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次元災害で異世界へ  作者: 真草康
ダンジョン特訓編
118/181

114. 女神様の願い


 一月一四日青曜日。

「おはよう」

「お、おはよう」

「なに? どうしたの」


 今日も里苗未来(ミクちゃん)とお話しあいなんだけど。

 昨日は突然で、勢いもあって普通に話せたけど、いざ知ってた人、里苗未来(さとなえみらい)さんだと思うとしょっぱなから緊張してしまう。

 何でミクちゃんは普通にしてられるんだろう。

「ううん、何でもない」


 思い出話(黒歴史)は封印して、昨日の続きの再確認だ。

 魂魄管理者(女神様)の説明だと一〇才頃に記憶を思い出し、転生時に取得したスキルも発動する。

 ミクちゃんと何度も確認したけど、思い出せないだけかもしれないけど、女神様からは特別な要望はなかった。


 それなのに転生してみると大災厄の真っ最中。


 リエッタさんのママさんの予言だと僕が大災厄を終了することに関係するんだそうだ。


 ウインダムス議員の大災厄の時に特別に強い子供たちが生まれるってことも聞いた。

 僕も歴史書を読んでみたけど、細かなところはわからないけど、そのような事みたいだ。


 でもこれでどうしろって言うんだろう。

 ここまで来たんだからできればだけど、頑張れるっことは頑張りたいと思う。

 ただ、それによって未来ねーちゃん(ミクちゃん)に危ない目に合ってほしくはないんだけど。


 そこでミクちゃんを通してウインダムス議員に、そして僕はパパにお願いしてみることにした。


「ねえ、日本のことはしばらく話さないでおかない…」

 僕は恥ずかしいのと、ダメージ的なこともあって、提案してみた。

「そうだね。いつ誰かに聞かれちゃうかもしれないしね」

 ミクちゃんの思う心配事は違ったけど、それでも了承を得た。

「了解」

 過去の記憶は一応封印することにした。


「でも、時たまでいいけど、話してみたくなった時には、付き合ってね」

「了解。周囲を注意深く確認してならね」

「うん、それでお願い」

 そう、一応の封印ということだ。


  ◇ ◇ ◇


 一月一五日黄曜日。

「パパ、ウインダムス議員(おじさん)、僕とミクちゃん、これからどうしたらいいんでしょう」

 僕もウインダムス議員に、気安くなったものだ。ただしおじいちゃんと呼ぶと怒られちゃうんだけどね。

 でもミクちゃんやロビンちゃんなどの孫からは“おじいさん”でOKなんだ。理不尽だよね。


 ウインダムス議員にはリエッタさんのママさんのお告げを聞いたことも話して、何ができるのか悩んでいることも告げ、訊ねてみた。

 もちろんリエッタさんのテロリストのことを隠してだ。


「直ぐに思いつくのは二つ、大災厄に向けて強くなることと、情報収集だな。

 強くなることはやっておるようだから、テコ入れは情報収集だな」


「ウインダムス議員、何かよい案はあるのですか」


「二つだな」

 ウインダムス議員が、Vサインを作って僕に付きだす。

 二つもなんて、それはナイスだ。


「一つは、わしの知り合いに神のお告げを告げる審神者(さにわ)がおる。

 その者に紹介するから、自分たちで直接会えば、わしが聞いたこと以上のことが聞けるかもしれん」


 ああ、リエッタさんのママさんと同じような人ってことか。


「もう一つは、リエッタ殿の母親に会った方が良いのではないか。それとも何か事情があるのか」


 あ、そういえばギランダー帝国のホンタース元王子のところだから、(はな)から除外してた。

 コッソリとでも聞けないもんかな。

 さすがにエルガさんとリエッタさんの許可がないとウインダムス議員には話ができない。


「少々事情がありまして」


 それで連絡を取ってもらって、翌日オケアノス神社の神職の人と会うことになった。

 それも、僕とミクちゃんにだけという指定があってだ。


  ◇ ◇ ◇


 翌日オケアノス神社に行くと、巫女さんが対応してくれて、僕とミクちゃんは地下にある祭壇のような一室に案内された。


 随分と神聖な場所のようだ。


