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12年目の恋物語  作者: 真矢すみれ
番外編2 規格外の恋物語
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番外編2 プロローグ

 わたしの好きな人は、わたしの親友に恋してる。


 知っていたのに、好きになった。

 気がついたら、好きになっていた。


 これは、どこにでもありそうな恋物語。

 どこにでもありそうで、でも、ちょっと変わった恋物語。


 規格外の恋物語。



「……なんで先輩、わたしの顔を見ると笑うんですか」

「だって、寺本、面白すぎでしょっ」

「……ていうか、まだ何も言ってないし」

「あはは。ごめん。思い出し笑い」

「……ま、いいですけどね」

「そこで、怒り出さないのもいいよね」

 先輩はわたしを見ながら、まだクスクス笑う。

 何がおかしいのやら。

「まあ、先輩の笑顔が見られるのは、悪くないですし、ね」

 私の言葉に、先輩は目を大きく見開き、それからふわっと優しく笑って、わたしの頭をくしゃっとなでた。

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