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次元災害で異世界へ  作者: 真草康
魔法教育編
11/181

10. 読書感想文


 港湾都市ロータス。

 湿地帯に咲くロータスが都市の花であり、都市名にもなっている。


 出航が昼頃なので時間はあまりない。

 ヒーナが付き添いで、馬車でロータスにある一番大きな書店に来た。

 どことなく日本を感じさせる木造建築が多いが、本屋も木造建築だ。

 ちなみに御者は昨晩の御者(冒険者)で、ヒーナも冒険者姿? 合成皮革のような上下は防御に優れているんだそうだ。腰には使い慣れた片手剣が下がっている。


 夕食時もセージの能力は話題になり、セージがちょっとしたお願いをした。

 マーリン号に帰ってからママがパパにお願いをして、許可がもらえたのだ。

 さすがに高価な魔法書などは無理だぞ、と言われたのは当然のことだ。


 バルハライドには活版印刷や謄写版印刷があって、一般人でも手の届く本がそれなりにある。小説などがそれにあたり、過去の英雄譚などが多数を占めている。

 逆に高価な本が、部数の出ない専門書などはもちろんのことだが、多色印刷された本が高価だ。多色印刷された絵本を数多く持っているのはそれなりに裕福な家庭の証だとされる。

 都市名のロータスを含め、全て馬車の中でヒーナから聞いた知識だ。


「ヒーナも探しますが、セージ様も選んでみてください。

 時間があまりなく、せわしないですが、いい本を見つけるように二人で頑張りましょう」

 ヒーナも本が好きなんだろう。ウキウキしてる。

 追い立てられるように馬車を降りた。


 まずは店内をヒーナと一緒にぐるりと見る。

 そして店主のところに。

 そうするとヒーナが店主から聞きだし、小説の棚はあちらです。と教えてくれる。

 ちなみにほとんどの本はガラス張りの棚の中で、特に高価な本は、店主の後ろの棚に収まっている。

 一緒に付いて行って、見てみるが題名からだけじゃ想像もつかない。それに位置的に高い本は見えにくいし、僕には厳しい。

 ちなみに本は表紙を見せて並んでいるから選べないわけじゃない。

 まっ、いいかー。とヒーナのお勧めでいいよともう一度店内を探索。

 そうするとありました。ささやかな古本コーナーが。何の案内も書かれていないが古びて痛んだ本が並んでいるからそうなんだろう。

 ガラス張りの棚の中じゃなく、そのまま手に取れる。ただし、冊数があるので、背表紙を見せて並んでいて、題名がかすれている本が多い。

 少しだがワゴンも置かれている。本のサイズがまちまちだからか、平積みで重ねられている。

 これだと一番上の本を隣に移せば次々に見られると思って、題名を確認していく。

 エルフターニャのとんだ世界旅行、船旅の心得、英雄ボスコーン譚、火の山を越えて、魔大陸の一週間、錬金の初歩から始めよう、??学(読めなかった)、ちょっと役に立つ植物たち、チャペックの竜騎士修行、賢者アシモフ……。

 題名を見てるだけでも気分がいい。

 はたと気づいて、“錬金の初歩から始めよう”をもう一度手に取ると、ペラペラとページをめくっていく。

 その手が早くなっていく。

 不明点も多かったが数分で読み終えた。ページ数が百ページも無く薄かったからだ。速読バンザイ。なんとなく覚えている。


 魔法の本はないかと、ワゴンの本を急いでかき分ける。が、無い。

 目を上げて、棚を確認する。

 あった。かすれて良く読めないが、たぶん魔法と書かれている。

 背を伸ばして、やっと取ってページを開くと“風魔法の活用の極意(上)”だった。

 下巻やことによったらと中巻も探すも無さそうだ。


 上巻だけってチョット残念だけど、気分良くパラパラとめくっていく。


 攻撃魔法の下支えをする基本の風魔法を紹介するそうだ。

 ちなみに高位の風魔法には単独の攻撃魔法もあるそうだ。低位の風魔法にはブリーズというそこそこ規模の大きな風魔法があって、その規模を縮小したのが生活魔法のドライブリーズなのはお約束のようだ。

