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STAGE 3-8 再会Ⅰ

ごめん、遅くなりました! 詳しくは活動報告にて……

 7月6日 15:35



 紅魔館襲撃事件。その話は参真の耳にも入っていた。

 参真たちのいた場所は少々遠く、到着は午後になってしまったが、こうして見た目は無事なところを見ると、大きな問題はなさそうである。


「会わせたい人って誰だろうねー?」

「さぁ……?」


 そうして到着した二人だが、二年前に来た時とは異なり、咲夜にすぐ建物内に入れてもらえるわけではなかった。どうも、自分たちに会うことを希望している人物らしい。モデルにしてほしいという願いなら大歓迎だが、弟子入りなどと言われた場合非常に困る。参真のスタイルは間違いなく我流だからだ。

 しばらく外で美鈴との三人で昨日のことなどを聞いていると――二人の人物が館から歩いてくる。射命丸文と――白衣の男だ。

 参真は大きく目を見開いた。もう会うことはかなわないと思っていた相手だからである。


「よぉ参真。久しぶりだな!」

「真次……兄さん!?」


 実に七年ぶりの再会。お互い少しばかり背は伸びたが、参真から見た兄、真次の印象は全く変わっていない。もう一人の兄の葬式に会った時以来だが、見間違いようがなかった。


「な、なんで兄さんが幻想郷に!?」

「ゆかりんにこっちに来ないかって誘われてな。一日待ってもらってから移転したぜ。そっちのオッドアイの子が、参真の彼女か?」


 兄の質問に、二人は顔を真っ赤にする。


「そ、それは……その……うんまぁ……」

「え、えっと、多々良小傘ですっ! えっと……ご主人様のお兄さん」

「なんだ参真、主従プレイか? そんな性癖があったなんて知らなかったぞ?」

「え!? いやそういうんじゃないよ!?」


 あわてて否定する参真。しかし、もう一人の人物、射命丸がにやにやしているのを見て、はっとなった。あまりいてほしくない人物である。


「あの、射命丸さん。なんでここにいるんですか?」

「いやぁ、それはですね。真次さんに同席を依頼されたからなのですよ」

「……は?」


 意味が分からない。

 彼女の好奇心は高い方だ。自主的にくっついてきたならともかく、兄が同席の許可を出した? 射命丸にたぶらかされているのだろうか。そう思った矢先、真次が強い口調で、こう言いだした。


「さて参真、その子とのなれそめから現在に至るまで、洗いざらい全部吐いてもらおうか」


 ――冗談ではない。射命丸がいなければ話せるが、ここで話せば間違いなく記事にされて幻想郷中にばらまかれてしまう。それは避けたい。


「えっと……じゃあ射命丸さんに席外してもらって――」

「それじゃ、お前への罰にならんだろうが」


 はて? 罰?

 自分が何かしただろうか。残念ながら参真には心当たりがない。


「どういう意味……?」

「自覚なしかよ!? まーそんなこったろうと思ったぜ。お前さ、幻想郷に来たのは二年前らしいな?」

「そうだけど、それが?」

「じゃあさ――現代にいた五年間の間、どこにも連絡一つ寄越さなかったってどういう了見だ?」


 参真は固まった。

 確かに、電話どころか手紙一つ出していない。ほとんど人に会わずひっそりと山奥で絵を書きながら過ごす生活だったからである。


「そ、それは……山籠もりしていたからで……」

「それにしたって、最低でも家に置手紙書くとかできるだろうが」

「うっ……」

「てなわけで、文さん。やっておしまい! あ、できれば俺が無意識に遠慮して聞きづらそうなこととか聞いてくれると助かるぜ~」

「ふむ、といいますと?」

「ちょっとしたことからデリケートな話題までオッケーってこった」


 参真は真っ青に、小傘は逆に真っ赤になりながらしどろもどろするしかない。


「え、えっと、弾幕ゴッコで撃退しなきゃ!?」

「……いや、小傘ちゃん。ストップ。ここはおとなしくしよう……でないと後々もっとひどい目に遭いかねないよ」


 がっくりとうなだれながら、参真たちは射命丸の取材を受けるしかなかったのであった……


 7月6日 15:40

てなわけで、前作主人公参真と、今作主人公の真次が再会しました。彼と小傘の関係は前作を見てくださいね★(直球の宣伝)

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