3話:レクレーション(前編)結成!無敵チーム×2
高校始まった週末の7限目―。
今日は新入生の歓迎というの名目のレクレーションだ。
竜馬らのクラスも集まり始まった。
そのレクレーションでは入学式以来の全校生徒集結である。
レクレーション自体はこの高校にしては普通であった。
レクレーションの中に「サバイバル」という題目があった。(普通…なのか?)
その時に竜馬らのクラスと隣のクラスの合同作戦ということになった。
最初に一之瀬からの言葉があった。
「今回は隣のクラスと合同作戦をします。各自これを機にしっかりコミュニケーションを取ってくれると嬉しいな。」
その後赤髪に紫のバンダナをした隣のクラスの担任が一之瀬に言った。
「一之瀬さん、話はそれくらいにしてさっさと本題をはじめましょうか。」
「そうだね。っとその前に自己紹介。僕の名前は一之瀬です。よろしく頼むよ。それでこの人は二宮。まぁ、僕の相棒ってところかな。」
二宮はA組に挨拶した。(A組とは竜馬らのクラスのことだ)
「俺が二宮だ。隣のB組の担任をまかされている。宜しく頼む。」
そんな中ルールの説明があった。
年は十四創滅と同じくらいで髪が年齢にしてはちょっと稀な真っ黒な髪で、背中までのびている男が体育館のステージに上がって言った。
「あ、あ…。いいか、ルールの説明をする。その前に1年の諸君に自己紹介をしよう。ワシの名は十二音階だ。では、ルールの説明をする。」
そう言ってルールの説明を始めた。
竜馬は何の仕事をしているのか知りたくて前に並んでいる呂猛に尋ねた。
しかしいまいち納得のいく答えではなかった。
「え?ああ。教頭に匹敵するほどの力を持ってんだろうな。俺は兄貴たちの話をよく聞いてないからよくわからんけどな。」
苦笑いして呂猛は言った。
ルール説明が終わると組み合わせ抽選が行われた。
このサバイバルはA、B合同―。
なわけで2つのクラスから適当に振り分けられるのである。
一之瀬が箱を持ってA、Bクラスに言った。
「ではこれからメンバーを決めてもらうけど、この箱の中にある紙をとって下さい。そこに数字が書かれているので同じ数字の人がメンバーです。では最初はA組から行こうかな。はい、どうぞ。」
そう言って生徒達は箱の中の紙を取っていった。
「先生、何枚ですか?」
いや、普通1枚でしょ!って突っ込みたい質問はカズだ。
「それは…何枚欲しい?」
一之瀬は笑って言った。
「ん〜、やっぱ1枚かな、へへ。」
(先生…できるやんけ)とカズは思いながら箱の中に手を入れた。
全員とり終わると同じ数字同士の生徒達がくっついていった。
呂猛は竜馬に番号を聞いた。
「竜馬は何番?」
竜馬の紙には6番と書いてあった。
「呂猛は?」
「あぁ、一緒じゃねぇんかぁ。俺は9やったぞ。」
竜馬は紙を見て違和感を感じた。
「これおかしくない?」
「どこがだよ。これは9番って…!!」
上下逆だった…。
カズもやって来て番号を尋ね、尋ね返された。
「自分は10番やったわ。…俺1人だけかぁ…。」
「まぁ、落ち込むなって!」
呂猛のフォローだ。
「大丈夫だよ。きっといい人が見つかるって。」
思いやりがこもっているのは竜馬のフォロー。
「確か3人一組のはずやし、探そうか。行こう、呂猛。」
「そうなのか竜馬、俺聞いてんかったでしらんのやってな。」
相変わらずの呂猛で…
「相変わらずね、呂猛。しかもあなたと同じ…先が思いやられるわ。」
ナレーションの私を差し置いて言うとは…!あ、これは夏候惇です。
「何っ!?お前と同じか!!」
呂猛がそう言っているのを無視して夏候惇は竜馬に挨拶した。
「これでは2.1人だけど、2人で頑張ろう。よろしく、呂竜馬さん。」
「あ、宜しく、互いに頑張ってこうね。夏候惇さん。」
竜馬の呂猛の無視っぷりもなかなかの面白さである。
決まり悪い呂猛はカズに話し掛けるのだが…
「なんだよ!無視かよ2人とも。なぁ、カズっておらんやん!」
カズは既にその場を立ち去ってパートナー探しに行っていた。
この「2.1人チーム」ハンディをどう補っていくのか、これからの見物である。
「おい!俺は0.1か!?そうなのか?!そうだろ!?このナレーションが!」
呂猛サンはお怒りなので私も無視してカズの方へいくとした。(byナレーション)
カズも同じ10番の味方を見つけた。
「それ10番やろ?」
カズは男に聞いた。
「はい、そうです。では、あなたが拙者のパートナーですか?」
男も聞いてきた。
「そやで。」
カズらしい返事だ。
「宜しく御願いします。拙者の名は馬趙雲です。あなたの名は?」
大変礼儀正しい。ご立派だ。
「おれかぁ。我が名はトモナイカズ。宜しく頼むぜぃ!」
カズも調子を合わせて(?)対応した。
「んじゃあと1人いるはずやで探そうか。」
2人はあと1人を探そうとした。
その時二宮が生徒達に向かって言った。
「1つ言い忘れたが、10番は今日の欠席者の関係で2人だ。頑張れよ、健闘を祈るぞ。」
「…。」
「…。」
2人は沈黙した―
「…ま、まぁ、少数精鋭っていうで、大丈夫やろ。多分。」
「そうです!少数精鋭は選ばれし者が任命されるものだから。」
2人とも懸命に自分のチームをフォローする姿は似ているものだ。
さて、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされる!
最後まで残れるのだろうか。
「2.1人チーム」
「ザ・少数精鋭」
君たちの頑張りに期待する!
―つづく―




