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僕はシグレ。

作者: 時雨
掲載日:2015/06/20

詩風に仕上げました。

僕は時雨(シグレ)

お姉さんのことが好き。


平日は朝と夜しかお姉さんに会えない。

寂しいけれど、昼は窓際でぽかぽか日向ぼっこ。

まあ、悪くない。

お姉さんが帰ってくる時間の5分前にはちゃんと玄関で待ってる。


僕は時雨。

お姉さんが大好き。


休日はたくさん遊んでくれるお姉さん。

でも、じゃらすのが絶望的に下手。

まあ、一生懸命にやってくれてるから別に構わない。


お姉さんは時々、何かを抱えて泣いている。

お兄さんが写っている写真を抱えて泣いている。

そんな時は、後ろから思いっきりダッシュして甘えれば、お姉さんは笑ってくれる。



僕は、捨て猫だった。

あの日は、雨だった。

段ボール箱の中で、雨に打たれる僕を包んでくれたあの温かい手。

まだ僕は生まれてから1年も経っていなかったと思う。

だからあまり覚えていないけど、その時はお兄さんもいた、と思う。


僕は時雨。

お姉さんとお兄さんが大好き。

なんだか、最近辛いんだ。

お姉さんは僕を心配そうに見ている。

何、気にするな。

お姉さんは、僕を無理やり病院に連れて行った。

お医者さんは、お姉さんに何かを言った。

その瞬間、お姉さんは涙を零した。


それから、僕は苦しさを感じるようになった。

それと同時に、お姉さんが必死に看病してくれているのも伝わった。

…お姉さん、無理してない?

僕は、大丈夫。

だから…



お姉さんが、倒れた。


過労、だって。

お姉さんは辛そうにしながらも僕の看病を続けた。


「時雨。大好きだよ。」

ある日、お姉さんがそう呟いた。

そうして、一滴の涙を零し、そのまま目を閉じた。


僕は時雨。

お姉さんが大好き。

だから、僕を一人ぼっちにしないで。


目を閉じると、色々な記憶が蘇る。

雨の中、差し伸べられた温かい手。

じゃらすのが下手くそなお姉さん、そんなお姉さんと僕を優しく微笑んで見守っていたお兄さん。

僕は……


僕は時雨。

お姉さんとお兄さんのことが大好き。


気がつくと空を飛んでいた。

ニャア、と一声鳴く。


外はしとしとと雨が降っていた。



閲覧ありがとうございました。

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