 他の魔法との合成方法は左手に打撃を与える魔法をため込み、右手に風魔法をため、照準と威力を定め、左手の魔法を発生させた直後に風魔法で送り出す。

 三合成になると左手に二魔法をため込むにはかなりの練習が必要となる。

 注意点として、風魔法を放つ一瞬に意識を右手の魔法の一点に集中して、照準と加速を心掛ける。

 概ねそのような内容だ。

 歓喜したのは、巻末に風の魔法陣が四種類載っていたことだ。

 ただどうしたものかと思うのは、実線に破線とかなりゴチャゴチャしていて、著者が創意工夫した魔法陣だからだ。


 風魔法1

 ―― 魔法名称:ウインド、属性:風、機能:風生成。

 脳内に魔法回路を思い浮かべ、空きの一枚を目の前に呼び出し、

『複写』


 徐々に図形が浮き出てくるが、途中で止まってしまう。

 ぼやけた不鮮明な図形が複写されてしまう。

 それと小さい。本には直径は一七.五センチメルと書かれている。


 今度はもっと鮮明にイメージしてやってみよう、と思ったところで、

「セージ様ー。どちらですかー。よい本が見つかりましたのでいらしてくださーい」

 ヒーナによばれてしまった。

「すぐ行くよー」


 答えを返すも、

 急いで残りの三枚も複写する。ぼやけた魔法陣でも仕方がない。

 記憶強化を意識して記憶に焼き付けることも忘れない。

 風魔法2

 ―― 魔法名称:ハイウインド、属性:風、機能:風生成(高)。

 ―― 魔法名称:ストリーム、属性:風、機能:風生成(風向変化)。

 風魔法3

 ―― 魔法名称:ジェットストリーム、属性:風、機能:風生成(強)。

 ちなみに『複写』するにも微妙に魔法力を使う。四回使用すると確かに減ったと実感できるほどだ。


「いそいでくださーい」

 こういう時は、ヒーナの緑の髪は目立って見つけやすい。

 本棚の前で本を並べるヒーナのもとに慌てて駆け付けた。


「良さそうな三冊が見つかりましたから、どれか一冊を選んでください」


 魔法小説が良いかと思いまして、と勧められたのは、なんと……。


“魔法の指輪の物語”

 巨人族だが小柄で何かにつけうまくいかないフロドが、ひょんなことから魔王を倒すことができる指輪を求めて、友人を増やしながら旅をする。


“ハリアップ・ポッター(不思議な魔法学園)”

 弱小だと言われていたクラスを何とか強くしようと、ポッターが伝説の飛行魔法のかかった箒を手に入れ、クラス対抗長距離競技で箒に乗ってゴールを目指す。


“時計兎を追いかけて”

 魔法の時計を持つ兎に魔法をかけられてしまい、不思議な世界を次々と旅するアリッサ少年の物語。


 内容は店主に確認したようだが、何じゃこのパチモンは。


「どれがいいですか? 最近はこのような創作作品の人気が高いそうです。ヒーナも読みたくものばかりです。読んだら一度貸してくださいね」


 目を見張って、絶句してると、ヒーナの追撃が来た。

 ケンカを売ってんのか!


 まあいい。どれでも一緒だ。

 古典の名作? “魔法の指輪の物語”を選んだ。


  ◇ ◇ ◇


 乗船最終確認をしているところに帰ってきた。


 パパとママは船長と一緒に、下船していたお客のお出迎えと、冒険者風の三人が新たなお客なのだろう。それらの挨拶もあって結構忙しかった。

 ちなみに、乗客の一家族が降りたので、ちょうど入れ替わったようなものだ。


 僕とヒーナも見知った乗客と挨拶を交わす。午前と午後の散歩で幾度も遭遇しているので、挨拶もずいぶん砕けてきた。

 冒険者風のお客にも丁寧に挨拶する。


 戻ってこない乗客が後一人いるが、ママは僕たちと一緒に船室に引き上げた。

 ヒーナは予定より少し遅かったことをママに謝罪していた。

 出航の一時間前の一一時の帰る予定が、一〇分ほど過ぎちゃったそうだ。


 バッグの中の本を出して見せようとしたら、

「あとで見せていただきますから今はいいですよ」

 とにっこりとママが笑う。


 ただし、どのような本か気になったようでヒーナに問いかけていた。

 ヒーナが簡単に本の紹介をして、そのママの答えがまさにビックリだった。


「伝説の英雄王フロドに、そのような物語があるのですか」

 えっ、実在の人物……?!


