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STAGE 1-0 星屑の航海者

よーやっとステージ1を始められる。

え? ステージ0の0はどこかって? さーどこだろうなー気になるなら前作読むしかないなー(棒読み)

追記:気にいらないところがあったので修正しました。

それは、あまりにも孤独な旅路であった。

 暗黒の世界への、行く当てもなければ、旅の道連れもいない。

 唯一の救いは、自らを送り出した故郷からの、細い電波の糸が繋がっていたことである。

 だけど、それももうずいぶん前に切れてしまった。

 送り出した故郷の人々は知らない。彼女らに魂が宿っていることに。

 無理もない。彼らは勉学を重ね、科学の髄を結集させて彼女たちを作成し、計画を練り、運用しているのだから。

 つまり――彼女たちの運命を握っているのは彼らなのである。

だが、彼らが彼女に与えたミッションは、そこに魂が宿っていたとするならば、あまりに酷な話であった。

どこにいるかもわからない。辿りつけるかもわからない。友好的か、敵対するような間柄か、それさえも不明。

知的生命体との接触。それが、彼女に与えられた、当初の計画から存在していた、最後の役割。


「お母さん……お母さん……」


 彼女と主に通信をしていたのは、女性だった。

 だから、彼女はその相手のことを、「母親」と呼ぶようになっていた。

 しかし――時ばかりが無常に過ぎて行く。幸か不幸か、彼女は何にも衝突することなく、星屑の果てへと航海を続けていた。

 けれども、それが母星へと届くことはない。とっくに通信距離の限界は超えてしまっている。

 いつしか、彼女の現状は不明瞭になり、それは実質的に「忘れ去られた」こととなった。

 それは必然であった。彼女の後輩が、傷だらけになり、無数のトラブルに見舞われながらも、自らの命と引き換えに星の欠片を母星に届けた時も――彼女は、話題にすらならなかったのだから。

 だが――そこからの「幻想入り」は想定していなかったのか、彼女は付喪神でありながら、本体は現実世界へ、魂だけが幻想郷に入る……はずだった。


「ふむ、それで汝は、どういう訳か八雲の手違いでここへ来た訳だ。この、拒まれた幻想を、混ぜ合わせる結界に。しかし、幸運なことに、混ぜる対象になっていなかったから、結界内には閉じ込められたものの、無事みたいだな。

 諸君。彼女は同朋にして同志にあらずのようだ。そこで――彼女は幻想郷に到達次第、開放することにする。また、極力攻撃も避けるようにしよう。さぁ『ニア』、幻想郷が滅ぶまでの間、つかの間の自由を堪能するといい……」


 その約束は、男が幻想郷に入り、不死の人間を含めた妖怪たちを屠り終えたあと、果たされることになる。

 解放された彼女が、まず最初に行ったのは――


「お母さん!」


「母親」との連絡。それは、帰還を想定していなかった彼女にとって、果たすべきことであった。数十年の暗黒の中の旅は、彼女の精神を疲弊させるには、十分過ぎたから。

 本当に微弱だが、反応がある。彼女はそこへと飛んでいく。彼女にとって、飛ぶことは当たり前であり、自然な行動だった。


「お母さん……今行くね……」


 衰弱しきった彼女は、ふらふらと飛びながら、発信源を目指す。

 そこが妖怪たちの、縄張りだとも知らず。通信先の相手が、以前と違うということも知らないまま……


 STAGE 1 START


 さて、この小説の方針ですが、新しいステージになる前に、ちょっとしたボスキャラのプロフィールと言いますか、小話みたいのが出てきます。それをヒントに、正体を探してみてくださいね。ああ、今回は前作と違って、ちゃんと正体がわかるようにしてるんで安心してくださいね~

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