 そこで待っていたのは、オケアノス祭の時に僕が船に乗ってお迎えとお見送りでお世話になった、あのふくよかで白髭の神主(・・・・・・・・・・)さんだ。


「よく、いらっしゃた。セージスタ・ノルンバック君に、ミクリーナ・ウインダムスさんだね」

「「はい」」


 祭壇横の応接セット。

 ソファに勧められるままに座った。


 お茶とお菓子を勧められ、僕は勧められるままに食べて飲んだけど、ミクちゃんは緊張気味だ。


「わしは、まあ、オケアノス神社のおいぼれ神主(・・・・・・)とでも呼んでくれればよろしい」

 え、そんなんでいいの…⁉

 僕とミクちゃんが驚いてしまう。


「アハハ…困るか。

 そうじゃな、オケアさんとでも呼んどくれ」


 はあ、オケアさんですか。


「それで聞きたいのは、大災厄の話でいいのじゃな」

「あのー、僕たちに話しても大丈夫のですか」


「おいぼれ神主でも、神主でな。『近々来るべき者が来る』との夢を見たのじゃよ。

 夢の中の一人はお主、セージスタ君で、もう一人も魔法展覧武会で見たことのあるお嬢ちゃん、ミクリーナさんじゃったな」


「来るべき人…⁉」


「そうじゃな、代々受け継ぐ語りと、夢によるお告げを受ける一族の一人がわしじゃ。

 中には、神の書物を読み解くものがおると聞いてはおるが、わしにはそこまでの力はない」


「それじゃあ……」


「来るべきもの。“神の御使(みつか)い”になる可能性のある者じゃな」


「「えっ⁉ 神の御使い」」

 思わずミクちゃんと一緒に声が出た。


「別名“神の御子”とも言うがの」

 オケアさんが一人で納得しているのか、ウンウンとうなづいている。


「これからの言葉を聞いたら後へは引き返せぬということじゃ。

 それに御使いになる可能性のある者は、直接話を聞くことにもなると聞いておるから、どちらにしても一緒じゃ」


 どっちにしても逃げられないってこと。チョットムチャクチャじゃない。


「ここに立ってくだされ」

 今度は祭壇の前だ。

 ミクちゃんと手をつないで立つ。

 なんだか不安だ。

 オケアさんが、何やら印を切って、モゴモゴと呪文を唱える。

 なんだかいかがわしいけど、魔法力が溜まっていく。

 ミクちゃんが僕の手を強く握ってくる。僕も緊張から強く握り返した。

 オケアさんの呪文が続く。

 魔法力が僕たちの足元に溜まり、床に大きな魔法陣が出現した。


「二人に問う。大災厄に立ち向かうか、否か」


 無理やりじゃないのね。っと思ったけど、これじゃあ断れないよね。

 まあ、どっちにしても、僕の気持ちはもう決まっている。

 ミクちゃんを見ると、うなずいてくる。


「「はい」」


 オケアさんが又も印を切って、呪文を唱えると、魔法陣に変化があった。

 そしてまたも印が切られ呪文が・・・。


 そして目の前が暗転した。


  ◇ ◇ ◇


 意識に途切れはなかったと思う。


 魂の世界だろうか、そのような場所に移動していた。

 僕たち(意識)だけで飛んできたのかな?

 そしてミクちゃんとは手をつないだままだ。

 オケアさんはいない。


「よく参られました」


 魂魄管理者(女神様)の声が響いた。

 今日は最初っから、人型で見える。

 とてもきれいな、いや、神々しい。


「セージスタ・ノルンバックにミクリーナ・ウインダムス。

 それとも須田雅治(すだまさはる)里苗未来(さとなえみらい)と呼んだ方が良いですか」


 ミクちゃんを見たら、視線で僕に任せると。

「どちら…、いえ、セージスタにミクリーナでお願いします」


「それでは伝えます」


 女神様の説明によると、バルハラドは高次元との亀裂が数多く発生し続けている不安定な惑星だそうだ。


 その亀裂からは高次元から大量の魔素と魔法力――高次元粒子と高次元エネルギー(セージ意訳)――が流れ込んでくる。

 流れ込んできた魔素と魔法力は、バルハラドに魔法の恩恵も与えるが、負の波動を持った魔素や魔法力ーは魔獣を生み出してしまう。


 そして問題なのが、数百年に一度、バルハラドに制御しきれない魔素や魔法力が新たな次元の裂け目を作って流れ込んでくる。その多くの魔素や魔法力が負の波動を帯びた魔素や魔法力だ。

