僕はシグレ。
詩風に仕上げました。
僕は時雨。
お姉さんのことが好き。
平日は朝と夜しかお姉さんに会えない。
寂しいけれど、昼は窓際でぽかぽか日向ぼっこ。
まあ、悪くない。
お姉さんが帰ってくる時間の5分前にはちゃんと玄関で待ってる。
僕は時雨。
お姉さんが大好き。
休日はたくさん遊んでくれるお姉さん。
でも、じゃらすのが絶望的に下手。
まあ、一生懸命にやってくれてるから別に構わない。
お姉さんは時々、何かを抱えて泣いている。
お兄さんが写っている写真を抱えて泣いている。
そんな時は、後ろから思いっきりダッシュして甘えれば、お姉さんは笑ってくれる。
僕は、捨て猫だった。
あの日は、雨だった。
段ボール箱の中で、雨に打たれる僕を包んでくれたあの温かい手。
まだ僕は生まれてから1年も経っていなかったと思う。
だからあまり覚えていないけど、その時はお兄さんもいた、と思う。
僕は時雨。
お姉さんとお兄さんが大好き。
なんだか、最近辛いんだ。
お姉さんは僕を心配そうに見ている。
何、気にするな。
お姉さんは、僕を無理やり病院に連れて行った。
お医者さんは、お姉さんに何かを言った。
その瞬間、お姉さんは涙を零した。
それから、僕は苦しさを感じるようになった。
それと同時に、お姉さんが必死に看病してくれているのも伝わった。
…お姉さん、無理してない?
僕は、大丈夫。
だから…
お姉さんが、倒れた。
過労、だって。
お姉さんは辛そうにしながらも僕の看病を続けた。
「時雨。大好きだよ。」
ある日、お姉さんがそう呟いた。
そうして、一滴の涙を零し、そのまま目を閉じた。
僕は時雨。
お姉さんが大好き。
だから、僕を一人ぼっちにしないで。
目を閉じると、色々な記憶が蘇る。
雨の中、差し伸べられた温かい手。
じゃらすのが下手くそなお姉さん、そんなお姉さんと僕を優しく微笑んで見守っていたお兄さん。
僕は……
僕は時雨。
お姉さんとお兄さんのことが大好き。
気がつくと空を飛んでいた。
ニャア、と一声鳴く。
外はしとしとと雨が降っていた。
閲覧ありがとうございました。




