二回戦
「…そう言えばさっきの試合…相手手を抜きすぎよね」
「力の三つが破られたら降参したしな」
「そうじゃないの実際ゲームマスターに成る力ってキャラメイクも出来るはずよね?」
「ゲームマスターって言うくらいだし可能なんじゃないか?」
「だったら軍勢出せるじゃないそれにゲームで言う最強技をいくらでも打ち放題じゃ無い…使用MP無しに出来るはずだし」
「…相手は勝つ気が無かったにも程があるな」
「手札を制限してって此処までするなら実際ナメプじゃない」
「それで負けてりゃ世話無いよ」
「単に勝つ気が無かったってだけの話よね?…つまり本気にさせられなかったって事じゃないの?」
「それは手札を一つ切らせたんだからある程度はさせたと思うぞ」
「…無敵に成るだけの力ってミスリードに使われてるじゃない…挙げ句万能では無いが大抵の事は出来るって言う始末…そりゃこの大会ではなくあの大会で勝つことの重要性は解るけど…」
「報酬はこの世界の神が神の都合のつく範囲で何でも願いを叶える…だったか」
「何を願う気なのかしら…大抵の事は自前で用意できる下地は有るのに」
「世界を変える願いとかかな?世界を壊すのは無理ゲーだし」
「変える理由が無いわよ」
「だな…なら神に成らせろとか?」
「それ神が許すかな」
「…うがー解らん」
「まあ後で聞けば良いでしょう…そろそろ時間ね…次の試合の会場に行くわよ」
「そうしようか」
そして試合会場へと向かうのだった
…あるところで青年イガルス・ルースターと熾天使ローエル・パラニカは作戦を練る
「…能力ジャックかぁ…何時もの手は通じないかな」
「私達の力は恐らく情報制御だと思われています…実際は膨大な情報を顕現と浸透させる力なのですが」
「だな…だから実際は何でも出せるし防御無視な訳だが…手札は隠したいよな……三つだけ手札を切るかな」
「何を出します?」
「焔とそれの下準備のあれこれとプラズマで行こうか」
「解りました」
…不穏な会話が終わり二人は移動を開始する
そして試合開始時間が訪れた
四人が入場するとアナウンサーが口上を始める
「さて今回の試合はジャイアントキリングを達成したルガシ・イルミナントとアーガス・イルミナージが出ますが対戦相手もまた鬼畜…瞬殺のイガルス・ルースターと天使ローエル・パラニカだ……どっちが勝ちますかね…まあ下馬評で言えばイガルスとローエルなんですがルガシ・イルミナントとアーガス・イルミナージが再びジャイアントキリングを達成するか注目の一戦です…」
諸々の事が続くのでまたしても話す
「イルードが来ると思ってたがな」
「悪かったなイルードじゃなくて」
「まあ良いどちらにしても結果は変わらん」
「それはどうかな?」
「…どうせ瞬殺は出来なかろうが…勝つのは此方だ」
「つまり此方の力はそちらに有効と」
「…」
アナウンサーが時間だと告げ審判がカウントダウンを始める
「試合開始まで」
「三」
「二」
「一」
「試合開始」
「まあ試させて貰うぞ」
半径十メートルある試合会場の一角に情報が満ちそれが五秒で全部埋まるペースで拡大していく
「アーガス」
「そうね」
其処で範囲外に逃げつつアーガスが銃を情報変換で出し撃ち込む…が
「無駄だよ」
情報の一部が障壁に情報制御され成り通らなかった
「能力の奔流に少し力を当てた程度では通らないか」
「そして止めだ」
二人は情報の奔流に呑み込まれた…が
「問題は無いのよね(流れ込む情報を変換して蓄積される前に破棄っと)」
「まあ問題は無いわけだが」
「やっぱりか……だがなら何故さっきは防げたのかね?其処に理屈が有りそうだ」
「それは後回しで良いから始めてください」
「おうよ」
其処でイガルスとローエルの二人はシェルターに籠った
「シェルターに籠ってどうしたよ…怖くなったか?」
…すると
くさい臭いが漂ってきたし心なしか暑くなってきた
「臭いし暑い?まさか…風よ」
換気を風で試みるが情報が固定されているのか殆ど換気出来ていない
「俺達の勝ちだ」
そして爆発が起きた
「やばい重力を外に向けて防御を…ぐはっ」
「……」
…フラッシュオーバー現象だった
…しかも防御無視で有るから?
一撃必殺だ
…対抗策は爆発する前にガスを一気に取り除く事だが固定でそれも直前迄は叶わない…爆発で一気に動かす為には固定を解除する必要が有るからされてから爆発するまでに取り除く事が出来れば回避出来るが事前に対策を立てても実際無理ゲーである
…結局は作戦次第でどんなに強くとも瞬殺されることは有るのだった
審判が割り込む
「ルガシ・イルミナントとアーガス・イルミナージのダウンを確認カウントダウンを開始します」
十カウント以内に立ち上がらなければ敗北だ
「十」
「九」「八」
「七」
「六」
「五」
「四」
「三」
「二」
「一」
「零」
「試合終了…勝者はイガルス・ルースターとローエル・パラニカです」
「決まったぁ~イガルス・ルースターとローエル・パラニカの勝利です…しかし皆が隠し球を持っていますね…アタラクシア大会に向けて皆が調整しているようです…あの大会は魔境ですからね…切り札の一つや二つは持っていたい物でしょう…」
アナウンサーの実況が続くなかでルガシとアーガスは医療班に担架に乗せられて会場を去った
イガルスとローエルはと言うと
待合室に戻ってきていた
「これは切り札過ぎたしプラズマ使えば良かったかな」
「体感時間加速とか一秒を長く使える奴が居ないとそもそも対処が出来ないけど逆に言えばそう言うのが居れば対処出来るしね」
「まあつまり攻略はほぼ並列思考と一秒を長く使える力が前提って訳だな…」
「常に時間加速を使ってる奴とか例外も居るかもね」
「そいつ相手には…どうしようか」
「戦う前で考えましょう」
「そうするとしよう…ああ今思い付いた…試合開始直後から全身に情報を纏っておいて触れたら流れ込む様にしておいて流れ込んだらそれが超高圧電流に成るように細工しよう…先手必勝タイプにはこれで対抗出来る…問題は流れ込むスピードだが…情報だけで扱うなら電気信号と同じだから光速だし問題ない浸透の力も混ぜて満ちさせようとするから遅くなる訳だし…半径二十メートルの場所で戦うのだから平面的に見るなら全部埋め尽くすのは容易いし情報で全部の場所を埋め尽くした上でその情報を超高圧電流に変換しようそして空気を分解して酸素を全損させよう」
「私達の酸素はどうします?」
「宇宙服見たいに体に空気の情報を纏う様にすれば良いだけだ」
「…はい…ですね…ではそれでいきましょう」
…このペアには大技連発思考でも有るのだろうか?
それはともかくこの日の試合は恙無く終了したので有った
…今回の勝者二人は一部しか手札を使ってないが大抵の奴に勝てるはず…
能力防御が浸透で貫通されるんで今回の様に受け取った後に負担に成らない様に処理する形にしないと初手で詰みます
近寄っただけでジ・エンドです
…情報系の奴以外無理だよそんなの…