 次元の裂け目の多くがダンジョンとなり、濃密すぎる負の魔素や魔法力は世界に拡散する。

 それが大災厄だ。


 大災厄を収めるには次元の裂け目――その多くがダンジョンで中心核(コア)と、空間に発生する負の穴――をふさがないといけない。


 そこで問題となるのがふさぎ手で、負の魔素と魔法力に強い耐性があって、しかも次元補修のスキルが必要となる。


 話は飛んで、地球の月に発生した月の欠片は、バルハライドの浮遊島イナンナの割れた一部が、次元の裂け目に落ちて、飛ばされたものだそうだ。


 イナンナが分裂したのも魔素と魔法力を多量に浴びてしまった所為で、落下に際しても大量の魔素と魔法力をばらまいた。


 大災厄を発生させる大量の魔素と魔法力は、イナンナのように次元を超えて他の世界にも災厄を及ぼすそうで、そのために僕たちは亡くなったんだって。

 そしてイナンナから拡散した大量の魔素と魔法力とともに、イナンナの欠片を体内に吸収した人から選ばれた人たちが二五○○人だそうだ。

 高い魔法力と、負の魔素と魔法力への耐性を持ったのが僕たちってことだ。


 それが神に、否、女神様に言わせると選別されし者になるんだって。

 かなり理不尽だよね。


 現在は次元の亀裂の多くは女神様の加護で抑え込まれているけど、時が来たら抑制が切れて、多くの亀裂が出現して大量の負の魔素と魔法力がバルハライドでに流れ出し、拡散して、本当の大災厄となる。


「それじゃあ、今すぐにでも高次元の亀裂を消修復、消滅ですか? しますよ」

「それは叶いません。魂魄世界の準備が整って始めて消滅が可能となります」


「それは何ですか」

「急がなくとも、手に入ることでしょう」


 もらえるものなんだ。


「それじゃあそれまで、僕たちは何をしていればいいんですか」

「強なっていてください」


「それだけですか」


「いいえ」


 高次元の亀裂を修復ができるのは何も、転生者の僕たちだけじゃない。

 大災厄の初回の大地震以降、大量に次元からの波動を浴びたバルハライドで育った魂からも生まれてるんだって。

 そういった魂を持った人たちもまた、亀裂の消滅ができるんだって。


 バルハライドで生まれ育った魂(人)には、空間に発生する負の穴と、ダンジョンの中心核(コア)と、そこから溢れ出る大量の負の魔素と魔法力の説明となるそうだ。

 高次元のこと、地球への災厄などは転生者にしか伝えないそうで、内緒のことだそうだ。


 そして消滅に当たってはそういった人たちとの協力も大切なんだって。

 そりゃー、そうだ。


 内緒の話には、救済があって、仲間と認めたい者は、一緒に神に祈って認めてもらうことができるんだって。それは何も転生者じゃなくとも、一緒に亀裂の消滅を行う仲間ならばということだ。

 そうなれば話したいことを全て話すこともできるようになるそうだ。

 人数は明言しなかってけど、あまり増やせないっていうから数人だろう。

 それと、魂の世界で作った友達は特別なんだそうだ。


 もう一つの救済が、行動で相手が転生者だとわかっても、転生に関することに干渉したり、話題にしなければいいんだそうだ。

 話をしようとすると抑制が掛かるから、間違えて話すこともほとんど無さそうなんだけど。


「セージスタ、あなたにお願いがあります」

 突然のお願いって何?

 女神様から頼まれるようなことってあるの⁉ 願いってやらなくてもいいってこと⁉


 ところが話を聞いて唖然としてしまった。


 その話に了解すると、突然また魔法陣の上にいた。


 もっと話をして聞きたいことがいっぱいあったのに。

 特に気になったのが、転生者同士でナゼ内緒にしないといけないのかってことだし、人数制限があるかってことだ。

 その他にも消滅させるダンジョンの選別方法だとか……etc.etc.だ。


 目の前のオケアさんが、ニコニコ顔で訊ねてくる。

「オケアノス神にお会いできたか」


 あれがオケアノス神?

「「……はい」」

 チョット戸惑ったけど、ミクちゃんとうなずいた。


「それはよかったの」


 オケアさんにとっては五分ほどの時間だったそうで、僕とミクちゃんは白い靄のようなものに包まれていたんだって。

 でも僕たち二人にとっては一時間にも、二時間にも感じた体験だった。


 その後はオケアさんの知っていることを教えてもらったけど、女神様から聞いた以上のことはなかった。

 ただ、オケアノス神が男って思ってるみたい。

 そういえば、仲間にしたい人と神に祈るって、何処の神社でも、いや、教会でもいいのかな?

