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STAGE 0-12  常識と非常識

約二週間がたちましたが、まだ票数にそこまで差はないようですね。

半月後が楽しみです。

6月20日 15:25



「いや~存外楽しかったわ。まさか最高記録更新できるとは思わなかったわよ?」

「そりゃこっちも同じ感想だ。四週目クリアまでいけるとはな……ま、二人プレイだから通常の記録とは別でとっておくべきなんだろうけどなぁ……」


 和気あいあいと、先ほどまで遊んでいたゲームの感想を言う二人。満足のいくまで楽しめたようである。


「う~ん。さてせっかくだし、身体も動かそうかしら?」

「その格好で動くの大変じゃあ……?」

「ああ、霊力とかで補助してるから大丈夫よ」

「……その手の力はよくわからん。ついでに聞くが、俺にもあったりするのか?」

「能力持ちは大体持ってるはずよ」


 本日はどうも、衝撃の絶えない一日のようだ。彼女の言うことが正しいのなら、真次は霊力とやらの、摩訶不思議パワーを使えるということになる。


「あ、ああ……うん。能力ね……持ってるぞ……しょぼいが」


 こんな非常識な単語を、日常会話の気楽さで言う羽目になるなど、夢にも思っていなかった。ショックで倒れそうになりながらも、姫様と会話を続ける。


「じゃあ弾幕ゴッコもできるんじゃない? って、真次が知ってる訳ないわね……」

「ゴッコ遊びか? おままごとなら遠慮したいが」

「幻想郷に広く普及されてる決闘法にして、問題解決の手段よ。強ければそれに越したことないわ。妖怪とかも撃退できるようになるし」

「襲ってくるのか……藍みたいに話が通じる奴ばっかじゃないのか?」

「むしろ妖怪は人間を襲うものよ? 出会ったら注意しなさい」


 また一つ、非常識を常識として覚える羽目となった。再び脳みそが悲鳴を上げる。


「それの練習は明日でいいか? 今日は非常識ばっかで頭がおかしくなりそうだ……」

「初めからそのつもりよ。真次と私じゃ実力さありすぎるもの。永琳は忙しいだろうから、ウドンゲに相手してもらうわ。それにしても……異世界に来るって大変なのね~」

「常識は投げ捨てる物ではないからな……言語が同じなだけ助かるが……」


 呑気に言う姫様に対し、真次は苦虫を噛み潰したような表情で固まった。


「まー頑張ってとしか言えないわ。戻りたいとは思うの?」

「それはまだわかんねぇな。来たばっかだし」

「帰る前に、死なないようにね。ここは人間の命が安いから。そのためにも、弾幕ゴッコのルールを説明してあげるわ。ありがたく思いなさい?」


 えっへんとえばる姫様に、真次はしみじみと言った。


「ああ、そこで姫様キャラアピールするのな。さっきゲームん時の表情のが好みだったなぁ……」

「あら、私が好みなの? 求婚してみる?」

「ちと早急過ぎるだろ。もう少し二人きりの時間を重ねてからそういうことはするべきであってだな……」

「そう。ざーんねん。するって言ったら、五つの難題のフルコースを送ってあげたのに」

「それマジでムリゲーだからやめれ!」


顔を真っ青にして首を横に振る真次。実際、原作の五つの難題は貴族たちが断念した難題だ。それが五つ全部となれば……と考えていた所に、


「ああ、真次。勘違いしているみたいだけど、原作の方じゃなくて、弾幕の方にも五つの難題を作ったのよ。それを全部浴びせるって意味」


 認識のズレに気がついたらしく、姫さんが補足説明をしてくれた。……それにしたって、酷い内容である。


「……なぁ、それ喰らって俺は生きていられるのか?」

「十中八九死ぬんじゃない?」

「ひっでぇ!」


 真次は思わず叫んだ。この姫様、容赦なしである。と、そこに――


「真次先生。患者さんもいるからお静かに」

「おっと、そうだったな。悪ぃウドンゲ……現代でも、喋り過ぎって言われたっけ……」


 探していたウドンゲにばったり会い、注意されるも、真次はどことなく懐かしい気分に浸っていた。患者と他愛のない会話でつい、音量を出し過ぎてしまうことがよくあったのだ。


「ちょうどいいわウドンゲ。ちょっと身体動かしたいから弾幕ゴッコの相手して」

「えっ!? 今すぐですか!?」

「そうよ。真次にも弾幕ゴッコがどういうものか見せておきたいのよ」

「は、はぁ……そういうことでしたら……あ! ちょっとこの薬だけ師匠の所に持って行きますね!」

「はいはい。じゃあ、外で待ってるわ」


 一応納得したウドンゲは、頷いたあとその場から駆けだした。……理由は不明だが、どうやら輝夜の方が立場は上らしい。……なんとなく苦労人気質のような気がしたが、気のせいだろうか? こういうには、頼りの勘は発動してくれなかったりする。


「さ、竹林に移動するわよ。慣れてないと迷いやすいから、離れないでね」

「ああ、似たような景色だと方向感覚狂うからなぁ……」

「そういう意味じゃないんだけど……まぁいいわ、ついてらっしゃい」


 ふわりと宙に飛びあがり、そのまま行ってしまいそうになる輝夜を慌てて真次は引きとめた。


「ちょ、ちょっと待て! どーやって飛んでんだ!?」

「へっ? 外の人間って飛べないの?」

「普通人間は飛べねーよ!」


 またもずれた常識に悩まされるはめになった真次。彼の幻想郷での日々は、まだ始まったばかりなのであった。



6月20日 15:32


真次君は比較的常識人ですので、幻想郷のルールや法則に、はいそうですかと適応することが出来ません。ファンタジー世界に興味が全くないという訳ではないのですが、それでも困惑しているようですね。

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