第8話 地獄の業火
執筆始めて1週間経ちました。
予想をはるかに超える読者の方々に感謝、感謝です。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。
それではどうぞ。
私は、今日もこの青年のところにいる。
父様に言われ、魔力暴走にもっとも効果があるといわれている光属性特有の癒しの魔法をかけているがなかなか目を覚まさない…。
毎日1時間程、かけているが時より苦しそうな顔をするだけであまり大きな変化は無い。
光属性の魔法による治癒魔法は水属性の物とは異なる。
基本的に水属性の治癒魔法は身体の外側から外相などを治すのに対し、光属性の治癒魔法は身体の内面から病気や呪いなどを治す。
この青年は、1週間ほど前に魔力暴走を起こしたりきり一向に目を覚まさない。
話によると、あの有名な『ベルグ盗賊団』に襲われた村の生き残りだそうだ。
そのため、重要参考人として丁重にもてなす必要があるのだ。
「それにしても、何度見ても黒髪とは珍しいですね…」
そうつぶやきながら、彼の髪に触れようとした瞬間、彼が起きた。
突然、ガバッっとシーツごと飛び起きた青年のせいで私は床にずれ落ち、咄嗟に「キャッ」っと声が出た。
文句を言おうと、床から立ち上がり彼のほうに向きかえったが…
「寝てる…」
クシャクシャになったシーツ以外は先ほどと何も変わらず、規則正しいリズムで彼は寝息を立てていた。」
***
「ん…」
静かに目を覚ますと、目に入ってきたのは見知らぬ天井、見知らぬ壁だった。
一度見たことがあるような気がするが気のせいだろう…。
ゆっくりベットから抜け出し、部屋を見渡す。
カーテンつきのベットに、金縁の絵画、いかにも高そうな壷が置かれていた。
「どこだ…ここは?」
ひどく頭痛がする。様々な情報が身体に入ってくる。そんな感じだ。
確か…俺は村で、火事に巻き込まれて、死体を見つけた。そして、悲鳴が聞こえて…アンナさんが。。。
思い出してきたら涙が出そうになったのだが…何故か泣けなかった。
そして、同時に自分が手に掛けた数多の命。
あんな野郎達でも家族はいたのだろうか?
人生に希望があったのだろうか?
殺すことを肯定し、これでもかといわんばかりに残虐かつ冷酷に殺したのだが…
思い出していくうちに吐き気がしたので、近くの窓を開け放つ。
そこから、吐いた。否、吐こうとした。
口の中に酸っぱい味が広がるだけで固形物は出てこなかった。
それでも、その動作を数回繰り返した。
約1時間、そうしながら夜風に当たるうちにだいぶ気分がマシになってきた。
いつの間にか頭痛も無くなった。
とにかく欲しいのは情報だ。
そう思った俺は、すぐさま近くの扉を開け放った。
扉から出ると、そこはどうやら廊下のようだ。
赤じゅうたんが敷かれており、左右に絵画が掛かっているところをみると相当な金持ちの家のようだ。
誰にも会うことなく、廊下を進むとエントランスホールに出た。
左、右に分かれている階段。下の階にある巨大な扉、吹抜けになっている天井にステンドグラスとまるで、何かのお城のようだった。
「城?」
ふと自分が思ったことに疑問を感じた…。
昨日まで俺は、村にいたはずだ…そこで、魔法を使って…気絶して…誰かがここに運んだ。
状況が全くの見込めないまま下を覗きこむと、きっちりと武装した兵士が4人立っていた。
もし、自分が囚われの皆なら闇の魔法であの野郎達と同じように殺すか気絶してもらおうと思ったのだが、あの鎧の紋章には見覚えがある。
「あの紋章って、確かニーナさんの着ていた鎧にも付いていたな…」
そんなことをつぶやきながら観察していたのだが…
「何者だ!! 貴様!!」
あっさり見つかってしまった。
「おい! 応援を呼べ!! 城内に不審者が入り込んだぞ!」
「ちょっ!!」
俺に弁解を聞く間も無く、兵士達が俺の周りを取り囲む。
それぞれが剣を突き出して完全に包囲されてしまった。