 出てくるのはいつも魂魄管理者(女神様)なのかな。

 それとも見る人によって、見え方が違ったりして。まあ、それは充分ありそうだ。


 他には学校となどの他愛もないことを会話して、お礼を言って辞去した。


  ◇ ◇ ◇


 帰宅すると直ぐにウインダムス議員とパパに会った。


 二人してダンジョンの消滅要員に選択されたこと。

 神様も準備中で、それまでは鍛えることを伝えた。


 それと、神様の準備が終わるまで、僕たちがダンジョンの消滅要員に選択されたことは内緒だってことも伝えた。

 だって、“神の御使い”、“神の御子”、“選ばれし子供”、“使命の御子”などと呼ばれるんだそうだ。ハズいったらありゃしない。

 ただこの内緒は、女神様からの制約じゃない。ただ単に騒がれないようにの予防だ。

 僕とミクちゃんがそれ以上話さないとわかると訊ねられることもなかった。


 ちなみに個人情報の“種族:人族”の横に“(聖徒)”という文字が現れた。

 女神様との契約の証のようで、聖徒同士、もしくは特別に『開示』しないと一般の人には見えないんだそうだ。


「おじさんとパパで調べてほしいことがあるの」


「何をじゃ?」


「僕とミクちゃんのようにダンジョンの消滅を行う使命を持って生まれた子供たちを、多分だけどギランダー帝国が洗脳しているみたいなんだ。

 できればギランダー帝国の内情なんかを調べて教えてほしいんだ。

 あとは、ワンダースリーにも手伝ってもらえるように、依頼ができないかな」


「ギランダー帝国がそんなことをやっておるのか」

「神様に地図でこの辺って教えてもらっただけだから、ギランダー帝国って特定はできないけど、多分そうだと思う」


 女神様は国名は言わずに、地図を指してこの辺りとしか教えてくれなかった。

 ギランダー帝国の東側から南西側に掛けてヴェネチアン国に接している。

 反対側の西側では、いくつかの国を飲み込んで、巨大な国が、更に拡大しているんだそうだ。

 北側は大山脈と言われているバルハード山脈が連なり、小国が幾つか存在しているが、そちらは無事というか、放っておかれているといったのが実情のようだ。

 ちなみに南側は中央洋、大きな海だ。


「ギランダー帝国に以前から強力な上位魔獣が出現してるんだって。

 その上位魔獣は不安定な存在で周囲の精神を浸食して、それを僕たちに取り除いてほしいんだって」

「その影響で神の御子たちを洗脳してるのか」

「よくは分からないけど、多分そうだと思う」


 そう、僕たちへの女神様のお願いは、子供たちの救出などではなく、不安定な存在の上位魔獣の排除だ。

 その上位魔獣は、負の魔素や魔法力を振りまいて精神汚染を振りまいてるんだそうだ。

 しかも強固な隠蔽か隠形で隠れているんだって。

 まあ、大災厄を止めるための最初のお仕事だ。


 準備をシッカリしてから向かうように言われているから、情報の入手は当然のことだ。


「セージちゃん、一人で行く気でしょ。

 私、絶対に付いていくから」


 あちゃー。


 まだ総合(強さ)が“59”でしょう。相手はファントムスフォーなんだよ、ってダメそうだよな。


「僕の認める強さになったらね」

「わかった、それでいい」


  ◇ ◇ ◇


 一月一九日赤曜日。

 始業式を終え。


 一月二〇日青曜日。

 新入生の入学式も終えた。


 その日の夕方、見習いで働いているルードちゃんが僕のところに来た。


「ウチもギランダー帝国に行くから」

「え、え、ナニ言ってんのかなー」


「リエッタさんにいろいろお願いして、リエッタさんとギランダー帝国に行くんでしょ」


 そう、そのために、現在作れる限りの電増魔石などの魔石を作っているところだ。

 僕たちじゃギランダー帝国は不案内だから、エルガさんとも相談して、リエッタさんに付いてきてもらうことになったんだ。


 ただ、それだけじゃない。


 明後日からダンジョンに潜って、ミクちゃんとリエッタさんのレベルアップツアーだ。

 ルードちゃんには内緒というか、できるだけ誰にも聞かれないように内緒にしていたはずなんだけど。


 ちなみにママ――マリオン市に連絡が行って早々に帰宅、片道最速四日だから本当にとんぼ返りだ――も、オケアノス神からの直々の依頼だとなって、複雑な樹下で許可をしてくれている。

