STAGE 6-22 幻想郷防衛戦・1
7月23日 12:00
『来た! 怨霊たちが……急に出てきた!? 神社が囲まれてる!!』
「みんな聞こえた? お客さんだよ!」
通信機の前に座るにとりが、遥か高高度から見下ろすニアの言葉を伝える。
何名かは気配を肌で感じたのか、周囲に現れた怨霊へ身構えていた。
地上だけではない、上空にも生気のない影がふわふわと漂い、そのくせ瞳には強い敵意が浮かんでいる。憎悪を深く深く湛えた群れが、博麗神社へ進撃を始めた。
「来るわよ! 弾幕を張って!!」
上空が弾幕で覆われ、色とりどりの光が神社から飛び出して、怨霊たちを撃ち落としていく。何人かは神社の上へ飛び出し、スペルカードで応戦した。
「溺符『ディープヴォーテックス』!」
「水符『河童のポロロッカ』!」
「波符『赤眼催眠』!」
炸裂音が連続し、バタバタと怨霊たちが墜落していく。消えてゆく影、倒れていく怨霊の後方から、別の怨霊が次々と後続の怨霊が迫って来た。
恐怖を感じず突っ込んでくる敵。見渡す限りの敵のラッシュが、真次の目にはこう映った。
「まるでゾンビ映画だなチキショウ!」
「喋ってないで弾幕張る!!」
霊夢の叱責に、銃声で彼は答えた。恐れを知らない死者の群れが、うめき声を上げ迫ってくる不気味な光景。引き金を引き続け、一人でも多く亡者を狙う。
360度敵だらけで、適当に狙いをつければ敵を倒せた。制空権を取られないように、ひたすら亡霊を撃ちまくる。倒す手ごたえがあるのに、一向に敵の数が減らない。焦りを感じる敵の壁へ、押し込まれないよう応射した。
一方地上からは、狼型の怨霊が駆けあがって来ていた。
階段は勿論の事、側面の森林も怨霊は走破きる。地上も上空も、全方位から怨霊軍団が攻め込んできていた。
「来ました! 白狼天狗隊、総員抜刀! 迎撃用意!!」
森の斜面で待ち伏せていた天狗たちが、木漏れ日に剣を閃かせる。敵の影に動揺した狼が、側面から飛来する弾幕が襲った。
鴉天狗隊が木と木の間を、疾風の如く飛び回る。足を止めたり、しり込みした相手を狙い、戦力を削いでいった。
畳みかけるように白狼天狗が飛びかかり、狼の牙と火花を散らす。爪を弾き、腹部を剣て突き刺し、神社側面の怨霊は数を減らしたが……
「! 何匹か抜けた!」
上空より数は少ないものの、素早く影のように走り回る狼は、防衛戦をすり抜けてしまう。鳥居横を駆け、興奮のまま口を開いて、涎を垂らし迫る獣へ――白い入道雲の手が張り手で阻んだ。
「やっちゃえ雲山!」
一輪の声援に答え、入道雲の妖怪が怨霊狼を吹き飛ばす。天高く宙を舞った群れが、地面に激突し消え去った。
別の側でも――
「氷符『アイシクルフォール』!」
「蠢符『ナイトバグストーム』!」
「夜符『ナイトバード』!」
「夜盲『夜雀の歌』!」
仲の良い四人組が、一斉にスペルカード放ち、上空にはびこる怨霊を蹴散らしたり――
「恋符『マシンガンスパーク』!」
白黒の魔法使いが、連続で極太レーザーを乱射したり――
「二番勝負『肉食化弾幕変化』」
マミゾウの動物弾幕が、狼と絡み合い激しくぶつかった。
華やかな弾幕が乱舞する中で、博麗神社は無傷のまま。
口ほどにもない。尻すぼみになる敵勢力に、このまま勝てると誰もが思っていたが――
「越境『ヘルゴーストリバース』」
悪意に満ちた声。悪意しかない声。悪意を叫ぶ宣言が、響いた。
消えたはずの怨霊たちが、再び群れを成して襲い掛かる。さらに人型の怨霊も出現し、別々の武装で、隊列を組み階段を駆け上ってくる――
しかし階段の中腹で、二人の女性が門番の如く立ちふさがった。遥か天からやって来た二人組だ。
「ここから先は」
「通さないわ!」
7月23日 12:12
スペカ解説
越境「ヘルゴーストリバース」
斃れた怨霊たちを、強制的に復活させるスペルカード。異常な物量持ちな上、復活札まである怨霊たち。(しかもスペカなしでも、時間をかければ妖精の様に復活可能)
さーついに始まりましたよ、ラスボス戦! しばらくスペカ解説増えるなぁ!




