう」


「明日は街道の奥に行ってみることになった。

 ことによったらマジカルフォンの通信限界距離ギリギリまで行くことになるが問題はないか」


 できるだけ広範囲に調査して魔獣をできるだけ洗い出したいみたいだ。

 それとできればダンジョンまでもって話もあるけど、今回の調査でそこまでは手が回らないだろう。


「僕は特に、ミクちゃんやルードちゃんにキフィアーナちゃんは大丈夫」

「セージちゃんと一緒なら」

「ウチも同じだ」

「何処にだって行くわよ」


「明日は黒曜日だ。休憩をとって休むっていうことも有りだぞ」


「るときには一気にやった方がいいと思うんだけど」

「私も」「ウチも」「疲れてないし」


 明日も調査ということになった。


  ◇ ◇ ◇


「ルードちゃんどう?」

「なにが」

 デビルズ大陸が想像と違ったんじゃないかな。なんだか元気がない。

 ラーダルットさんもくらい表情だった。


「…なにがって…((てっ)!)」

「ルードちゃんは、これからどうやってデビルズ大陸(ここ)を住みやすくしたいの。

 私たちも手伝うよ」

 ミクちゃんに肘鉄を食らってしまった。

 黙っておきなさいよ、とでも言わん顔でにらまれた。


 物心が付くか付かないころだけど、デビルズ大陸に住んでいたはずだ。

 それだけ思入れがあるってことだろう。


「ミクありがとう。…それとセージにも一応感謝しとくわ」


「…ゴメン」

「あやまるな!」


「…ご(…てっ)」

 改めて頭を下げようとしたら、また肘鉄を食らいました。


「がんばって大災厄を終わらせようね」

「ああ、そうだな」


  ◇ ◇ ◇


 五月六日黒曜日。

「体調不良や、疲れているやつはいないか。

 …よし、ノコージ行ってくれ」


 先行したノコージさんからミニミニフォンに連絡が入って、僕とミクちゃんで<テレポート>で全員を転移させる。


 浮遊島のアナトはほぼ真上だ。

 元街道の分岐点から元街道の通りに草原を進んでいく。

「武装魔導車で行けそうなんだけど」

「このぼうぼうの草むらをか」

「はい、悪路様にタイヤも大きくして、走破性を良くした武装魔導車です」

「急ぎじゃなく、周囲の調査をしながらだから今は必要ないだろう」

 ってことで徒歩のままだ。

 実際はエルガさんと造り上げた特殊武装魔導車だ。

 せっかくの力作がデビューできない。


 昼食に一旦戻って更に進んでいく。

 思いのほか歩きやすく距離も一八キロとはかどっていたのは、草原の草を<ホーリーソーラーレイ>で簡単にそして一気に遠くまで薙ぎ払えるからだ。

 もちろん魔獣にも遭遇したが、強力な魔獣に遭遇しなかったということもある。


「ステドラス発見、何……あ、エルフを追いかけている。<テレポート>」

「セージちゃん……」

「あのバカ、一人で何処に飛びやがった」


 天人族のプコチカさんが羽を広げて空に飛んだ。

 そして次々にみんなも<フライ>で後に続いた。


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