 チョット、無口になっちゃてけど、まずはダンジョンから元気に帰ってくると、心に決めている。


「セージスタ君、悪いんだけど娘を連れて行ってやってくれるか」

「ラ、ラーダルットさん⁉」

「いまとなっちゃ、オレよりルードティリアの方が強いからな」


「え、えー、ダメですよ」


「ダメっていっても、ルードティリアは付いていく予定だ」

「セージは行けんなところに行くんでしょ。ウチなんでもするって言ったじゃない。

 絶対に迷惑は掛けないわ。あ、いや、絶対にセージを助けるから」


 ここにも頑固者がいた。

 概ね“50”のラーダルットさんからすれば、ルードちゃんは確かに数値は高いが知識や経験値に真の戦闘力では変わらないと思うんだけど。


「わかった。仕事が終わったら、リエッタさんと一緒に僕の部屋に来て」

「わかったわ」


 翌日の一月二一日黄曜日。

 ルードちゃんをオケアさんに会ってもらうと、案の定、ダンジョンの消滅が行なえる者として契約してきた。

 学校を休む口実作りってのが、今回の目的だ。


 パパやウインダムス議員はヴェネチアン国に連絡を取ったり、色々な伝手から情報を入手したりと大忙しだった。


 魔法学校のことはパパとママに頼んで、一月二三日白曜日、僕、ミクちゃん、ルードちゃん、リエッタさんの四人はダンジョンに飛んだ。


  ◇ ◇ ◇


----------------------------------------------------

【セージスタ・ノルンバック】

 種族:人族(聖徒)

 性別:男

 年齢:8


【基礎能力】

 総合:120

 体力:188

 魔法:860


【魔法スキル】

 魔法核:14 魔法回路:14

 生活魔法:6 火魔法:14 水魔法:14 土魔法:14 風魔法:14 光魔法:14 闇魔法:12 時空魔法:14 身体魔法:13 錬金魔法:14 付与魔法:14 補助魔法:14


【体技スキル】

 剣技:8 短剣:3 刀:8 水泳:2 槍技:9 刺突:7 投てき:6 体術:8 斬撃:5


【特殊スキル】

 鑑定:5 看破:6 魔力眼:6 情報操作:5 記憶強化:5 速読:4 隠形:5 魔素感知:4 空間認識:7 並列思考:7 認識阻害:5 加速:4 浮遊眼:2 思念同調:7


【耐性スキル】

 魔法:9 幻惑:4 全毒:9 斬撃:4 打撃:6 刺突:3 溶解:2 熱:1 精神攻撃:2


【技能スキル】

 精密加工:2 教育:1 魔電加工:1


【成長スキル】

 基礎能力経験値2.14倍 スキル経験値2.14倍

----------------------------------------------------


 僕とミクちゃんと女神様から与えられたものは称号のようなもので種族:人族の横に(聖徒)が付加された。

 見せたいと思わない限り“聖徒”同士にしか見えない。


 そして強化してもらったスキルが“思念同調”だ。

 これで強力な負の魔素と魔法力の塊りを見つけるんだそうだ。


----------------------------------------------------

【ミクリーナ・ウインダムス】

 種族:人族(聖徒)

 性別:女

 年齢:8


【基礎能力】

 総合:59

 体力:71

 魔法:118


【魔法スキル】

 魔法核:7 魔法回路:7

 生活魔法:2 火魔法:5 水魔法:5 土魔法:4 風魔法:5 光魔法:5 闇魔法:1 時空魔法:4 身体魔法:4 錬金魔法:3 付与魔法:2 補助魔法:2


【体技スキル】

 槍技:5 剣技:4 片手剣:3 短剣:1 水泳:2 体術:4


【特殊スキル】

 鑑定:2 看破:2 索敵:2 隠形:3 魔力眼:4 魔素感知:4 思念同調:5 健康判断:2 治癒波動:1 感覚強化:1


【耐性スキル】

 魔法:3 全毒:3 幻惑:0 斬撃:1 打撃:1 刺突:1


【成長スキル】

 基礎能力経験値1.21倍 スキル経験値1.21倍


【聖スキル】

 宣言者

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----------------------------------------------------

【ルードティリア・ナルア・フィフティーナ】

 種族:エルフ族(聖徒)

