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STAGE 3-32 宗教を怨む者

またまた復帰いたしました! ただ、ちょっとボリューム少な目ですけどユルシテ!

7月9日 14:05



 布都が慌てふためき、太子様の目が据わる。真次にも怨霊の二文字が嫌に響いた。


「馬鹿な! あの場は我らか弟子たちでなければ入れないではないか!」

「私が知るか! 何故か侵入されて怨霊どもの大群に荒らされているのだ! 中心となっている者は、奇妙な旗を振り回す童女の怨霊と思われます! 太子様!!」


 意を決し、無言のまま歩き出す太子様。去りゆく背中を引き留めるため、彼は叫んだ。


「おい! 俺も連れてけ! そいつ今回異変起こしてる連中の幹部だ!」

「なんと!? それはまことか!?」

「多分命連寺襲ったヤツだ……『宗教家は死ね』と喚いてたらしい。特徴もそっくりだ」

「……お前なら対抗できると?」

「自衛と援護ぐらいはできるさ。本命は俺の能力だ。呪われちまった弟子さんたちを、その場で解呪できる」


 彼らには願ってもない申し出のはずだが、太子様はすぐに「うん」とは言わなかった。


「あなたの目的は? まさか治療するためだけだとでも?」

「医者として人治すのは当たり前だろ?」 


 真次は即答したものの、彼女はむしろ懸念材料が増えたと眉をひそめた。初対面の相手には話したくなかったが、時間を取られるよりは良いと、もう一歩踏み込んだ言葉を放つ。


「個人的に今回の異変の奴ら……怨霊どもを追ってる。その中に死んだはずの身内がいるみたいだからな」

「自分の手で決着を?」

「そこまでは考えてない。が、無視もできない」


 後から出てきた女が鼻を鳴らす。最低限理解できた……といったところか。隣の布都が顔色を窺い、太子様も一つ息を吐いて、ようやく首を縦に振った。

 

「良いでしょう。ただ、来るのなら役に立ってもらいますよ?」

「元よりそのつもりだ。急ごう、案内してくれ」

「ならば、我の後に続くがよい」


 布都が真次の前に立ち、彼には理解できぬ呟きを唱えた。袖を踊らせ、最後に縦に大きく振るうと、いつしかのスキマのように異空間への入口が開かれろ。動揺を押し殺した真次は、三人の道士の後に続き、彼女らが作り上げた空間へと身を投じた……



7月9日 14:20

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