STAGE 2-19 号外
オリジナルの方に時間をとられてちょっと時間喰いました。それではどうぞ
7月6日 08:45
彼にしては少し遅めの朝食をアリスととり、彼らは二人で後片付けをしていた。
アリスは人を泊めるのに慣れているらしく、ちゃんと別々のベットで眠ったし、特に男だからと言って妙な気を使ったりもしなかった。真次としては、ありがたいことである。
「真次。魔法銃の調整の続きをしましょう」
「発射はできたし、イメージの反映もできるようになった。あれで完成じゃないのか?」
昨晩、彼女が遅くまで調整を続けてくれていた真次の武装、おもちゃのオートマチックハンドガンは、アリスによって魔術的刻印を施され、既に魔法の武器として成立するレベルにまでなった。数回試し打ちしてみた所、イメージすれば炎や氷の弾丸が撃てるようになっていたので、てっきり完成かと思っていたのだが。
「暴発の危険性や、燃費効率化とか、細かい部分の調整がまだだわ。また何発か撃って見てもらうことになると思うけどいいかしら?」
「頼んだのはこっちさ。今さら断れんよ」
そして銃を取り出し、解体しようとした時であった。
「号外! 号外ですよー!! 今度は紅魔館が襲撃されましたよー!!」
やかましくも聞き覚えのある声に、真次は玄関の戸をあける。アリスが制止しようとしたが、遅かった。
「やぁアリスさ……あやややや!? 真次さん!? どうしてここに!?」
「ちょっと魔法を習いに来たんだが、色々あってな……文、号外と言っていたが、何があった?」
「そうそう! 大変なんですよ真次さん!! 昨晩紅魔館……幻想郷の一勢力の本拠点が襲撃されました! しかも――館の住人全員でも、苦しい戦いを強いられたそうです」
射命丸の言葉に、アリスの表情が曇る。
「……なんですって? あそこにはパチュリーも、咲夜も、吸血鬼姉妹もいるのよ?」
「ええ、その全員が同時に戦って、拮抗していたかやや押されていたそうです。私も大雑把にしか話を聞けなかったのですが――その襲撃主、『西本真也』と名乗ったそうです」
「……!?」
今度は真次が驚愕する羽目になった。なぜなら――
「そいつは死んだ兄貴の名前だ。七年前に自殺した……」
「あやや、西本性だからもしかしたらと思ったんですが、関係ありそうですね。それともう一つ……騒動を聞きつけた参真さんが、紅魔館へ向かっているそうです。基本あの人根なし草ですから、例の『計画』を実行するなら好機かと……」
自分たち兄弟全員が、幻想入りしている?
これは一体、何の冗談だろうと思いながらも……文の言葉に彼は頷いた。
「紅魔館に行くの? あそこに行くなら、私もついていくわ。パチュリーと共同でやった方が、作業がはかどるだろうし」
「そうか……じゃあ、これから紅魔館へ行くか。文、永遠亭に使い頼めるか?」
ポンと文は胸を叩く。
「お安い御用ですよ! それではお二人は先に行ってて下さい。多分泊まりになると思うので、私は真次さんの着替えとかも持って行きますよ」
「気がきくな。身体は洗ったとはいえ、ちょっと衣服までは洗濯できなかったからな……」
「……ゆうべは、お楽しみでしたか?」
「俺がホイホイ女に手を出す性格に見えるか?」
「冗談ですよ冗談! じゃあ、また後ほど!!」
高らかに笑って、文はあっという間に消えていった。
呆然と残された二人に、ふとアリスが言った。
「……真次」
「? 何だ?」
「私に手を出そうとしたら、自動で人形がおしおきするようにセットしてあったのだけれど、今回は切ってたのよね」
「それは……悪いな、銃のセッティングで疲れちまったんだろう。でも男を泊めてるんだから不用心なのはいただけないぜ」
「……ねぇ真次、あなた朴念仁って言われない?」
「言われるが、何か?」
はぁ、とアリスが一つため息をつく。
真次は訳がわからないまま、アリスと共に紅魔館を目指すことになるのであった。
7月6日 09:11 STAGE2 End
ではでは! 次から紅魔館編および、ステージ3ですよー!!




