あとがき
この小説を作成しようとしたきっかけは、中世ヨーロッパの世界観に惹かれ、大航海時代を舞台に船乗りの物語を描きたいと思ったところからです。広く果てしない大海原で、彼らはどんな思いを馳せ、どんな日々を送っていたことでしょう…知人の体験談や航海に関する資料を集め、脳みそをフル回転させながらイメージし、物語を構築してまいりました。
この作品を執筆するにあたり、より一層強く、海の魅力を引き出すため、「探検」に重きを置いた「活劇」のように考えておりましたが、出来上がった作品を読む限り、当初の自分の意図したものから全く外れる異色の作品となってしまいました…そして、文献を調べれば調べた分だけ、当時の個性豊かな航海士たちや当時の権力者たち、名も無き街の人たちと出会うことになり、もっと彼らのエピソードをふんだんに盛り込みたいと思いました。そのため、それらを網羅して作品を形成していった結果、一風変わったオムニバスのような物語になってしまいました…
と、ダメ出しだけでは立つ瀬が無いので、ここで、作品に対して工夫した点を上げましょう。ポルトガル王国の目的である香辛料等の海上貿易確立までの話で終わっては、日本までたどり着かないため、親しみにくい作品になってしまうのでは…と考えた小生は、彼らの航海を日本までつながるよう、物語のラストシーンを、少し驚く展開にしております。また、日本では、あまり馴染みの無い話なので、随所において時代背景を集約し、舞台の想像が容易にできるよう努めました。そして、ヴァスコ・ダ・ガマやコロンブス等の歴史上の有名人を登場させることで、さらに受け入れやすくなるよう、物語の設定を致しました。無論、完全なフィクションなので、彼らが同じ船に乗り込み、本説内で描いているようなはちゃめちゃぶりはありませんが…
ただ、苦悩と葛藤を繰り返す日々が続き、何度も挫折しかけました。何故なら、大航海時代に関する資料がとても乏しいからです。しかしながら、周囲の助力もあって何とか形にすることができた今では、「成し遂げた」と言う達成感が満ち溢れ、とても充実しております。
最後になりましたが、こうして連載を続けることができたのも皆様の温かいご声援があったからだと感じております。
この場を借りしまして、慎んでお礼を申し上げます。
ご愛読をして頂き、ありがとうございました。