「いいえ。人気のフロド王の物語を創作風に変化させた物語だそうです。

 ですので面白いと思いまして、セージ様にお勧めしました」


「良さそうな本を見つけられて何よりです。

 セージ、読み終わったらわたくしにも楽しいお話を聞かせてくださいね」


「…あ、はい。わかりました」


 パチモンじゃない。……オリジナルなのか? そうなると残りの二冊も気になってくる。脳内に“?”が乱舞した。


「出航を見に行きませんか」とのヒーナの誘いを、本を読みたいからとベッドルームにこもる。


『個人情報』


 魔法値が“15”になっている。その他に変化無し。


“ウインド”の魔法回路を呼び出す。

 修正して使用できるものにしたいが、そもそも修正方法がわからない。

 それに、この魔法陣は消したくないし、どうしたものかと思案する。


 そして、空の魔法回路を右に、左には“ドライブリーズ”の魔法回路も表示する。


 左手で触りながら<ドライブリーズ>。

 左手からそよ風が吹く。

 観察をしていたら、魔法陣に魔法力が流れたように見えた。


 もう一度<ドライブリーズ>。

 今度はしっかりと見えた。

 そして、魔法回路というだけあって、プレート内に定着しているのか、魔法陣がプレート内に入り込んでいる。

 精神を集中すると魔法陣を意識するというか、つながっているような感じがする。魔法力が流れるのも納得だ。


 かたや“ウインド”はとういと、魔法陣が上っ面に張り付いてるみたいで、とてもじゃないが魔法力を流せる代物ではなかった。

 真っさらな魔法回路とも見比べたから間違いはない。


 まずは思いつくことはやってみようと、真っさらなプレートに“ウインド”を『複写』。


 個人情報(偽)を手直した感覚を思い出しながら、イメージ力だと思って、複写した魔法陣のサイズを一七.五センチメルに<拡大>と念ずる。


 そうするとズルズルと微妙に魔法陣が大きくなっていく。

 このままだと思っていると、思っていたところで止まらず、そのままズルズルと大きくなっていく。


『停止』で止まった。


『縮小』でまたズルズルと、……こんなものだろうと『停止』。


 どうやらサイズはアバウトに変更可能なようだ。


 元の魔法陣を見ながら本の魔法陣を思い出す。

 強烈にイメージして『変化』、『鮮明』と念じる。


 ほんのわずかに鮮明になったような気もするが、変化無しと言ってもいいレベルだ。


 それでも二〇回ほどトライすると、それなりに鮮明になった。が、それでも魔法力が流れるとは思えなかった。


 そして悩んでいると、マーリン号が動き出した。


 あっ。と思い出して、“魔法の指輪の物語”を広げて速読した。


 魔の山に住む火の魔王が魔の山を噴火させ、大災害で人々を苦しめる。

 訴えを聞いた巨人王は、勇者を選定して討伐隊を差し向けるが、魔王の防衛線である二つの塔の守りは固く、勇者一行は苦戦する。

 勇者一行は情報を集め、地下迷宮を通れば防衛線を突破できることを知って、地下迷宮を通ることを決意し挑むも、何分不案内。

 途中火の魔物との戦闘で勇者が傷ついてしまう。

 そこで助けるのが巨人族としては体が小さく自信をつけようと修行の旅に出ていたフロドだ。

 水の盾でけん制しながら、火の魔物を罠の中におびき寄せ、ため込んだ水を一気に流し込んで火の魔獣を倒す。そしてミスリルの鎖帷子を手に入れる。

 地下の神殿で神に祈り、水の盾から聖水を作り、勇者の傷をいやす。

 そしてその神殿で信託を受ける。

 魔王の力は、魔の山の火口付近にある火の洞窟神殿に納められた、自身の力を込めた指輪の力で火山を操っていることを。

 そして魔王自身も火山の力を手に入れたことを。

 勇者一行は魔王に戦いを挑みけん制する。

 水の盾に導きの加護が宿ったフロドは火の洞窟神殿を目指す。

 激しい戦いで勇者たちは一人、また一人と、魔王の強大な魔法に傷ついていくが、果敢に攻めてとどまるところを知らない。

 火の山を登るフロドは、踊る炎の魔物や焼石の魔物などの苦難に会いながらも、洞窟を見つけ、神殿にたどり着く。

 魔王の障壁に守られた祭壇に、水の盾とミスリルの鎖帷子で決死の体当たりして指輪を手にするフロドだったが、神殿の鐘が鳴り響く。

 魔王が指輪に気づき、神殿に飛ぶ。

 魔王の火の魔法で、火だるまになりながらも水の盾とミスリルの鎖帷子の防御もあって、神殿の奥に駆け込み、指輪を溶岩の川に投げるが、魔王の魔法で指輪が空中で止まる。

 体中の火は収まったが、火傷だらけのフロドは最後の力を振り絞ってフロドが指輪に飛びつき溶岩の川に飛び込む。

 指輪の力を無効にするには溶岩流に指輪を放り込むしかなかったからだ。

 溶岩の川に飛び込んだフロドだったが、神の加護で水の盾が大きくなり、船となりその中に降り立つ。

 改めて指輪を溶岩の川に叩き込む。

 ほとんどの力を失った魔王は神殿に逃げ込み、姿をくらます。

 火山の噴火が収まり、二つの塔を守っていた魔王の手下も散り散りになり、どこかに居なくなった。

 平和を取り戻した勇者一行は、フロドとともに巨人国に帰る。

 勇者とともにフロドも称賛される。が、また旅に出るフロドだった。