兵士との距離、約1.5m
そして、その数はどんどん増えていった。
「貴様、何者だ?」
「何処から入った?」
「誰の使いだ!?」
「武器を捨てろ!」
兵士達が口々に叫んだ。
「いや。いっぺんに言われてもわからねぇよ…」
やけに統率の取れていない兵士達だった。
そして、そのうちの一人が斬りかかってきた。
普通、事情聴取くらいするのでは? と思ったが命の危険には替わりない。
「フレイムメイル!」
俺の身体を一瞬で炎の鎧が纏った。
これは村で大虐殺を行った際に使った技だ。オリクさんにもらった本にも書いてあった魔法だ。
しかし、あの時は闇属性も混ざり全く別の魔法になっていたが…。その上、ほとんど制御不能でただ相手を殺すということにのみ特化した技だった。
オリクさんとの特訓の成果でイメージしやすい魔法なら言霊のみで既に発動することはできる。あの人曰く、魔法に関してはかなりの才能の持ち主だとの事。
「な! こいつ魔術師だぞ!!」
一気に兵が引き、弓矢や杖らしき物を向けられた。
エントランスホールに緊迫した雰囲気が漂う。
徐々に兵士達の顔も厳しくなってきた。
そして、ゴォーと燃える炎を纏う俺はなんなんだろう…。
っというかここは一体…。
緊迫した雰囲気が3分ほど続いたときだった。
「ニーナ将軍こちらでございます。賊が魔法を使ったため、今だ手を出せておりません」
シーンとしたホールにその声はやけに響いた。
囲んでいる兵が割れ、1人の女性騎士が出てきた。
「そうか、あいつだな………え?」
ポカーンとするニーナさん。
「あれ?」
俺も、その様子を見て一気に力が抜けた。
同時に魔法も解除した。
それを見た兵士がチャンスといわんばかりに
「か、かかれ!!」
と叫び、俺にかかってこようとしたが…。
「やめなさい!!」
ニーナ将軍でも俺でもない…誰かの声がエントランスホールに響いた。
コツッ。コツッ。タタタッ。
「この方は、客人です。今すぐ、引きなさい!!」
「「「「「っ!!!!」」」」」
兵士達の顔が一気に青ざめて跪く。
そして、蜘蛛の子が散るようにどこかに行ってしまった。
残されたのは、ニーナさんとその横にいる兵士、そして…謎の女の子だった。
その女の子が俺のほうに向かって歩いてくる。
身長は俺よりも小さいがすらっとした体型、銀色の髪の毛を腰の辺りまで伸ばし、蒼色の瞳をした美少女だ。
はっきり言っていい。こんな人、地球ではお目にかかったことが無い。
凛とした姿で、俺の元までやってきた。
「目が覚めたなら、まず使用人にか誰かに報告してください。急にいなくなったので城内を探し回りましたよ!」
いかにも高そうな洋服に身を包んだ少女が、少し頬を膨らませて怒っている…。
「すみません…」
何故か謝る俺。
「それに、いきなり城内で魔法を使うとはどういう神経ですか??だいたい…」
「あのぉ…。今ひとつ状況が飲み込めないので一から説明してもらえませんか?」
一方的に怒られそうだったので、そう頼んでみる。
すると…なぜか近くに残っていた兵士が青ざめ始めた。
「私が説明しましょう。」
後ろにいた、ニーナさんが不意にそう言い、説明しだした。
「タツヤ。君があの村で発見されて既に10日程経過している。ここはアルバニア王国、首都フリージアのシャンネベルグ城よ」
「10日!? ってか、何で一般市民である俺が城なんかにいるんだ?それよりも、あれはやっぱり…」
「まぁ。最後まで話を聞きなさい」
少々呆れ顔でニーナさんがそう言うと続きを語りだした。
「あの日、私達が討伐から帰ってこようとしたときに村から火の手が上がっているのに気がついたの。そこで、私達は急いで村まで戻ってきたけど…遅かったの」
そういって一旦言葉を切るニーナさん。
「私達が村に着いたときにはもう村中が炎に包まれていた。門のところに倒れていたオリク殿をはじめ村の兵士達、一般の市民の人々も殺されていた。」
