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STAGE 0-11 電子の戦場

お待たせしました!! 今日いっぱいで投票を締め切ります! さぁ、ヒロインの座を勝ち取るのはどのキャラか!?

6月20日 13:26



 昼食を済ませた真次は、てゐの案内によって輝夜の部屋の前まで案内されていた。

 ……本人曰く、「いたずらを仕掛けようと思ってたのに、向き合ったらそんな気が失せたウサ。おとなしく案内してやるウサ」とのこと。おそらくだが、「悪意を切り離す程度の能力」の影響なのだろうと、真次は勝手に解釈する。


「……さて。姫さん、邪魔するぜ~」


 引き戸を開けて、輝夜の部屋へと侵入する。パッと目についたのが、散乱した各種ゲームだ。……一応精密機械なのだから、もう少し丁寧に扱ってほしいものである。


「あら、真次じゃない。どうしたの?」

「いやまぁ……色々あり過ぎて疲れちまってな? 気分転換にゲームやらせてくれねぇかなぁ……と」

「……私とあなたで趣味合うの?」

「正直、俺も疑問だが……って、もしかしてそれー!」


 スタートボタンをとっさに押したのか、画面は制止している。その画面には、真次も見覚えがある機体が映っていた。


「あら、知ってるの? これ外の世界でも有名なのかしら?」

「255周してるのが有名だな」

「はぁ!? できるのそんなこと!?」

「……クリアしてたな。当然だが、俺はそこまでいけん。せいぜい三周が限界だ」


 輝夜はわなわなと震えている。


「ありえない! 何かの間違いではないのか!?」

「気持ちはわからんでもないが……てか、さりげなく原作ネタ混ぜるの上手いなオイ」


 ⇒驚愕する


 な状態の輝夜を余所に、彼女の隣で見学しようとした。ディスクを踏まないように細心の注意を払いながら、ようやく隣へとたどり着く。


「あ、そう言えばこれ、二人プレイ出来たわね。一緒にどう?」


 ちょうどつながっている2Pのコントローラをちょんちょんとつついて、輝夜が誘ってくれた。


「おっいいのか? じゃあ早速……ってオイィ!? 既に姫さんフル装備じゃないか!? このステージ構成は八面じゃないだろうな!?」

「まだ一週目の二面よ。ほらほら、頑張りなさい?」

「なーめーるーなーよー!!」


 比較的安全なタイミングを見計らって、真次もゲーム開始。幸い、まだ序盤の方なので弾幕も薄く、装備の整った輝夜が敵を掃討してくれているおかげで、出てすぐやられてしまう事態は避けれた。


「あら、装備はそれでいいの?」

「一番上の伝統の装備に愛着があってな……何せこちとら、初代からこれまでと、外伝までやってるんでね」

「まーウドンゲよりは粘って頂戴?」


 視線は画面に向けたまま、会話だけ続ける。


「ん? あの助手の子もやるのか」

「たまに誘うんだけど、あんまり上手くないのよね~それでも楽しいって言ってくれるからいいけど」

「永琳先生はやらないよな」

「う~ん。やらせたことあるんだけど、逆に永琳は上手過ぎてつまらないのよねぇ」

「あ~あるある。同レベルぐらいで一緒にやるのが一番楽しいんだよな」


 呑気に会話しながら、真次は弾幕を掻い潜る。現状、輝夜の方が装備が整っているので、彼に出来ることはチマチマと敵を倒すことと、やられないようにすることだけだ。


「……意外と粘るわね」

「言ったろ? 三周目突入ぐらいまではいけるって。まー姫さん狙いの流れ弾が恐いけどな」

「それはこっちも同じよ。新鮮でいいけどね」


 と、二人が話していると、BGMが変わった。ここからは――


「確かここはボスラッシュだっけか?」

「そうよ。まーその装備じゃ支援が精いっぱいでしょうけど」

「言ったな? 防壁の一枚ぐらいぶっ壊してやんよ!」

「一番初めのやつはついてないわよ?」

「そういやそうだった!!」

 

 呑気に会話をしながら、二人は戦闘を続ける。輝夜は圧倒的火力でドンパチやっている中、青年はひっそりと支援を続ける。


「ホント、その装備でよく粘るわね」

「正直、姫さんの火力がなかったらとっくの昔に轟沈してただろうがな。……これ、二人プレイだと微妙に総火力上がってるんだが、敵の耐久力も増えてんのか?」

「増えてないんじゃない? 体感で脆く感じるわ……さあこの面のボスよ。私は上二つをやるわ。下の二つのコアをお願い」

「キツイことおっしゃる!」


 さりげなく無理難題を押し付けられたが、真次は悪態だけついて戦闘を続ける。

 電撃から放たれる球体、正面から自機狙いで発射されるレーザーと、激しい攻撃を繰り出してくる。

 少女の操る機体は前へ、青年が制御する機体はやや後ろに下がり、弾幕を避ける。そのまま集中砲火を受けた敵のコアの一つが、彼女の手によって消し飛んだ。

 と、電撃が一旦収まり、敵のフォーメーションが切り替わる。


「パターン変わるわよ!」

「あいよ!」


 初めて組んだにもかかわらず、抜群の連携で声を掛け合う二人。……同じゲームをやり込んだ者同士は、なんとなくだが、お互いに動きがわかるのだ。


「……こっちは終わったわ! 真次そっちは!?」

「コア一つ破壊! 二つ目は防壁一枚フッ飛ばしたとこだ!」

「上出来よ! あとは任せなさい!!」

「それじゃ男が廃るってもんよ!!」


 二機の機体が、熟練の動きで最後のコアに猛攻をかける。

 あっさりと防壁は消し飛び、そのボスは轟音と共に爆散、消滅した。


「やるじゃない! このまま一週目ノーコンクリアいけるかしら?」

「一週目と言わず、二週目クリアぐらいまでいこうぜ?」

「調子に乗って落ちないでよ?」

「ハハ、姫さんこそ!」


 出会って一日と経っていないのに、この息の合いようである。永琳の予想以上に、この二人は相性が良かったようだ。

 こうして、かぐや姫と現世の医者は、しばらくの間、共に電子の戦場を駆け抜けることなる。

 二人の残機が、尽きるその時まで……


 6月20日 13:37


姫様と真次君がプレイしたゲームは、モデルとなったゲームが存在しています。確か某動画サイトで実際に255周した動画が上がっていたはずです。興味が持てたら、「スーパープレイ」「255周」で検索してみてくださいね。

ちなみに作者はこのシリーズ、この作品はプレイしてませんが、1~4、外伝はプレイ済み。3だけノーコンクリアが出来てません……難易度が段違いなんだもの……

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