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STAGE 3-11 蠢く影たち

まーーーーた投稿に時間かかってるよこの作者……しかも番外編に近い立ち位置です。許してチョ!

7月6日  18時以降――



 その頃、紅魔館も人里も――幻想郷内で力を持った者たちが、誰もいない辺境の森を歩く妖怪たちがいた。もちろん、彼らにとってもこの場所は滅多に来ない。人間もここまでやってこないし、妖怪たちにとっても立地が良くないからだ。


「本当にこんな場所にいるのかよ?」

「ばっかかおめぇ、あんだけ派手に荒らし回ってる奴が潜伏するには、ここぐらいしかねぇだろうがよ!」


 強い口調で、その妖怪は答えた。


「へへ、上手く利用できるといいっすねぇ……あの怨霊が暴れ回った後、俺たちが幻想郷のブイブイ言わせちまいましょう! 所詮怨霊の群れだ、満足すれば成仏するはずですぜ!」


 既に今回の異変が、謎の怨霊集団によってもたらされている事は、幻想郷の住人に広まっていた。理由も目的もはっきりしていないが、怨霊である以上恨みを抱き、それを晴らすため異変を起こしているのだろうと誰もが思っている。


“『人里の襲撃』の提案か……ちゃんと加減するか? あいつ……”

「そこまで馬鹿じゃねぇだろ? 最悪やり過ぎたら横槍入れて俺たちの手柄にしちまおうぜ」


 不安がる妖怪「のっぺらぼう」の念話を、別の妖怪が一蹴した。彼はつるつるの顔に皺を寄せたが、誰も気がつきはしなかったようだ。

 彼らは、幻想郷に住まう雑多な妖怪たちだ。自分から異変を起こす力は無く、しかし現状にも満足していない妖怪の群れである。そんな彼らが集い計画している事とは、今回の異変の相手との交渉だった。

 相手に人里への襲撃を提案し、こちらもある程度の支援を行う。そして人里を押さえたあと、管理者『八雲 紫』から便宜を引き出す。自分たちは矢面には出ず、既にいる悪役を誘導して上手く行けばよし。失敗しても自分たちにリスクはほとんどない。難癖をつけてくるのは一名だけで、後は概ねこの流れに乗っていた。

 残るは場所の特定だったが、文々。新聞の情報は極めて有益なものだったと言えよう。それに紅魔館の面々と対等に渡り合えるような相手なら、話が通じる可能性が高い。ならば、どこに潜伏しそうかを考えた結果――辺境の森周辺となったわけだ。


「! いましたぜ!」


 指さした先にいるのは一人の男。真っ黒な神父の衣服に、右手に十字架、左手に銃。そしてドス黒い気配を漂わせる中庸な体格……間違いなく異変の関係者だと確信し、一同は慎重に近づいていった。

 グルル……と低い唸り声が脇道から聞こえ始めたところで「おっと、ストップ」と妖怪の一人が声を出す。既に男は眼光鋭くこちらを睨んでおり、手に握られた銀色の銃器は、迂闊なことをすれば撃つと告げていた。


「俺らはあんたに用があって来たんだ。敵になるつもりはないし……ここにいる奴らはみんな八雲のヤローが気に入らねぇ。そこで提案があってな。あんたらのボスに取り次いでくれるかい?」


 その言葉を聞いても、指も視線も、何一つ変わることのない男。こちらの言葉が通じていない。そう思わせるような、徹底した冷厳さを全身から発し続けている。不穏な空気が漂い始めたその時、ようやく男は言葉を放った。


「……いいだろう、ついてこい」


 サッと背を向けて、冷たい意思を漂わせたまま男は歩き始めた。妖怪一同から安堵の息が漏れるが、やはり彼……のっぺらぼうの妖怪は不安なままで、むしろ増大した気さえする。本当は今すぐ逃げ出したいが、既に周辺を黒い狼どもに囲まれ監視されている。もはやなるようにしかならないのだと、やけくそ気味に諦めた。

妖怪たちは大体30人ぐらいの集団です。本当は細かく描写したいとも考えたんですが、さすがにね?

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