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STAGE 0-5 深夜の急患

投票ですが、票数が少ないので、十話まで延長します!


                  6月20日 00:26



 その夜――八意 永琳は夜遅くまで薬の調合を行っていた。

 久々に自身も出かけ、その先で薬の材料を大量に確保してきたのである。

 そのままついでに、薬品の作成していたのだが、予想以上に時間を食った。試しに新しい素材で調合したのがマズかったようだ。まぁそれでも、薬として形に出来てしまうのが「月の頭脳」と呼ばれる所以であったりするのだが。


「さて、そろそろ寝ようかしら……」


 成果に満足し、ふああとその場であくびを一つ。いくら天才で不老不死であろうとも、疲れれば眠りたくもなる。

 その時だった、乱暴に永遠亭の屋敷の戸が叩かれたのは。


「ふああぁ……なんですかこんな時間に~……」

「ウドンゲ。そう言わずに出て頂戴」


 寝ぼけ眼で生返事をし、ふらふらと扉の鍵を開けに行くウドンゲ。彼女もつきあわせたので、既に半分眠っているようなものだ。その彼女が――切羽詰まった声を上げて、こちらに慌てて戻ってくる。


「し、師匠! 大変です!!」

「……急患ね。寝る前に一仕事と行きましょうか」


 永琳は薬師が本業だが、天才である彼女は外科の知識も持っており、こうした怪我人に対応することも可能だ。とはいえ、立地が悪いので滅多に来ないが……


「藍! 藍しっかりしろ!! 意識を保て!!」

「………つい…と………な……君…」


 張りのある声とは裏腹に、返事はひどくか細い。そして何よりも――


「八雲 藍!? どうして……」


 どうして大妖怪であるはずの彼女が、こうして弱弱しく、若い白衣の男に肩を預けている? 彼女ほどの妖怪ならば、肉体の傷など即座に回復出来ておかしくないのに、いかにも人間が傷を負ったような状態だった。


「よくわからんが、黒い狼のような奴に噛まれた! そしたら傷が塞がらないらしい! 先生たちは検査を頼む。俺は傷口の方を塞ぐ!!」

「えっ……塞ぐってそんなこと……」


 ウドンゲが信じられないという表情で見つめている。そんな高等な処置ができると思ってもいないのだろう。だが、永琳は違った。

 服装が白衣の職業は限られるし、素人にしては応急処置が的確過ぎる。何より、傷口に巻かれている清潔な白い布は、藍の持ち物ではないだろう。となれば、自然と結論を出すことができた。


「貴方、外の世界の医者ね?」

「話が早くて助かるぜ。向こうじゃ外科担当だった。輸血と無菌室の準備を頼めるか?」

「……分かったわ。ウドンゲ、貴女は血液検査の方をお願い。先生、助手は私が務めますわ」

「ああ、頼む!」


 この永遠亭で外科の知識があるのは自分ぐらいなので、ウドンゲは解析に回し、自分は彼の処置を手伝うことにする。すぐさま永琳は、奥の手術室の準備を始めた。



                   6月20日 00:30


票は散りに散って最大獲得票が2票の大混戦。票数ゼロのキャラでも簡単に逆転出来る差ですね。誰がヒロインになるのかなー?

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