「…オリクさんも亡くなったのですか?」
今まで生きていると思っていたので、かなりのショックが襲い掛かってきた。
そんな様子を見ていた兵士達が一礼し何処かに行った。
「えぇ。たぶん、村を守ろうと戦ったのね。岩が隆起した様な跡や、何人かの盗賊の死体もあったから…」
「そうですか…」
オリクさんは最後まで戦ったのか…。無事に死後の世界でアンナさんと会えればいいな。
一度死を経験した自分が言うのも変だが、死んだ後の天界で一緒になれれば幸せだろうと心から願う俺だった。
例え、アンナさんが悲惨な死に方であろうと…。
自分の死体は肉片のようになっていたが、地獄に落ちたときの五体満足だった。
たぶん、死んだ時の状況は死後の世界では関係ないのだろう。
「ねぇ。ここじゃアレだから…とりあえず私の部屋まで来て頂戴」
銀髪の女の子がそう言ったので、お言葉に甘えて部屋に向かうことにした。
先ほどとは違う廊下を歩いている間ずっと、オリクさんのことをはじめとする村の状況を教えてもらっていた。
ある扉の前で女の子が足を止め、中に入るよう促す。
そして、室内にあったソファーに3人とも腰掛け話の続きをする。
「つまり、あの村で生き残ったのは俺だけで盗賊や村人は全滅だということですか? それで、俺は重要参考人として連れてこられたと」
「えぇ。そういうことね。貴方の話で大体の事情は掴めたんだけど、何故盗賊が死んだのかだけがわからないの…」
「それは、私からも聞きたいわ。王国の騎士団ですら高い戦闘能力のせいでなかなか討伐にいけなかったのにどうして一夜にして壊滅したのか…理解できません」
2人とも何かを期待するような目で俺を見てきた。
ふぅーと一息ついて
「まぁ、どちらにしろ言うつもりでしたが…。あの盗賊は俺が殺しました。」
俺は、静かにそう告げた。
「え?」
ニーナ隊長も女の子もキョトンとした表情だ。
「あの盗賊は俺の魔法で殲滅しました。」
あのときの状況を思い出しながら、もう一度、簡潔にそう伝えた。
「ちょっと待って!! それはおかしいわ。私達は貴方が魔力暴走を起こして気絶したところを保護したのよ? 仮に貴方の魔法で死んだとしても、盗賊の傷跡はとんでもなく鋭利な刃物で斬られた跡だった。いくら魔力暴走したからといえ貴方の火属性の魔法には不可能な芸当よ」
「そ、そうよ! 報告で聞いている限り剣の達人がその場に訪れ、盗賊団を一網打尽にしたというのが一般的な説で…」
2人とも俺を全く信用せずに、それぞれの言い分を並べた。
「2人とも、落ち着いてください。あの時、確かに俺はいつもの状態ではありませんでした。より残酷に、より冷酷に人を殺しました。それは俺がたった1週間だけお世話になったとても面倒見のいい方が惨殺されているのを見て頭に血が上ったからです。あたりまえですよね。そしたら、自分の中の魔力のリミッターが壊れ、ありったけの魔力であいつらを殺しました。…殺しただんだ」
あの惨劇を思い出すだけでも、再び怒り狂いそうだ。
「…。でもね、タツヤあなたの炎ではあんなに殺し方は出来ないの。切断面がピッタリ合う斬り方なんて風魔法でも相当な使い手じゃないと出来ないの。…だから、やっぱりあなたが魔力暴走をおこしても、その芸当は不可能だわ。」
うんうん。
と女の子も同じ意見のようだ。
「何といわれようと、俺が殺しましたのは事実です。捕らえたいなら捕らえてください。たとえ敵討ちのような形であれ、人を殺したことにはかわりはないのですから。」
そう。俺は生まれて初めて人を殺したのだ。日本なら確実に死刑だろう。この世界でも殺しはきっと罪になるのだろう…そうならば、罰を受けなくてはならない。
覚悟を決めている俺に対して2人は
「…」
顔を見合わせている。どうも信用されていない。呆れてすらいるようだ。
っというか、この2人はあの悲劇を客観的に見ただけでわかった気になってるのではないのか?
