七
今日も救急車が走っている。
何回目だろう…
「恐いわね、お年寄りは続くって云うけど」
続く…続く……
私はその言葉の意味に気付いて、厭な気分になった。
続くといえば、あの仔の夢も続いている。
やっぱり、イラストじゃあ駄目なのだろうか?
「それにしても変ね?これだけ続くんだからニュースになってもおかしくないんだけど…」
昨日、学校の友人が休んだ。病気だと云う。
他に何人か休んでいるらしい。
…皆、うちの上に住んでいる。古い家の近く。
「参った。酷い雨だよ、ずぶ濡れだ」
父が帰って来た。外は急な大雨、傘を持っていかなかった父のスーツは海に落ちた様に濡れている。
屋根や壁に雨が打ち付ける音、豪々と吹く風の音が次第に大きく響く。
寝る前、夜のニュースで速報が入った。
『…〇〇市〇〇町の道路で付近の大木が倒れ、道路の一部が壊れて寸断状態になっています。この大雨の影響で…』
「おい!?うちのところじゃないか?」
画面には真っ暗な道が照明に照らされ、大雨と強風で飛ばされそうになっているレポーターが話していた。
あれはバス路線の道…
「…はい!はい!済みません…では」
父が会社に休みをお願いしている。メールで学校は休みと連絡が入った。
「困ったわねぇ…買い置きはあるけど」
自分の部屋で友人にメールをした。
〔なんかね?そっち方面ばっか休みらしいよ!そっち住んでる子達に病気流行ってるから〕
……………え?
この嵐のせいじゃ無いの………?
〔違うと思うよ~?パパの会社でもそっちの人を休ませたんだって〕
メールを止めてPCを繋ぐ。
『…やぁ』
気の良さそうな顔は眉をひそめていた。
『…手短に云う、もうじき連絡が取れなくなる。そこは封鎖される…いいかい?家族以外の他の人と接触は避けるんだ…いいね?』
私が何も言わないうちに…PCが……




