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STAGE 2-4 異変

追記:誤字と、退治屋が外国語を使ってた部分を日本語に修正しました。

 6月28日 14:26



「真次先生……大丈夫でしたか?」


 ウドンゲが優しく気づかってくれたが、金髪の妖怪にも言った通り、見た目よりは痛くない。むしろ問題なのは、あの後消えてしまった退治屋の行方だ。

 退治屋仲間たちも必死のようだが、突然過ぎて対応ができていない。真次にも全く心当たりがないし、恐らくは真次のかばった女性のせいでもないだろう。


「何だったのよ。あれ」

「わからん。これも、異変ってやつなのか?」

「妖精が活性化することがあっても、人間が消えるなんてありませんでしたよ?」

「そうね。あるいは……今回の異変が、そういうものなのかしら……?」


 ウドンゲと女性に聞いてみたが、通常異変でこんなことが起こることはないらしい。今回の異変が特別なのかもしれない。だとしたら、早いところ元凶を突き止めてとっちめないと大変なことになる。

 三人で話していると退治屋の一人が、こっちに寄ってきた。近づくとすぐに彼は頭を下げる。


「あんたら、すまんかったな。こんなことに巻き込んで……消えちまったアイツ、普段はあんな奴じゃないんだ」

「というと?」

「攻撃が苦手で、守りに特化した奴だった。性格もわりと温厚だったんだが……この前の黒い狼を退治する依頼で、一緒に出て戻ってきてから、明らかにおかしくなった」


 彼の話が事実なら、確かにおかしい。あの様子は荒ぐれ者のそれだった。


「……退治の時、何かおかしなことはなかったか?」

「いつも通りの陣形で、アイツが守り役、残りは弾幕で攻撃だったんだが……しばらく戦ってると、珍しくアイツ、反撃の弾幕を撃つようになったんだ。俺たちも妙だとは思ったが、まぁアイツも一人立ちしたいのかもなとぐらいにしか思わなくてな……」

「ついでに聞くが、怪我人は?」

「ああ、それはいない。アイツが守ってくれてるおかげで、俺たちは被弾なし。かなり食らってたはずのアイツも、そういや弾幕での怪我はなかったな……」


 彼らの証言は、文との情報とも合致する。彼女の情報収集能力は高いと考えていいだろう。


「それで、どうおかしくなったんだ?」

「『怒りっぽくなった』と言うのが俺たちの意見だ。いつもイライラしているというか……滅多にそういうことはない奴なんだがな。それで、気晴らしに呑みに誘ったら、こんなことに……アリスさんにも悪いことしたな」

「気にしないで。後のことを考えれば、あの時既に様子がおかしかったと考えるのが自然よ」


 アリスの言うとおり、発火自体は突然の出来事だったが、前に様子が変わっていたのなら――それが前兆か何かの可能性は高い。そして、あの狼も関わっている可能性も。


「とにかく、俺たちはもう少し気配を探ってみる。兄ちゃんたちもアイツを見かけたら教えてくれ」

「ああ」


 退治屋たちと別れ、真次たち三人はどうしたものかとお互いの表情を窺う。さっきの酒場はあんなことがあったので、とても呑める空気ではなくなっている。


「どうします? どっかで飲み直しますか?」

「いやいやいや、まだ飲むのかウドンゲ!?」


 真次もウドンゲも、結構呑んでいたのだが全く酔っている様子ではない。だから、呑もうと思えばいけるが、真次としてはそんな気分にはなれなかった。


「うーん。あなたの話もちょっと興味あるけど……私もパス」

「えー……アリスさん呑んでないんじゃ?」

「そうだけど、買い足しもあるから」

「……このことも永琳に報告せにゃいかん。とっとと帰るぞウドンゲ」

「ノリ悪いですね……」


 しぶしぶウドンゲも帰ることを決め、アリスと呼ばれた彼女と別れて永遠亭へ向かう。

 始まったばかりの異変は、しかし確実にその波紋を広げていきつつあった。



6月28日 14:35


 最近伏線ばっかで回収してないなぁ……まぁ前半だから仕方ないね。今回の話で勘づいた人、いるかなぁ……

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