それにも関わらず人の覚悟を踏みにじるとは何様のつもりだ?
始めはアンナさんとオリクさんの死という事実でのショックが大きすぎて、淡々と語っていたが感情が高ぶるに連れてムカついてきた。
そもそも、王国の救援が来ていながらあんな惨劇を起こしたことに対して弁解の言葉があってもいいのではないのか?
「証拠は? 何か、証拠は無いの??」
そんなに、信用なら無いならこいつらに見せてやろう。
「…んじゃあ、見せてやるよ。」
そう言って、2人をギロリと睨みつけた。
***
「あの盗賊は俺が殺しました」
今、目の前の青年はなんと言った?
あの『ベルグ盗賊団』を1人で壊滅させた?
ありえない。
っというか、私と同じくらいの歳でそんなことが出来るはずない。
それに、報告に上がってきた鋭い刃物で斬られた傷跡など並の人間に作れる代物ではない。
私がこの青年に治癒魔法をかけている間に、様々ケースをにーながくれた情報と合わして考えてみたが、この青年に盗賊団を壊滅させることは不可能だった。
しかし、この青年はやったと言う。
わからない…
私自身、現場に行ったわけではないが村人が全員死ぬというのは悲惨なことなのだろう。
そんな中にいたせいで頭がおかしくなったのではないか? とすら思った。
そんなことを考えながらニーナと顔を見合わせた。
すると、目の前の青年から嫌なオーラが漂ってきた。
「じゃあ見せてやるよ」
青年の静かな声。
その声を聴いた瞬間、身体が硬直した。
なんて、冷たい声。まるで、地獄のそこから語りかけられているかのよう…。
青年の真紅の瞳が一際輝いたと瞬間、身体が震えだした。
何…これ?
あの青年がやっていることなの?
怖い…。
怖い…。
…………。
***
今度は闇の魔法もしっかりコントロールできた。
前回のように闇雲に魔力を放出するのではなく、一部の対象に向け闇魔法を開放する。
無論、黒い炎の鎧は発動している。
この黒い炎の鎧は、攻撃にも防御にも役立つ。
何本の鎌のようにして切り刻むことも、相手の魔法を包み込み粉砕することも可能だ。
魔法とは不思議な物で一度認識するとその使い方を自然と身体が理解する。
そのため、一度認識さえしてしまえば使い方や性質もわかってくる。
っというか今、それをまさに体験中だ。
闇。それは、明確に形が無い影の存在。
人々に恐怖を与える存在…
っと気がついた。
少しむかついていたこともあり、あの2人に発動した魔法の存在を忘れていた。
魔法というより闇の魔力そのものをぶつけていたのだが…。
ニーナさんは焦点が定まってないし、女の子はヒックヒック泣いていた…。
「…しまった!」
女の子を泣かすのは男として最低な行為だと思う。
慌てて、魔法の発動をやめた。
不意に、アンナさんの怒っている顔が脳裏に浮かんだ。
『こんなことで誰かに八つ当たりすることを私達は望んでいない』そんな事を言われている気がした。
それでも、アンナさんの無残な殺され方を忘れるわけが無い。
復讐は終わった。…しかし、この後はどうすればいいのだろうか?
『新たな世界での生活を楽しんで』
ミカエルに言われた言葉を思い出した。
楽しむ?…今の自分にできるだろうか?
