STAGE 2-0 英知の牧師
埋め合わせと言ってはなんですが、今回は一日二回投稿しちゃうぞー!
――時間軸不明――
「すまない……君は一体何を言っているのかね?」
それは、待ちに待った自身の研究成果の発表会での出来事であった。
長年に渡る研究成果、導き出された偉大なる法則の、その発表会。
ひとしきり発表が終わったところで、何か質問はと彼は言葉を発したのだが、それに対して返ってきた言葉がこれである。
ただ、それは一人ではなく――大勢の人間が、彼の研究を理解せず、あるいは否定的であった。
彼の理論を支持するものは、誰一人いなかった。
衝撃であった。これだけの時間と研究を重ねて、データも十分にとったのにも関わらず――当時彼を支持するものは、いなかったのである。
そして、彼はその研究から遠ざけられ、やりたくもない分野の研究へと飛ばされた。
――発表から数年間は、地獄であった。
無理もない。真面目な発表会で、誰一人理解されないことを発表したとなっては、誰からも白い目で見られた。中には露骨に嘲笑する者さえいた。
ストレスと自身の憎しみにさらされ、彼の精神と肉体はすり減っていく。
結局……十年もしないうちに、彼は死んでしまった。
「何故だ!!」
彼は宵闇の中で叫んだ。
これは紛れもなく世紀の発見だ!
何故それを評価し検証しない!!
そして、何故私を愚弄する!!
憎しみは憎しみを呼び、絶望が彼を蝕む。
幻想に堕ちても、彼は叫び続けた。
「ふむ、それで汝は、真実を見つけながら、正当に評価されなかったわけだ。その苦悩、その絶望……私にはよく、理解できる」
魂が混ざり合う世界の中、その男は確かに言った。
混ざりつつあるからこそ、わかる。
かの者は本当に理解している。自身の味わった絶望を。それだけではない。ここにいる多くの無念を理解し、同調している。
普通の人間ではあり得ない光景に、彼は目を奪われ、両手を組み、頭を垂れた。
そして彼は静かに念じる。
『我らが偉大なる王に祝福を!』
――時間軸不明――
さぁ、ここからが作者の本番だ……
さて、察しのいい人ならわかったと思いますが、今作の敵サイドにはほぼ全員にちゃんとした元ネタが存在しています。
はっきり言います。おそらく独自の味付けになってるでしょう。間違いなく気にいらない人とか出てくると予想されます。
でも、あえて言わせてもらいます。これは友人との会話でもあり、作者の考えでもあるのですが――「元ネタのある人物をその通りに書いて、何が面白いんだ?」と。
なので、気にいらないと思ったら、そっとブラウザバックしてもらえればいいと思います。




