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12年目の恋物語  作者: 真矢すみれ
番外編2 規格外の恋物語
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5.

 どうやら、先輩を好きになってしまったらしい。

 そう気がついたのは、いつだったのかな?

 いつになく幸せそうな先輩の視線の先を見ると、そこにはいつも同じ、わたしの親友陽菜の笑顔があった。

 それが、たとえ、恋人の叶太くんによってもたらされた笑顔でも、先輩はかまわないらしい。

 陽菜を自分のものにしたいとは思わないのだろうか?



「先輩、なんで、叶太くんと陽菜の仲を取り持ったんですか?」

 先輩の横顔を見ていると不思議になって、気がつくと、そう聞いていた。

 図書館のカウンター当番。その日は珍しく、先輩と一緒だった。

 先輩は細い目を大きく見開いた。

「……なんでって、寺本さんが聞くかな?」

 呆れたような先輩の声。

 そりゃそうだ。

 だって、先輩を頼って、先輩に二人の仲を取り持たせたのは、他ならぬわたしだったのだから。

「うーん。だって、先輩、まだ陽菜のこと、好きでしょう?」

 先輩、絶句。

 あ。そうか。

 そんな話、したことないんだ。

 先輩は、わたしが先輩の陽菜への恋心に気づいているとは、知らないはずだ。

 絶句する先輩に頭を下げた。

「すみません! 失言でした」

 そう言うと、先輩はぷっと吹き出した。

「ホント、寺本さんは面白いね」

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