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7.
先輩の視線の向こうには、相変わらず、陽菜がいる。
先輩は、優しく陽菜に微笑みかける。
お勧めの本を貸し借りしたり紹介したり。とても楽しそうに陽菜と話す。
陽菜に、
「羽鳥先輩と、つきあうことになったよ」
って言ったら、つぼみが開くようにぱあっと笑顔が花開いて、
「おめでとう!」
と言ってくれた。
陽菜は聞かない。
いつどこでとか、何がきっかけでとか、どっちから告白したのとか。
そういう泥臭い話を、陽菜はしない。
ただ、わたしの顔をそっと覗いて、わたしが笑顔を見せるとにこっと笑った。
先輩は相変わらず、わたしを前にするとよく笑う。
わたしたちは未だに、「先輩」、「寺本さん」と呼び合っている。
わたしたちはきっと、規格外の恋人同士。
二人一緒に、わたしの親友の、先輩の想い人の幸せを見守っている。
陽菜には見せないバカ笑いを、わたしには遠慮なく見せる先輩。
「面白いなぁ、ホント!」
いつも、そういって笑う先輩。
……最近、手をつないで歩くようになった。




