STAGE 0-10 能力
ちょーっと遅くなってしまいました
それと投票ですが、次の話を投稿した時点で締め切りとさせていただきます。ご了承くだしあ~
検査を一通り終えた真次は、与えられた部屋で携帯食料、「カロリーボックス」を貪っていた。
朝食は彼の習慣だと、休日ぐらいのタイミングだったのだが、昨日食事をしていなかったせいか、腹が減ってしまったのだ。なので、一箱だけ開けてこっそりつまんでいたのである。
「……意外と美味いんだよなこれ。もう持ってきている分しか食べられねぇとなると、やっぱりもう少し持ってくればよかったか?」
藍の忠告を聞いて減らしてしまったのを少しだけ後悔しつつ、ゴミ箱の中に空き箱を投げ捨てる。カラン、と乾いた音を立てて、ゴミはゴミ箱の中へ吸い込まれていった。
直後、戸を叩く音のあと、永琳が入ってきた。
「先生、検査が終わりました……やはりといいますか、異常はどこにも見当たりません」
真次はこの結果も予想していた。呪いなどという曖昧なものだ。検査で検出できれば苦労はしないだろう。
「となると呪いにかかっていないか……あるいは潜伏期間みたいなものか……全く、何も出ないってのが一番困るぜ」
「それがですね先生……これまた、信じられないかもしれないのですが……」
先ほど、呪いのことを口にしようとした時と似たような表情で、永琳は言い淀んだ。
「もうちょっとやそっとじゃ驚かねぇって」
カラカラと笑いながら、先を促す。永林もそれで安心したのか、にっこりとほほ笑んで真次に告げた。
「先生は『能力持ち』でしたわ」
「すまん。詳しい説明を希望する」
「……幻想郷の住人は、ある特殊な能力を持っていることがありますの。私は『ありとあらゆる薬を作る程度の能力』を持っているのですが……先生もそう言った能力を持っていることがわかりました。多分、生まれつきだと持っていた能力だと思いますが、知らないのを見ると自動発動するタイプだったらしいですね」
「えっと……要は超能力みたいなものか?」
「その解釈でもほぼ通じると思います」
説明を受けた真次は一つ、ため息をついた。『信じられない』からではない。
「俺だけはそういうのと……無縁だと思ってたんだがな……」
「あら? 心当たりがあるのですか?」
「『能力を持っている』ことにはな。どんな能力かまでは想像がつかない」
「ならお教えします……あなたの能力は……『悪意を切り離す程度の能力』です」
彼は首を傾げた。いまいち使い方のわからない能力である。
「恐らくですけど、精神的なものだと思います。先生は、誰かを憎んだりしたことはないんじゃないんでしょうか? あと、他人から憎まれたりすることもなかったのでは?」
「……それが、『悪意を切り離す』ってことか? なんだか曖昧だな。ま、確かに言うとおりだ。誰かに刺されるようなことはなかったし、言われてみれば自分自身、そういった悪意を持ったことわねぇ。ああ、本気で怒ったことはあるがな。聞きわけの悪い患者はいるからなぁ……」
真次はしみじみと思い出す。苦労も多いような気がしたが、それ以上にやりがいのある仕事だと、彼は自負している。だから、辛い時も辞めずに済んだのだ。
「で、この能力……多分ですけど、先生にかけようとした呪いも自動防御していると思います。呪いは言わば、悪意の塊と呼んでも差し支えないですからね」
「……なるほど」
ついていくのがやっとだったが、どうにか状況は理解出来た。つまり、自分は呪いが効かない体質ということ。他人に対して悪意を持たない、他人からの悪意を受け付けないということだろう。
「……精神的にということは、医者としての適性は高いですね。患者に悪意を持つ訳にはいきませんから」
「ああ、きっと『そういうこと』なんだろうさ」
真次は深く、深く嘆息した。永琳にはその意味がわからない。わかるはずもないだろう――なぜなら、自分たちは、生まれた時から呪われているようなものなのだから。
「どうかしました?」
「いや……色々あり過ぎて、少し疲れた」
「でしょうね……なんでしたら、気晴らしに姫様と遊ぶのはどうでしょう? 向こうの世界のゲームもありますよ?」
「……姫さんと趣味合うかどうかスゲー心配なんだが……ま、せっかくだし、その提案乗らせてもらうぜ」
こうも非常識なことが連続で起こると、流石に疲れてくる。そこにこの提案だ。少々不安があるが、断る理由もない。昼食のあと、姫様の自室にお邪魔するとしよう。
6月20日 12:39
能力の補足説明……と言っても、ほとんどやることないんですけど。
『悪意を切り離す程度の能力』
自信の悪意、他者からの悪意を切り離す程度の能力。
これにより、他人から恨まれたり、逆に恨んだり憎んだりしなくなる。
また、呪い等も無力化するスキル。自動発動な上、ほとんど霊力を消費しない。




