STAGE 3-0 火刑の聖女
一日二話連続投稿します! 短いしね。
――時間軸不明――
「なぜだ! なぜ私の悲鳴を止める未来がないッ!!」
彼女は、『異能者』だった
その異能を使い、多くの悲鳴を止めてきた。後に未来まで語られる彼女の英雄談だが、その代償が――あまりにもむごい最後であった。故に英霊として祀られても、彼女の怨みは晴れない。
あの痛みを、あの屈辱を、あの絶望を! 忘れろと言う方が無理がある。
「ふむ、それで汝は、宗教を許せない訳だ。妖怪寺を襲撃したようだが、気は晴れたかね?」
「まだよッ! こんなんじゃ足りない!! 他に宗教家はッ!?」
「妖怪の山に、日本独自の信仰の神がいるが、あそこにはニアがいる、襲撃は避けるべきだ。となると――ああ、元為政者で宗教を利用していた輩がいるそうだよ? 君が最も許せない類の相手ではないかね? 侵入は難しいそうだが、君の『未来の音を聞く程度の能力』があれば問題あるまい」
「ふふふふ……あはははははっ! そいつは私が殺すッ! 私以上に、惨たらしく殺してやるッ!! 王よ。感謝します。我らが王に忠誠を!」
そうして女が……いや、少女が膝を折り、忠誠を誓うポーズをとる。
「いけ、『火刑の聖女』よ!」
「ハッ!!」
そうして、闇夜に彼女は消える。残された男は一人おもむろに空間に手を突っ込むと、そのまま適当に動かした。
どういう原理か不明だが、ひじから先が暗黒の空間につながっている。やがて作業を終えると、男もゆっくりと闇の中に溶けて消えた。
――時間軸不明――
二人目はもう、大方予想がついてるんじゃないかな。こういう風な描写されてる作品、結構あるしね。