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序章 迷子2

さきほどの茶室から移動し、案内されたのは会議室らしい。

他の国との談合にも使われる格式の高い部屋らしく調度品も豪華だが広さもある。


「さて、それでは始めましょう。その前にこちらが我らが国イシュタルトのアーガイル・イル・ヴィラン国王陛下とその姫君サラ様とレア様です。」


国王と姫と言う単語に驚き急いでぎこちなくひざまつく自分と、どうしたらいいか分からない高校生4人。

どないせいっちゅうねん。

高校生じゃなくても現代日本人にはこんな礼儀作法はわかりません。


「顔を上げて下さい。勇者樣方は女神様の使者とされています。王族が相手でも頭を下げる必要はございません。ただ、最低限の礼節だけはお願い致します。」


「顔をあげらてくだされ。我々はあくまで貴方樣方にお願いさせていただく身、楽にして下さい。」


国王陛下にそういわれたら余計に困るのが日本人ですよ。。。


「えーと、すみません。こういう時どうしたらいいか分からないので助かります。」


そう答えるのは黒髪のロングの子。和服が似合いそうな美人だ。

着ているのは普通の高校のブレザーなのに品がある。

駅前に座り込むギャル達と同世代だとは思えない。


「まずは自己紹介といきましょうか。勇者樣方のことを伺っても?」


やはりここは年長者の自分から答えるべきか?

でも、さっきの話からすると自分部外者っぽいんだが、と迷っていると短髪のイケメンが話し始めた。


「はい、僕の名前はけいしといいます。坂本継嗣。隣にいるのは田中 有。そして、こちらの髪が長い彼女が森本 ゆな。その隣にいるのが海原 せつな といいます。そして、彼が。。。」


「しんです。野神 信といいます。」


近頃の高校生はしっかりしている。

イケメンになるとやっぱり性格も社交的になるのかな。

なんて考えてる場合じゃないか。この機会に聞いておかないと。


「すみません。早速、質問で申し訳ないのですが、勇者とか女神とかよく分からないのですがどう言う状況なのでしょうか?」


高校生4人がびっくりしている。

いや、そんなふうに見られてもわからないものはわからないんだから。。。


「え?女神様の話聞いていなかったんですか?」


短髪のけいしがきょとんとした目でおどろく。

すると、せつなと紹介された女の子が身を乗り出し、

「ていか、この人居なかったじゃない?私達4人しかいなかったでしょ。それに、さっきも4人の勇者とか言ってたし。なんなんだろう?えーと。日本人ですよね?」


はい。日本人ですよ。女神に会ってないですよ。だから状況が分かりません。


「はい、ですので詳しく説明していただければと。。。。」


国王陛下の説明によるとこうだ。


この世界では現在、魔族と人間の間に大きな戦が起きつつある。

現在は各地での小競り合いのようだが魔王の誕生により戦いが激化しているようだ。

そして、10人の勇者の力により魔王を倒す。というのが女神からの神託。

しかし、勇者は6人しか見つからなかったららしい。


ちなみに勇者の判別の仕方は簡単だ。そういう加護がつくらしい。

ので全国民に魔王復活と同時に加護検査が行われる。

産まれたばかりでもするらしいけど貧民街の人間は基本的に加護判別をしないらしく魔王復活の際は改めて行われるようだ。他に後天的に加護を得る人もいるらしくその判別のために行うらしい。

残りの4人が見つからず難儀していた所、国王陛下、6人の勇者、神託の巫女など世界の有権者たちに女神からの神託が下ったようだ。

4人の勇者を異界より召喚せよ。これが自分たちがここにいる理由。5人いるけど。


4人の話を聞くとここに来る前に女神から同じ説明があったようだ。

夢だと思ったみたいだけど、実際にここにいる。

女神から直接勇者の加護も受けたようだ。

これはこれから加護検査で分かるらしい。


「あの、状況は分かったのですが自分がここにいるのはなぜなのでしょうか?お話の通りだと勇者は4人で女神様に会ったそちらの4人だと思うのですが。私は関係がないようでしたらできるだけ早く帰りたいのですか?許嫁も待っているし。帰ってしなければならないことがたくさんあります。」


周りの空気が重い。高校生4人は勇者と言われ実感し喜んでるように見えるけど自分には関係ない。婚約者がいる、仕事がある、生活がある。世界を救って下さい?無茶言わないでくれ。というか、なんか間違いっぽいし。


「ふむ、大変申し訳ないのですが女神様から授かったのは召喚の儀だけなのです。」

あたりを沈黙が包む。


「あ、でも、魔王を倒したら褒美を与えるって言ってなかった?女神様。」ゆなが言う。


「ひとまず、加護の確認をさせていただいてもよろしいでしょうか?4人というのが間違いだった可能性もありますし。」


司祭の提案でひとまず加護の確認をすることになる。

加護検査事態は簡単だ。水晶に手をかざす。

すると加護が文字で表示されるらしい。1つあって当然。

2つあれば愛されし者と言われるほどの幸運らしい。


坂本継嗣。火の加護。雷の加護。剣の加護。瞬迅の加護。雷鳴の勇者。

田中有。氷の加護。水の加護。槍の加護。盾の加護。盾の勇者。

森本ゆな。四元素の加護。月の加護。武の加護。即決即断。紅の勇者。

海原せつな。癒しの加護。精霊の加護。防壁の加護。清らかなる者の加護。時の加護。愛の勇者。


みんな驚いている。2つあればすごいって話だからな。

なんか変な加護も混ざってるっぽいけど全部有用そうな加護なんだろう。

はたして自分はなにが出るんだろう?

勇者じゃなくてもなんかこう便利だったりすごい魔法が使える加護だったりするのかな。

緊張する。なんていうか合格発表みるみたいな感じだ。

先にすごいの見せられた分、不安になる。

4人よりすごいことはあり得ないだろうし。

でも、少し楽しみだったりする。

ゆっくりと水晶に手を置く。

ゆっくりと文字が浮かび上がってくる。

おそらく単語なんだろう。言葉が一つ。とりあえず加護一つか、

まあ、それが普通って話しだしな。

これからどうなるか分からないし使える加護だと良いけど。

というか、はやくなんの加護か教えてくれないかな。なんだか司祭さんが困った顔してる。

周りの覗き込んだ人達も同様だ。


「あの、なんの加護なんでしょうか?」

「えとですね、これは・・・・」

もったいつけてくる。そんなに珍しい加護なのか?


「なし、ですね。」


・・・・場を静寂が包む。えーと説明だと効果は小さくても一つは加護があるって話では。。。


「なしですか?」

「はい・・・すみません。私も初めてのことでして。

しかし、残念ながら「なし」と表示されています。」

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