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STAGE 4-9 絡み合う思惑と弾幕

7月12日 16:30



 様子見を続ける魔理沙と真次は、次の出方を伺っていた。今も最低限弾幕を張っているが、実質は牽制合戦でしかない。本気での攻撃でないことは、互いに承知しているだろう。


(今まで戦ってきたのとは違うタイプ……俺とかみ合いすぎるな。論理的に物事を詰める理系脳なんだろう)


 最初に接触した時の印象と、本を強盗まがいに奪っていく事から、乱暴な脳筋だと勝手に思い込んでいた。ところが戦ってみれば、魔理沙じっくりと相手を観察しながら、一手一手丁寧に、順当に相手を追い込んで確実に勝てる状況を組み立ててくる。

 呪いで調子がおかしかったのもあるのだろうが、ほとんと別人じみた戦い方に真次は震えた。今の魔理沙だったら、紅魔館で共闘した美鈴がいても勝てるかどうか。強気に振る舞っている真次だが、今すぐにでもギブアップしたいのが本心だ。ブラフが効いて慎重にさせているから、現状は拮抗しているように見えているだけ。魔理沙に本気を出されたら、詰め将棋よろしく追い詰められてしまうだろう。

 そろそろギアを上げてくる。滞留した空気を嫌った魔理沙が仕掛けてくるであろうタイミングで、一気に距離を取った。

 激しくなった攻撃は、近距離なら凌ぎ切れなかっただろう。危うく被弾するところだったが、先読みで位置を変えていた甲斐もあって難なく捌けた。

 はっきりと、魔理沙の舌打ちが聞こえた。彼女としては仕掛けたいのだろうが、真次が呼応し間を取ることで踏み込ませない。苛立って飛び込んでくれれば楽だが、今日の魔理沙ではそれも期待できそうにない。

 なれど、このまま待ちを続けるのも危険だ。持久戦になれば、経験の薄い真次は先に息切れしてしまう。いかにも出来る人間を演じているが、メッキが剥がれたら最後、ボロ雑巾確定だ。

 

(どこかで、俺から仕掛けないとだな)


 それも、魔理沙が反撃や対応する間もなく一息に、一瞬で勝負を決めに行かなければならない。今の真次のスペカで倒しきれるとは思えないが、不利を承知で賭ける他にないのだ。

 懐かしい、と真次は感じた。藤原妹紅と対決した時も、格上相手にブラフから強襲を仕掛けたっけ。最も炎を主体とした彼女には、リボルバー銃から飛び出した爆炎は通じなかったが……

 あのスペカなら、魔理沙相手でも有効打になるが、至近距離専用の技では活かせまい。空間移動でも出来れば話は別だが――そこまで考えて、彼の思考に電流が走った。

 その手札なら、ある。オートマチック拳銃を投げつけた位置へワープ移動するスペルカードだ。別々の銃で発動するその二枚を、同時に発動できないか? 突拍子の無い思いつきを、真次は練り上げ、形にして魔理沙にぶつける!


「双弾『ブレイズジャンプ』!」



7月12日 16:35

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