 性別:女

 年齢:8


【基礎能力】

 総合:57

 体力:67

 魔法:120


【魔法スキル】

 魔法核:7 魔法回路:7

 生活魔法:3 水魔法:5 土魔法:6 風魔法:5 光魔法:5 身体魔法:4 錬金魔法:2 付与魔法:2 補助魔法:2


【体技スキル】

 剣技:3 片手剣:3 短剣:2 弓術:3 水泳:1 槍技:4 体術:3


【特殊スキル】

 鑑定:1 看破:3 大気感受:2 草木感受:2 自然親和:2 浄化:2 魔力眼:2 魔素感知:2 思念同調:2


【耐性スキル】

 魔法:3 全毒:2 幻惑:1 斬撃:1 打撃:1 刺突:1


【聖スキル】

 宣言者

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 大気感受、草木感受、自然親和はエルフ独特といって良いほど、エルフが良く取得するスキルで、大気感受、草木感受は自然や大気の状態から異物や違和感(魔獣)を見つけ出す。索敵効果もある。

 自然親和は自然や周囲に溶け込む隠形のようなスキルだ。

 三つもスキルを得たのは、セージの魔法力の活性化によるものだ。

 思念同調は女神様からもらったそうだ。


 ルードちゃんにも(聖徒)の称号が付いた。


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【リエッタ・マーガレット】

 種族:人族

 性別:女

 年齢:32


【基礎能力】

 総合:60

 体力:92

 魔法:186


【魔法スキル】

 魔法核:7 魔法回路:8

 生活魔法:2 火魔法:3 土魔法:7 風魔法:6 闇魔法:7 錬金魔法:7 身体魔法:5 付与魔法:7 補助魔法:2


【体技スキル】

 杖術:3 剣技:6 片手剣:6 短剣:3 体術:4 水泳:2 槍技:5 投てき:3


【特殊スキル】

 隠形:4 索敵:4 看破:3 魔力眼:3 魔素感知:3


【技能スキル】

 教育:3 作戦:3 交渉:1 魔電加工:3 解析:1 精密加工:0


【耐性スキル】

 魔法:5 全毒:4 幻惑:2 斬撃:2 打撃:3 刺突:1

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  ◇ ◇ 魂魄管理者たち4 ◇ ◇


「代表、よろしかったのでしょうか」

「致し方ありませんね。

 まさか宣託に従わない者がいようとは」

「私の調査ミスです。

 引き継いだ初回の大災厄とは言え申し訳ありません」

「それは私のミスです。

 副責任者である貴方の責ではありません。

 それで調査したところ新たに判明したところはありますか」

「いいえ、先に報告した通りです。

 九回前の大災厄の時にも似たようなことがありまして、最終的には魂魄管理者の判断でその国を滅ぼしたようです」

次元魔獣ディメンジョンクリーチャーの所為とはいえ、痛ましい話です」


「その地域だけ加護を取り払い、一気に魔獣が溢れ、周辺にもかなりの被害が出たようです。

 最終的には、上位の管理者にお世話になった次第です」

「今回はそのようなことには、したくはありませんね」

「おっしゃる通りだと思います」


 世界の半数近くの人族が亡くなった痛ましい災厄、真の大災厄だった。


「次元の亀裂から漏れ出した次元魔獣ディメンジョンクリーチャーの存在は脅威です。

 早めに対策ができそうで何よりです」

「厄介な存在ですね」

「こちらの想定以上の動きをしているし、バルハライドへの影響も増大しています。

 ディメンジョンクリーチャーの確認は細心の注意でお願いします」

「かしこまりました」


「アカシックレコードの被験者の内容は隠蔽していますね」

「セージスタの関係者を含め、間違いなく隠蔽しています。

 被験者のサポートのお告げもそれとなく行っております」

「その程度は問題ないでしょう。

 これからも補助は必要最低限での行使を許可いたします」

「私の判断でよろしいのでしょうか」

「かまいません。

 次元生命体ディメンジョンクリーチャーの排除が優先です」

「セージスタだけでは難しいので高次生命体の幼体のサポートが必要不可欠ですが」

「あてはありますか」

「バルハライドに渡った二体の幼体がセージスタと接触をもっています」

「使い物になりますか」

「片方はディメンジョンクリーチャーに対してはサポートが可能ですが、セージスタとの相性は可もなく不可もなくといったところです。

 もう一体はセージスタとの相性は良いようですが、急いで調整と教育を施す必要があります。調整と教育には魂魄管理者の誰かを当たらせて、その結果によってが良いと思います」

「まかせます」

「かしこまりました」


「あくまでも、私たちの許可される干渉は、次元災害とされることだけですからね」

「わかっています」

「それと幼体への教育と、幼体の強化を急がなければなりませんね」

「今回の次元災害は強大で特殊で次元エネルギー量も膨大ですからね」


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