表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/216

STAGE 5-8 合流と戯れ

7月17日 13:35



 地底の町を抜け、地霊殿の裏側――灼熱地獄の入口を素通りした奥に、その洞窟は存在する。

 灼熱地獄の熱気が侵入するため、入口は湿気がこもり蒸し暑い。しかし不快な環境が怨霊の足を遠ざけたのか、争った跡はない。


「大丈夫そうだな」


 腕に抱えた黒猫が小さく鳴く。猫の姿では表情を読み切れないが、無事を喜んでいるのは間違いない。


「人の姿に戻れるか? 先に行って様子を見てきてくれ」


 腕の中から黒猫を放してやると、てくてく奥へ進んで視界から消えた。これでさとりとペットに敵と勘違いされ、弾幕を張られることもあるまい。

 足音を隠さず、ゆったりと暗い洞窟を進む。明かりは煙草を吸う時用のライターを使った。それでも心もとないが、何もないよりマシである。

 揺れる炎と、自分の呼吸と足音だけを聞いていた真次は、進む先から響く話し声を聞いた。


「さとり様……! 無事で……!」

「よくやってくれましたお燐。この戦いが終わったら、ジュースを奢ってあげます」

「⑨本でいい」


 朗らかな声色の片方は、真次が連れてきた猫の少女だ。再会を喜ぶ二人の話は、戯れを含んだやりとりも多い。その文脈の中に、現代の風潮が混じっているのは気のせいだろうか? 頃合いを見計らって合流する。

 視線が合ったピンク髪の少女。地底の主の第一声は『アイサツ』だった。


「ドーモ。西本真次=サン 古明地さとり=デス」

「アイエッ!?」


 初手から放たれる現代ネタに、つい別の反応で応じてしまった真次。スゴイ=シツレイに値するその行為を、さとりは全く咎めずに続ける。


「一体いつから……幻想郷で現代ネタが通じないと錯覚した?」

「なん……だと?」


 どことなく悪党の風貌で、古明地さとりは笑っている。


「私は妖怪さとり……人の心を覗く妖怪。このサードアイのマインドスキャンからは逃げられまセーン!」

「なんてこった! マインドシャッフルでごまかし……あダメだわ。もう一人のボクなんていねーわ」

「よってトムの勝ちデース!」


 つられて真次も笑ってしまう。古明地さとりはお燐から主と呼ばれ、他にも大勢のペットに慕われていると聞いていた。なるほど中々愉快な性格である。

 何より、お燐にスルーされてしまった現代ネタを、しっかり拾ってくれるのはちょっと嬉しい。これは幻想郷の住人は悪くないのだが、どうしても空回りしてしまうからだ。

 真次の内面を読み取ったさとりは、やはり悪役顔で彼に嘯く。


「ふふふ……それで困惑する幻想郷一般ピーポーは見ものですよ?」

「返って来ないの承知で振ってるんかーい!」

「ええまぁアレです。私なりの愉悦、と言うやつです」

「その単語は悪趣味に聞こえるんだが!?」


 息の合った漫才コンビの様に、軽快軽薄な言葉を投げ合う二人。お燐と、その隣の少女や周りのペットは、二人しかわからないやりとりにぽかんとしている。


「さ、さとり様……? お医者様もどーしたんだにゃー……?」

「何が何だか、分からない!」

「お空も混ざらにゃいで!? アタイ以外ボケなのはちょっと……」


 混沌とする暗がりの中で、お燐だけが真剣に悩んでいる。笑いあうのもほどほどにして、真次はさとりと目を合わせた。


「妹さんに世話になったんでな。借りを返しに来た」


 瞳を見つめ返し、さとりは人間の内面を読む。彼も経緯を思い浮かべて、彼女へ口答での説明を省けるよう努めた。

 真次がここに来た動機、今の地底と地上の異変状況……そして救出の手はずを読み取ったさとりは、彼に一つだけ問うた。


「こいしは無事ですか?」

「わからん。生憎俺には、上手い事認識できなくてな……」


 顎に手を添え、何事かを思案するさとり。そんなに心配はしていないのだろうか?