わからない…。
それでも、先ほど感じていた怒りは殆ど消えうせていた。
しばらくすると、2人が落ち着きを取り戻しはじめた。
「すみませんでした」
そんな2人に素直に謝る俺。
アンナさんのこともあるが、自分のした行為に非があるのは事実だ。
「…今のは、何?」
ニーナさんが真剣な顔つきで聞いてきた。
「俺の属性魔法です」
もっと怒るかと思ったのに、全く気にしていないようだ。
「属性魔法だと? 火属性にあんな魔法があるなど聞いたことが無いが…」
「いえ。俺の属性は火属性だけではありませんよ? ほら。」
そういって、右手に炎を左手に黒い煙のようなものを纏った。
「っ!! なんだ…それは?」
ニーナさんが目を見開き、女の子は「ひッ!」と小さく悲鳴を上げた。
そんな様子をみて、魔法を消した。
またやってしまった…。
「すみません。俺の属性は、火と闇です。正確には『地獄の業火』ですが…」
『地獄の業火』
罪人を焼き尽くすための物であり、人々の畏怖の象徴的存在。そして、俺の魔法はそれを具現化するものだ。
具現化といってもこの世界では闇と火属性の2種類のことを指すのだが、それだけでは計り知れない物も存在する。
これらの知識は俺が眠っている間に、頭の中に流れ込んできた知識のようだ。
気付いたら知っていた。当たり前のように理解していた。
そう。まるで子供がいつのまにか言語をしゃべれるようになっている。そんな感じだ。
「2属性持ち、セラフィストだと!?」
『地獄の業火』という言葉は完全にスルーされ、ニーナさんが叫んだ。
「セラフィストって何ですか?」
また、知らない言葉が出てきた…。
「ありえない…。しかし…」
「あのぉ~」
何やらブツブツ呟いているニーナさんにもう一度声を掛ける。
「っ。あぁ。セラフィストだな。セラフィストとは2属性の魔法を使う者のことを言うのだが非常に稀な存在で、最後の記録は6年前に一人の老人が保持しているのを確認したのが最後だ」
「へぇ~。んで、俺が盗賊を殺したということは信じてもらえたか?」
やっと、本題に戻れた。
「信じるしか無いだろう…。セラフィストに闇魔法。驚くことが多すぎてな…」
っというかニーナさん、随分男っぽい口調になったな…。
あ、でも部下に命じてるときはこんな口調だった気がする…。
「オホンッ!」
部屋の隅からわざとらしい咳が聞こえた。
銀髪の女の子だ。
「私のこと忘れているんじゃないでしょうね?」
どうやらちょっと怒っているようだ…。
まぁ、忘れていたのは否定しないが。
「そういえば、ニーナさん。この女の子って誰ですか?」
「タツヤ!!!」
何故か、目の色を変えて怒るニーナさん。
「女の子ですって……まぁいいわ。私はフィーナ・エルサレム・ヴィ・アルバニア、このアルバニア王国第一王女よ」
先ほどまでのビクビクした雰囲気ではなく、どこか威厳を感じさせるオーラを放っている。
…今何て言った? この女の子。
王女だって? 俺、魔法かけたし、すごい失礼な態度取ったし…。
「あなたには色々と聞きた…」
「数々のご無礼すいませんでした。」
女の子改め、姫様に向かって土下座した。
地面に頭を付けて、深々と…。
あれで、無礼な態度をしのだから当然だ。闇魔法まで使ったし…。
そんな俺の頭に姫様の手が置かれた。
いつの間にか、強張っていた背中が和らぎ、モヤモヤとした気持ちも薄れてきた。そして、アンナさんたちのことも…。
何故かはわからない。
ただ、その手から温かい物が流れ込んできた気がする。
それがすごく心地よく感じた。
そして、そのまま俺の意識は光に包まれていった。
いかがでしたか?
展開が早いのではないのかとちょっと不安です…。
ご意見、ご感想お待ちしております。
ちょっと気になった点などでも構いませんので感想いただけると励みになります。