 全三六〇ページ。

 ありがちだがそれなりに面白かった。

 なんだか続編が出そうな内容だ。


 ちょうど読み終わった時に、コンコンとノックがあり、「セージ様、お昼ですよ」とヒーナが呼びに来た。

 船は順調に出航したようだ。


  ◇ ◇ ◇


 席について「<バブリッシュ>」。

 出航して四〇分ほどたっているのか、時刻は一二時四〇分だ。

「感謝していただきましょう」

「「「感謝を」」」

 ママの感謝で昼食が始まる。

 パパはまた船長と一緒に艦橋だ。

 朝食も一緒だったし、下船や乗船で会ってるが、豪快な笑いが無いと物足らない気がする。


 メニューはサンドイッチにスープにキウイフルーツだ。

 パンの種類に具(主に魚の種類)や味に変化があるが、飽きがくるのは確かだ。

 ちなみに特別注文でスパゲッティや具だくさんのシチュー程度はできるそうだが、お客様も滅多に頼まないそうだ。


「セージ、ご本はいかがですか、気に入りましたか」

「はい。とても面白かったです」

 この時、僕は気づかなかった。ヒーナが驚愕に目を見張っていたことを。

「どのようなお話なの」


 そして僕は内容を伝えた、表現力があるわけではないから、ただ淡々と。


 途中何度かママの問いかけもあったが、ちゃんと答えた。


 そうしていくと、ママの顔がだんだんと難しくなってくる。


 伝え終わると、

「ずいぶん長いお話のようだですが、わたくしにもそのご本を見せて頂戴」

「はい」


 ベッドルームから本を持ってきて、ママに見せるときに僕も気づいた。

 ぎっしりと文章の詰まった三六〇ページの重い本。まあ重いことは別にして、出航前からとしても一時間少々しかない。五才が読める量じゃない。


 ママも本を開いてページをめっくっていく。

 難しい表情が、更に難しくなって行く。


 やっちゃたかー。


「よく読みました。セージは本当に本が好きなのですね。

 ヒーナはどう思いますか」


「えー、その問いかけは、特殊魔法やスキルに関することでしょうか」

「えー、そうなるのでしょうね。何か心当たりはありますか」


「魔法では聞いたことがありません。

 スキルで知能強化のようなものがあると噂で聞いたことがあります。それと本を早く読めるようなスキルも聞いたことがありますがスキル名までは」


「セージ、本を読んでいる時どうでしたか。

 あっ、怒っているわけであはありません。セージに特殊な能力があるのではないかと、わたくしやヒーナが少々おどろきもし、また期待もしているからです」


「よくわかりません」

 いまだ思案中、対策中に声のトーンが落ちる。


「セージ様、特殊な能力があることはとても素晴らしいことです。

 自慢すべきことです。わかりますか」


 う、うん。と首を振るも一旦ためらってしまった。


「今はわからなくても、いつか素敵なことだと思えますから胸を張ってください。

 それと魔法と同じで、みんなには内緒で」

「はい」

「それと、セージ様の能力を正しく使えるように、もう一度本を読んでいただけますか」

「ここで?」

「はい」

「わかった」


 ヒーナがママから本を受け取って、テーブルに広げる。


 僕は、声に出して読み始める。と、

「ベッドで読んだ時と一緒で、声は出さなくていいですよ」

 ヒーナから声が掛かる。


 目で追うスピードにも気を付け、あまり早すぎないように、ユックリと本を読んでいく。

 それでも目に文章が飛び込んでくる。


 声に出して読んだスピードを思い出しながらページをめくる。それも不自然に遅くならないようにチョットだけ早くめくるように気を付けた。


 二〇ページほど読んだ時に、

「セージ様、そこまででいいですよ」


「ヒーナいかがでしたか」


「はい。緊張されていたようですから、最初はあまり早くはありませんでした。

 途中から読む速度が上がりましたが、また下がったりと、一定ではありませんでした。

 ただし、一回だけ私の速度の倍で顔を次のページに移動されました。

 私も本を読むのは早い方だと自負していましたが、驚きました。

 多分ですが、本を高速で読むスキルが芽生えかけているのではないでしょうか。

 理解力のスキルの可能性もあるので何とも言えませんが」

「ありがとう。

 一人でこもっていた時にはリラックスして、それ以上の速度で読んでいたのでしょう」


 ママが背筋を伸ばし、改まって僕を見る。

 僕も釣られて背筋が伸びる。

「セージ、素晴らしい能力です。ヒーナのいう通り自慢していい能力です。感謝を忘れずに。

 そしてヒーナのもう一つのいう通り」

 最後に笑顔になって口に人差指を立てた。 

「内緒にしなさい」

「はい」

 はあー、脳内でため息が漏れた。


「ヒーナ、セージに読ませる本は細心の注意を払っていきましょう」

「はい。セージ様の成長が楽しみです」

 ママがモルガにも目配せをすると、モルガがうなずく。


「セージ、一休みをしましたら魔法のお勉強をしましょう」

「はい」


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