「んー……楽観している感じです。なんだかんだであの子はいい子ですから。お姉ちゃんを残して死んだりしませんよ」


 読心術で真次の心象を読み取り、彼の疑念を先回りして回答する。これが妖怪さとりか……しきりに感心する人間に、もう一度さとりはおどけて見せた。


「さっとりーん、と呼んでもいいんですよ?」

「……ものすごく不遇な扱いを受けそう」

「じゃあ琴浦さ―」

「それは色々とマズいからやめーや!」


 再び脱線し始める二人を、お燐が半眼で呆れながら呟く。


「おふざけは時間と場所をわきまえて欲しいにゃ……」

「お燐……あなた英国生まれの帰国子女だったのね!?」

「あー……さとりさん? そろそろ俺も合図をしたい。色々と名残惜しいが後でな?」

「つれないですねぇ」


 両手を広げ、悪びれもしない少女へ、ちょっと強めに警告した。


「……これ以上引っ張る気なら、マーマイトの味を想起するぞ?」

「えっ……あなたアレを食べたことが……?」

「詳しく思い出そうか?」

「遠慮しておきます」


 真次としても、あの食材の味は若干トラウマになっている。劇物レベルの塩辛さと独特の臭気、さらに苦みを感じさせるのに、健康食材として正しさが立証されているのは、今でも色々と納得いかない。


「感想だけでお腹いっぱいです。早いとこ離れましょう」

「うんうん! 助けも来たし、みんな一緒に洞窟から離れよう!」

「お空……今のは話題からって意味で……」

「うにゅ?」


 無邪気な様子で首を傾げる少女。裏表のないお空の眼差しに、さとりは何も言えなかった。胸の内で、お燐はグッとこぶしを握り、真次も苦笑しながら洞窟の外へ足を向ける。


「これから合図を出す。点呼なり準備なりしておいてくれ」

「しょうがないにゃあ……」

「さとりさんがそれ言うのか……」


 軽口をほどほどに外へ出た真次は、おもちゃのリボルバー銃を空に向ける。

 程なくして上空に二つの花火が上がり、それを合図に、地底二度目の大規模戦闘の火ぶたが、切って落とされた。



7月17日 13:51

フリーダムさとりん。ここのさとりんはネタ振りまくって、相手が困惑するのをニヤニヤ眺めるのが趣味です。が、真次君とは波長が合う模様。以下没ネタ集どうぞ


初手会話


さとり「遅かったじゃないか……」

真次「弱王!?」

さとり「聞こえるか? こちらに逃げ込め!」

……いや、お前が救出対象だろさとりん



さとり「流石伝説の潜入工作員ね……段ボール箱はいかが?」

真次「ドラム缶でお願いします!」

前回のネタを絡めた感じ。何とかしてこの系列のネタを使いたかったのですがこの後さとりが……

さとり「うっ!うぐっ!?(胸を押さえる)」

真次「え!? おいおいまさかフォックス……」

さとり「ダァイ!(パタリ)」

……と叫んで、死んだふりしてお空やお燐がパニックになるので却下。次、マインドスキャン周り。


さとり「そう言えばあなたの懐に、リボルバーとブローバックがありますね……融合すればガトリングに?」

真次「OCGネタまでカバーしてるのか! さとり、貴様やり込んでいるなっ!!?」

……通じる人が狭いので却下。次、英国面周り


さとり「お燐……あなた妖怪紅茶くれだったのね!? 火車も実はパンジャンドラムなんでしょう! そうなのでしょう!?」

真次「いい加減にしねぇとスターゲイジーパイぶつけるぞコラァ!」

いやぁ、P1グランプリはすごかったですね……サトリチャンカワイイヤッター

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] さとりのキャラがすごいwww!ばんころ〜 サトリチャンカワイイヤッター!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